知佳の美貌録「祖々母が望んだ領主風な生活」

そうなるために必要なのはタダ働きである。 家畜同様必要最低限の、いわば余りものを与えられそれでいて一家を支えなければならないのだ。
親に見捨てられた女の子は未だ明けやらぬ時刻(暁闇)から独楽鼠のごとく追い回され、皆が寝静まる深夜帯に至るまで掃除や洗濯、台所方まで端女同様に立ち働かされた。
乞食同然の居候であるこの子は当然のごとくそれら全てを情け容赦なく誰彼と無しに仕込まれた。 端女にもである。
何から何までご隠居様のご機嫌伺いのためにやらされた。
そして、主にお姫様の食い残しを飢えぬ程度にあてがわれたのだ。 飢えぬ程度というのはお下がりは端女の許可なくして口にできないからだ。 口にしたら最後、殊に跡取りにこっぴどい目にあわされるからだ。
だが幸いなことにそれら全てを作らされ、食して育ったものだから女衒の孫も幼くして自然と風雅な京風味、食膳を覚えることになるのである。
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知佳の美貌録「生い立ちの悲哀」

女衒の孫娘である好子は旦那衆と娼婦との交流(売春斡旋)を受け持たされたのです。
女衒の息子の嫁である彼女の母がこの少女の妹を身籠って間もなく、跡取り息子は当時の悪しき慣例である暗黙の了解のもと外に女をこしらえたばかりかその女を囲うための家 (妾宅) も別に借り、自らも移り住んで妻や子の元に帰ろうとしなくなった。
つまり今でいう同棲 (同衾) してしまった。
実家に近いとはいえ妾として囲うのではなく駆け落ちしてしまった。
父親が無言のうちに教え込んだ女に食わせてもらう術(事実ろくな働きもせず食わせてもらうヒモに成り下がった)を実行したわけだが、父親と違ったのはその女が自分の居ぬ間に別の男がちょっかいを出すこと (不貞) を極端に警戒した。
女に溺れ寝取られを警戒するあまり家督も女房も我が子すら捨てたわけだ。 ご時勢が理解できぬまま
ご時世と言えば「届かなかった手紙」にでてくる移民の亭主のように、戦争末期ともなれば物資が、殊に都市部では食料が尽き、栄養失調は国民全体の問題となっていた。 そんなご時世でも男たちは戦争に勝った勝ったと見栄を張り酒と女にうつつを抜かしたが…

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知佳の美貌録 「今日は歴史のおさらいを 赤線の地位と女衒のやり口」

赤線と呼ばれる地域は一般市民が暮らす街とは少し隔たった場所にあった。
赤線(あかせん)とは、GHQによる公娼廃止指令(1946年)から、売春防止法の施行(1958年)までの間に半ば公認で売春が行われていた日本の地域である。 とウィキペディアに記されている。
青線(あおせん)とは、1946年1月のGHQによる公娼廃止指令から、1957年4月の売春防止法の一部 特殊飲食店として売春行為を許容された地区と区別し営業許可なしに、一般の飲食店の営業許可のままで非合法に売春行為をさせていた区域を地図に青い線で囲み、俗に 「青線」 あるいは 「青線地帯」、「青線区域」 と呼んだとされている。 とウィキペディアに記されている。
この物語に登場する女衒が支配する地区は赤か青か定かではないが武士が支配していた時代遊郭と指定されていなかったものとみられることからここでは赤線 (あかせん) と記すものの実情は青線 (あおせん) ではなかったかと。
つまるところ飲食店どころか一般家庭内でも座布団を敷けば合意したものとみなし春をひさぐようになっていった地区ではないかと思われます。 日本人はとかく表面上きれいに見せたがります。
それが今日、過去を洗う (調査する) ことへの足枷になっているのですが・・・

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