官能小説『蛇の毒』 第5章 キャンプの夜(1)

聞き終わった靖子が眉をしかめた。
「何か、凄く汚らしいって感じ。」
「うん。僕もそう思った。セックスって、もっとムードがあってきれいなものだっ
て想像してたんだけど、あのことがあってから、ちょっと女見る目が変わっちゃった
なあ。」
「馬鹿、一緒にしないでよ。私は栄治とこうしてるの楽しいし、きれいだと思って
るわよ。」
「僕も。そうそう、初めての時、弘子さんの顔見てると元気が出なかったじゃない。
その時目をつぶったらなぜか姉さんの顔が浮かんで来たんだ。」
「やだ、私のこと思い出したの。」
「うん、そうしたらすぐに気持ちよくなってきた。」
「怒っていいんだか喜んでいいんだか。ところで、栄治の経験って、それ一度きり
なの。」
「ううん。弘子さんとはそれっきりだったけど。」
「全部聞かせてよ。」
「え、ま、いっか。ここまで話したんだもんね。」
高校生になった栄治には暫くガールフレンドが出来なかった。弘子との初体験以来、
簡単に付き合うような気持ちになれなかったからである。変に勿体付ける女は好きに
なれない。かと言って、弘子のように、まるで雌豚のように貪欲に求められても閉口
してしまう。
覗き見の後遺症に悩む留美
紗那絵さんがそうであったと思えるほどに子宮が疼いてとてもジッとしてられないんです。 イライラと部屋中歩き回り、テーブルの角にオ〇ンコを押し付け欲情を抑え込みと、ありとあらゆる手段を用いて理性を保とうとしました。
腹が立ったのは、普段何かと忙しくてきりきり舞いしてる時に余計なお誘いLINEしてくるくせに、こういう時に限って男どもときたら声を掛けて来てくれないんです。
仕方なく市内をあてどなく歩いてみたんですが、この日に限って何故か理想とする男が見つからず、番外でも仕方ないと待ち受けているのに一向に声がかからなかったのです。
メンヘラの有無は別として紗那絵さんも留美もどちらかと言えば気位だけは高く、自分からこう言ったことを表立って口にできないタイプでした。 そう、究極こういった事態打開には自慰以外手段を持たなかったんです。