病的性欲亢進 ~素麺に怒る母~

こうなるとある瞬間、誰かが代わってこの責任を足らざるをえなくなる。 その日運悪く閉店作業に当たってしまったのが彼女だったのだ。
目から鼻に抜けるような物言いをする関西系女性が果たしてこういったことに気付かなかっただろうかと言えば…残念ながらこの日に限って気付かなかったのだ。
しかも気付かなかったことがもう一件あった。 それが食事当番。
残務が終わって気が付けばもうとっくに各家庭では食事を終え寝ようかという時間。 仕方なく彼女は最も素早くできる調理、素麺をこの日のメニューに選んだ。 遅れを取り戻そうと、失敗をどうにかして埋め合わそうと彼女は給料前にもかかわらず播州素麺の、しかもかなり高級品を購入し持ち帰って調理して供した。
ところがこれを見た母が激怒した。 一生懸命働いて帰ってみれば食事は素麺ただ一品。 こんな時間に帰って来てこれが食事かと我が娘に理由も聞かず怒鳴り上げた。
そこにはもはや母の慈愛などというものはなかった。
病的性欲亢進 ~妙に疑い深くもあり、ある意味自信過剰でもある女~

勤め始めたからにはたとえそれがアルバイトとは言え時間給が高く勤務時間もそれなりに長い方が良いに決まってるのに何故か彼女は勤務時間を削って欲しいような言い方をもするらしい。
他の店の店員はお金を持ってそうな人を見つけると懸命に呼び込みをかける。 なのに彼女はお客様が店に入ってきて商品を手に取っているにもかかわらず近づいて行こうとさえしないのだ。
だがよくよく見ると彼女が時折ハッとするような目つきをするときがある。 カッコイイ漢が目の前を通り過ぎていった時だ。 この時ばかりは立ち姿を様々に変え気を惹こうとしているのが傍目にもよくわかる。
尾崎というネームをぶら下げたその女の話し方にも他では感じ得ない妙な一面があった。 話し言葉はごくごく普通の標準語を使うのだがLINEのやり取りは何故か関西方面の言葉になるらしいのだ。
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