官能小説『秘愛館“睡蓮亭”』 第8話 恋歌様作

相手にしてくれないんで仕方がなく――せめて本番でも出来ればいいんでしょうが、
仲居はこのように着物を着る規則ですので勤務中は着付けを乱れさすわけにもいかず
――もう悔しくて悔しくて。なんでこんな兄なんだろうと・・あたしの気持ちを知っ
ていながらわざとあんなことをさせるんですから――」
喋っているうちに自分の言葉に酔ってきたらしく、仲居の目元が赤味をおびてき
た。正座の膝に置いた両手を帯のほうに引きつけたのも理由あってのことであろう。
「特に今日はしつこくて、一回あたしの口にだしてからも開放してくれず、更に手で
顔に一回ださせました。兄は気持ちいいんでしょうが、その間、SEXどころか愛撫も
キスもないあたしは生殺しです。たまらず一人でオナニーをするんですけれども、お
客様に気づかれないように声すら押さえなくてはならないですし。またそんな兄の射
精道具みたいな状態での屈辱的なオナニーでもこの身体はあさましいほどに感じすぎ
ちゃいまして、今日だけでも二回はいってしまいました。それがまた悔しくて悔しく
て――
テーマ : ■近親相姦〜お母さんと息子〜■
ジャンル : アダルト
第27話“桐箪笥のある風景” Shyrock作

敷居が高く少し気後れしましたが、惠が和服姿の仲居に案内されスタスタと中に入っていったので、仕方なく私も後を着いていきました。
惠と私が履物を脱ぐと下足番が歩み寄り履物はそのままにしておいてくれと言うので、私たちは玄関を上がり廊下を進みました。
館内に足を踏み入れると、よく磨きこまれた天然木の玄関から奥へと廊下が続いていました。
さりげなく飾られた季節の花がふっと気持ちを和ませてくれました。
まもなくふたりが案内されたのは広さが二十帖ほどのゆったりとした座敷でした。
座敷の正面には風格を感じさせる桐箪笥が置かれ、上座には床の間があって立派な掛け軸が飾ってありました。
惠は私に上座に座るようにいいました。
私は遠慮しましたが、惠はそれを許しませんでした。
料理は惠が弁当を2つ注文すると、仲居は丁寧に挨拶をし座敷を出て行きました。
「うふ、また二人っきりになれましたなぁ」
仲居が座敷を出て行くや否や、惠は急にお茶目な表情に変わりました。
「朝食の時は『もうさよならなんだ』って別れを覚悟していたけどね」
「そうどしたん……?」
「うん……」
第7話“宝塚の宿” Shyrock作

仲居はこちらがまだ取込み中だと察したのか、一礼して一旦旅館内へ消えて行きました。
『もう少し付き合ってくれ』という女性の一言をどのように解釈すればよいのでしょうか。
(もう少しドライブを愉しみたい?)
(宝塚の街をいっしょに散歩したい?)
(それとも室内で……?)
よこしまな期待が私の心をよぎりました。
(いくらなんでも……こんな良家の人妻が今日初めて出会った見ず知らずのタクシードライバーなんかを……そんなことは天地がひっくり返ってもあり得ないよなあ・・・)
不埒な想いが一瞬よぎったものの、直ぐに自ら打ち消してしまいました。
『もう少し付き合ってくれ』という一言がどんな意味なのか今ひとつ釈然としませんでしたが、私自身の中で『この女性ともう少しいっしょに過ごしたい』と言う気持ちが生まれていたことは事実でした。
私はごくふつうに、
「結構ですよ」
と返答しました。
「やぁ、嬉しいわぁ。ほんまによろしおすんかぁ?」
「はい、私なんかでいいのなら、お付き合いさせてもらいます」

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