官能小説『危ない画像』 第16話

のし掛かって来た。
「パパ、エッチして来たでしょ。」
「何で。」
「匂いがする。その人の。」
「嘘だろう。ちゃんと石鹸で・・・」
進がしまったと言う顔をした。久仁子の誘導尋問にまんまとはまってしまったので
ある。
「やっぱり。」
進の胸に顔を埋めた久仁子が泣き出した。
「弱ったなあ。」
震えている久仁子の背中を進があやすように軽く叩いた。
「パパも男だ。ママがいなければこう言うことだってある。」
「どんな人。この間の人。」
「うん。」
「きれいな人だった。」
暫く考えてから進が話し始めた。
「こうなったら全部話しておこう。その人、麻美って言うんだが、ママの不倫相手
の奥さんだ。」
「嘘、パパはママの相手の人、知ってるの。」
「ママの不倫が始まってすぐに調べたさ。麻美の方も別の探偵雇って調べてた。お
互いにそれが分かって、麻美の方から俺に連絡して来たんだ。」
「やだ、二人とも不倫された腹いせだったの。」
「いや、そんな積もりは全然無かった。」
「ふうん、ちょっと信じられないけど。」
久仁子が身体の間に手を差し込んで進の前を握りしめた。
官能小説『蛇の毒』 第7章 一つに

「うん。僕もそれが初めてだって思うようにしてる。啓輔の姉さんとのことは自分
でした訳じゃないし。」
「その後、麻紀子さんとはどうなったの。」
「一週間くらいしてからもう一度二人で山に行ったんだ。」
「その時もしたの。」
「うん。まだ少し痛いって言ってた。」
「今は。」
「麻紀子さん、随分悩んだみたい。僕とは一年近く付き合ったんだけど、最終的に
親の言うとおりに結婚しちゃった。卒業式の日に二人で泣きながら抱き合ったのが最
後で、それからは一度も会ってない。」
「その麻紀子さんって子、可哀想な気もするけど、よっぽどいい家のお嬢さんなの
ね。」
「そうみたい。相手の人も大会社の社長の息子だって。どこの会社だかは教えてく
れなかったけど。」
「行く行くは社長夫人って訳ね。でも、話し聞いてたら、栄治は初めてでも上手に
やったみたいね。」
「うん。自分でもそう思う。だから姉貴だって大丈夫。」
「そう言う訳にも行かないわよ。」
「どうして。口でするのも、入れるのも一緒じゃない。」
「違うわよ。口で舐めても何もないけど、入れちゃったら子供が出来るかも知れな
いし。」
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