掘割の畔に棲む女 ~通い妻~
千里さんとの仲を取り持ってくれた人すべてが口をそろえ、身なりさえ整えればあの女将は女を買うために来た客だと勘違いするはずと教えてくれたからでした。
泊まってみて分かったのは母娘の扱いの粗末さでした。 敷地内の片隅に物置小屋のような建物が建っていたんですが、千里さん母娘はそこに押し込められ棲み暮らしていたんです。
ここに住まわせた理由のひとつにはその忌まわし気な役目があるからでしょう。 他の客人が寝静まった深夜、男の元に忍び足で夜伽に伺うには便利なことこの上ないのかもしれません。 しかし夏もあれば冬もあり、晴れる日もあれば雨の日や雪の日だってあるんです。 飛び石を伝って忍んでいくことのいかに大変なことか。
司があそこで出逢わなかったら生涯、千里さんはこの境遇を誰にも知られることなく、やがて年老いて朽ち果てていたでしょう。
tag : 物置小屋押し込め忌まわし気な役目飛び石を伝って忍んでいく観光街の人々雇女を買う盛りきりの食事薪で風呂と焚いてる布団は枕元に丸めて置いとく今宵の漢
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Shyrock様からの投稿を読んでつくづく思います。
官能小説は様々あれどほぼほぼ現実にそう文体であり感心させられます。
流れが良いんですよ。 目をつむっていても情景が浮かんでくるような気がするんです。
知佳のブログの中で「美貌録」だけアクセスが伸びず対策にブロ友をと探し回りましたが現実の世界とはまるでそぐわない文章の羅列、あれを見る限りこのような文を愛読する人たちって余程世の中に対し不平不満を抱いてると思えて仕方がありません。
しかもその手の小説の方が圧倒的に人気を博している当たり書く方としても考えさせられます。 一般小説を読む人と官能小説とでは計り知れないほど隔たりがあるんですね。
探す方面と探す手法を考え直します。