知佳の美貌録「わたしは泣かない」

今日のように車が通れるほどの道幅の畦道はそもそも昔は無かった。 だから今日のように道と名が付けばどこでも車らしきものがが通り抜け出来るかというとそうでもない。
農道を通れば近道ということを付近の住民は良く知っていて便利なものだから許可も得ずしてそこを通っただけのことである。 だが、その特定と呼ばれる人間がそこを通るのを嫌がる地主もいたのである。
母の好子が囲われている旦那の娘と頑張って仲良くなれたと思った翌日、学校から帰ろうとすると下駄箱に入っているはずの靴が片方なくなっていた。
朝はちゃんと下駄箱に収めておいたはずの靴であり、何もしないのになくなるなどあろう筈がないがこういった折の隠しものは大体見つからないのが普通だ。
それでもせっかく買ってもらった大事な靴、久美は懸命に悪ガキどもが隠すであろう場所を探したがとうとう見つからなかった。
原因はおおよそ見当がついていた。
今朝、登校すると教室に現れた久美を見るみんなの目つきや態度が担任の先生に転校生として紹介していただいたときと微妙に違っていて、しかもあの娘の元に数人のガキ大将多集まりひそひそと何か相談をしていたのだ。

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知佳の美貌録「執拗ないじめ」

それらを使って遊ぶのは女の子たちの憧れ、桃源郷だった。 もしお母さんがこんな人形を買ってくれたら独り遊びだって寂しくない、何時しか久美もそう願うようになっていった。
男の子たちの当時の遊びと言えばチャンバラに戦争ごっこだった。
近所の男の子がすべて集まり、友軍・敵軍に別れ陣取り合戦をやる。
そこには家族と生死を共にし生き抜くための決戦をやるような苦労して育ててくれた親への恩返しの意味が込められていたであろう程に熱心にこれを行った。
有無を言わさぬ跡取りという使命が待ち受けていたから必然的に父親の軍隊時代の自慢話を具現化したのではなかろうかと思われる。
故に勉学には熱心になれなかったが、誰に言われるともなく親と同じ力仕事を一緒に仕事場に出掛け黙々とこなすような子もいた。
女の子はこれとは逆にひたすら理想を追った。
リーダーを張る男の子が遊びをやめると庭などの広場に莚などを敷き、そこに石ころや欠けた土器の破片などを並べままごとを始めるのである。
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