官能小説『ただいま』 第14話 恋歌様作

「え?こいびと?」
「そうさ!姉さんは僕が好き?」
「…それは…好きだけど…」
「じゃ、僕以上に好きな男はいる?」
結構、真剣な質問である。問題は、こういうことをする前に確認すべきことなので
あって――
「いいや…せいちゃんより好きな男っていない…」
思わず、ガッツポーズを取る弟であった。
「実は僕も姉さんが一番好きなんだ。誰よりも愛しているよ。本当にもの心ついた時
から!」
「…でも他の女の人と“せっくす”したんでしょ?」
冷や汗が弟の背筋に一筋流れる。
「そ、それは、姉さんが振り向いてくれなかったからさ!姉さんさえ恋人になってく
れるのなら、そんなことは絶対にしなかったよ!」
「そう?」
「そうさ!
そしてこれでわかっただろう!僕達は愛し合っているんだ。だから恋人同士さ!だ
から、今からその愛を確かめあっても良いんだ!」
弟は姉を力強く抱きしめた。
「…そうなの?」
「僕の恋人になるのは嫌?」
「そ、そんなことはないわ…」
「じゃ、恋人同士で良いんだね?」
「で、でも…」
「でも、何さ?」
「恋人同士ってことは浮気しちゃいけないんだよ。せいちゃん。これからお姉ちゃん
だけって約束できる?」
テーマ : 禁断の世界 近親相姦
ジャンル : アダルト
官能小説『ただいま』 第13話 恋歌様作

まで判らないんだよ。今日、へんな店に連れ込まれたのも、この前、電車でへんなも
のを掴まされたのも、そのさらに前に夜道でへんなものを見せられたのも―――
その対抗上の基礎知識として今日特別に僕が教えてあげるよ」
優しく囁きながらも聖一は結構本気であり、そのぶんたいへんであった。自分の服
を脱ぎながらも柔らかく姉の服も剥ぎ取っていかねばならないのだ。安心させるため
の笑みに脂汗が数滴流れていた。
「でも、いやらしい事って……いつも言っていた“せ、せっくす”なの?」
「ま、そうもいうね」
「“せっくす”って姉弟でやっちゃいけないんじゃなかったかしら」
ぼけているようで意外に常識はある姉であった。ま、そりゃそうだ。
弟の脂汗が倍化する。しかし、ここで諦めては長年の――
「そうだよ。だからそれがどんなのか教えるだけさ。最後まではやんないよ。安心し
て」
「そ、そう?」
弟の大嘘に姉の抵抗が止まる。何と都合の良い姉であろうか。今の状況のおいしさ
に不純な弟は涙すら出そうだった。が――
「でも、具体的に教えてくれるってことは、せいちゃん、せっくすをしたことがある
の?」