第3話「後悔噬臍」 Shyrock作

彼女が草むらでもがく姿が脳裏をかすめた。
眠ったあとも彼女が夢に現れた。
夢の中の彼女は呆然と立ち尽くし悲しそうな顔をして僕を見つめていた。
(どうして私を助けてくれなかったの?)
(すまない。僕は非力だし飛び出す勇気がなかったんだ。君は僕が潜んでいたことを知っていたの?)
(知っていたわ)
(たとえ助けられなくても、大声を出せたはずだわ)
(……)
(でもあ、あなたは何もしてくれなかった。そればかりか自分の欲望を満たすことしかしなかった……)
(……)
夢の中の彼女は恨めしそうな表情をして僕を咎めた。
(あなたが助けてくれていたら……私は……)
それだけつぶやいたあと、彼女は暗闇の中へと消えていった。
その時、僕は夢から覚めた。
彼女が夢の中で最後につぶやいた一言が、起きたあとも、胸に烙印を押されたかのように余韻として残っていた。
その朝、僕はいつものように登校した。
登校途中、夢の最後の一言が頭によみがえった。
彼女はあのあと僕に何を告げたかったのだろうか。
(あなたが助けてくれていたら……私は……)
急に妙な胸騒ぎが起こった。
テーマ : SM・拷問・調教・凌辱
ジャンル : アダルト
第1話「セーラー服の後姿」 Shyrock作

ずっと前方には、セーラー服の女の子が歩いていた。
霧島明日香……高校二年生。綺麗で、気品があって、勉強もよくできる子。
それに派手好きな今風の子じゃなくて、清楚で、お下げ髪がよく似合う子。
僕の憧れの女の子。
彼女は振り返ることもなく、まっすぐ歩いて行く。
僕は彼女の後ろ姿を見つめながら着いて行く。
彼女とはクラスは違うが、同じ学年。
僕達は家が同じ方向なので、クラブ活動の帰り道、偶然かち合うことがあった。
だから、彼女のあとを着いて行ったんじゃなくて、たまたま彼女が僕の前を歩いていただけなんだ。
遠くから見る彼女のうしろ姿、歩くたびに揺れるお下げ髪がとても愛らしかった。
彼女はクラブが文芸部ということもあって、日焼けもなく肌は透き通るように白かった。明るくて優しくて、それに賢くて何でもできる女の子。物静かで、笑顔がたまらなく素敵だった。僕はそんな彼女が大好きだった。
彼女と話したことは一度もなかった。僕は小柄だったし、顔もニキビだらけだったし、成績も目立たなかった。サッカー部に入っていたけど、レギュラーにもなれず、何一つ秀でた所がなく、とても彼女に話し掛けられるような人間じゃなかった。
テーマ : SM・拷問・調教・凌辱
ジャンル : アダルト
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Shyrock様からの投稿を読んでつくづく思います。
官能小説は様々あれどほぼほぼ現実にそう文体であり感心させられます。
流れが良いんですよ。 目をつむっていても情景が浮かんでくるような気がするんです。
知佳のブログの中で「美貌録」だけアクセスが伸びず対策にブロ友をと探し回りましたが現実の世界とはまるでそぐわない文章の羅列、あれを見る限りこのような文を愛読する人たちって余程世の中に対し不平不満を抱いてると思えて仕方がありません。
しかもその手の小説の方が圧倒的に人気を博している当たり書く方としても考えさせられます。 一般小説を読む人と官能小説とでは計り知れないほど隔たりがあるんですね。
探す方面と探す手法を考え直します。