第26話“京都南インターから” Shyrock作

惠が一人身なら、何のためらいもなく誘っていたでしょう。
しかし、惠は人妻、夫のある身です。
彼女を愛せば、きっと彼女を苦しめることになるでしょう。
私も当時すでに35歳とそれなりの分別を持ち合わせる年齢になっていました。
お互いに恋愛ではなく遊びと割り切って付き合う、それならばできたかも知れません。
でも惠とはそんなことはしたくない、いや、できないと思いました。
その後も、ふたりの会話は弾むことなく途切れたままでした。
惠は時折、私の方へちらちらと視線を送ってきました。
私は何だか息苦しくなって、テーブルの水を飲みました。
今どんな言葉が相応しいのだろうか…私は言葉を探しました。
でも適切な言葉は見つかりませんでした。
沈黙を破ったのは惠の方でした。
「裕太はん、ほな、ぼちぼち京都へ帰りまひょか」
「あ…はい……」
その言葉はごく当たり前の言葉なのですが、どこか寂しい響きのある一言でした。
「ここのお茶ぐらいは僕におごらせて」
「そんな気ぃ遣わんでも、よろしおすぅ」
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Shyrock様からの投稿を読んでつくづく思います。
官能小説は様々あれどほぼほぼ現実にそう文体であり感心させられます。
流れが良いんですよ。 目をつむっていても情景が浮かんでくるような気がするんです。
知佳のブログの中で「美貌録」だけアクセスが伸びず対策にブロ友をと探し回りましたが現実の世界とはまるでそぐわない文章の羅列、あれを見る限りこのような文を愛読する人たちって余程世の中に対し不平不満を抱いてると思えて仕方がありません。
しかもその手の小説の方が圧倒的に人気を博している当たり書く方としても考えさせられます。 一般小説を読む人と官能小説とでは計り知れないほど隔たりがあるんですね。
探す方面と探す手法を考え直します。