官能小説『ただいま』 第7話 恋歌様作

きた。一度出した分だけ、堪えていたのだが、今度は我慢できなかった。腰の辺りか
らの“ぐっ!”と言う感触に気力が切れ、発射の感触とそれに伴う快感が下半身に走
り――同時にまるで“欲しいものを手に入れた”かのような不思議な満足感が胸を一
杯にする。
「ひ…い、いっちゃうぅぅ…お、に、にいちゃん…感じるのぉぉ…お…にいちゃんの
熱い…」
更に痙攣さながらに悶える妹が悲鳴を上げつつ痛いばかりに兄にしがみつく事実
に、男としての――まごう事無き“実の妹へ”の愛情と独占欲に、文字通り震えるほ
どの満足感で全身がひたるのだった。
「離さないからな。夏子」
深い満足感とともに亮一は、実兄の肉棒に奥までえぐられたまま、半分失神してい
る妹に囁いた。同時に抱きしめる両手と腰の辺りに力が入ったのは、故意とも言えな
い自然な動きの故である。
「あ…」
妹が意識を完全に取り戻すまで、兄はしっかりとその熱くなった半裸身を抱きしめ
ていた。
ほんの十数分後―――
「ふ――っ。お兄ちゃん、素敵!かっこいい――っ!ごちそうさまでした!やっぱ
り、お兄ちゃんだけが夏子の“彼氏”よね“」
tag : 近親相姦兄と妹兄と姉夢中で囁く妹痙攣さながらに悶え兄にしがみつく熱くなった半裸身可愛く喉を鳴らすハイヒール純粋な悪意
官能小説『ただいま』 第6話 恋歌様作

「あ……ほーーら。やっぱり。今、くいっ!と来たわね。お兄ちゃん」
………悲しい男の性であった。結局――或いはいつものことながら――亮一の兄と
してのプライドは関係なかった。セーラー服から突き出された妹の生乳に顔を埋もれ
させられただけで、その妹の手に握られた兄の肉棒が大きく反応してしまったのであ
る――事実がこれほど悔しかったことは亮一の人生でも…まあ、ほぼ毎日のように
あったのだが。
「ほんと。制服が好きなのね。この、へ・ん・た・い・お兄ちゃん!」
勝利感に更なる優越感を足し、加えて兄の全てを支配していることへの無限の自信
をかけ合わせた夏子が囁く。どんな言い訳も弁明も、今の現実の前には無意味と悟っ
た亮一は顔をそむけるしかできない。妹はそれにはこだわらず、その小悪魔の笑みの
まま、兄の勃起した肉棒をゆっくりとしごきにかかった。
「おい…ちょっと」
「言い訳は出たのを見てから聞くわ」
丁寧な手の動きに反して夏子の口調はそっけない。身体を入れ替え、真剣な顔を兄
の恥かしい塊によせる。それはまるで今日の兄が敵か味方か判断しようとしているか
のようだ――と言うことは亮一にもわかりすぎるほどに判っている――でも、兄とし
てはどうすることもできないのだ。
官能小説『ただいま』 第5話 恋歌様作

「慎一…」
そのままの姿勢でしばらくしてからようやく二つの裸身が動く。爆発の余韻の中で
愛し合う母子はしっかりと抱きしめあった。母は一人息子の最初の――おそらくは唯
一の――女となり、ひ弱な息子は逞しい母を真の意味で初めて“女の子”にしたので
ある。その事実の確認のための今の沈黙の時間ですら――
事実にどちらがより感動したかは二人には判らない。その内容ないし主張を言葉に
するには互いにまだまだ時間が必要で…が――
「あ、また大きく…」
熱中のあまり、入れたままだった母がうかつであった。息子はそのままで元気を取
り戻し、母と言う名の女を愛する“男”として―
「も、もうなの?なんて逞しい…い、いい!でも…もっとゆっくり…ああっ!慎
一ぃ…」
六○二号室――
「ただいま」
亮一はかなり陰気な声で自分のマンションのドアを開ける。その姿も声も――い
や、存在そのものが疲れきっていた
無理も無い。金曜の夜である。月曜からの五日分の疲労が、下がった肩と辛気な顔
色に如実に出ていた――社会人と言うのは子供達が思う以上に大変なものなのだ。
「お帰り!」
そこへ――何の配慮も同情もなく――反射的と言って良いほどの元気なダッシュで
人影が亮一の視界に飛びこんできた。
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