許しを乞うて久しぶりに珠子さんを抱く寛治さん
義道さんが入院中ずっと野田原 (のうだはら) の家計を支えてくれたのがなんと炭焼き小屋でやり逃げしたはずの寛治さんだったのです。 彼にすれば何時ものやり方だったんですが珠子さんにすればこれほどありがたい存在は過去に至るも無く助かったんです。
なぜならば山川運送に誘ってくれた左官屋の池之原家は貧しく、とても野田原 (のうだはら) の仕事を手伝うとか経済的に援助できる状態ではなく、ましてや山川運送は義道さんのギックリ腰を見舞うどころがむしろ役立たずと切り捨ててしまいました。
ところが寛治さんは何時ものようにそれこそごくごく普通に里で買えるものを持って行き、封筒に何がしか潜め合わせて渡し、子供が学校に行ってる間に合間を見て珠子さんの農作業を手伝ったんです。 その何処が有難かったかと言えばそれは入谷村と野田原 (のうだはら) の生活水準の差ということになります。
例えば入谷村では普通の品々であっても野田原 (のうだはら) では滅多に買えない大変貴重な品物、しかも封筒の中身は見舞金だったのです。
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悲壮感漂う姦通
入谷村内はともかく、そこから山をいくつも越えた先にある野田原 (のうだはら) などこのままの状態が続けば間違いなく孤独死しなければならないような状況でした。
どう見ても義道さんの出稼ぎはうまくいってるようには見受けられません。 生計が夢を語ってくれた時のように立ち行かないからです。 義道さんなどはもうとっくに体力を使い果たし、残るは気力のみとなっていました。 だから余計に心配でした。 確かに誰をもうらやむ美形の妻を山深い自宅に残し里に出稼ぎに出るなどということはよほどのことでもない限りできません。 寝取られです。 入谷村の悪しき噂はよく見聞きしてるからでした。
それでも出かけねばならなかったのは妻との間に出来た子供たちを立派に世に送り出すためでした。 この時代、財布は大方の世帯当主が握っています。 気が付いたときにはすでに遅くこの状態のままでは到底珠子さんに責任を擦り付けるような形で渡せなかったのです。
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蒸し暑い夏に空き巣に狙われ
ではどうすればよいかと言うとセメント袋と砂を別々に運び現場で掻き混ぜ打設するのです。 日本でダムが発電と灌漑目的で注目を集めた時代、ほぼ全てのダムが現場でミキサーにかける方法を採用しました。 高価なミキサー車を使うことも搬送の時間と打設の時間を計算しながら工事を進める・・などなど高度な知識と技能を持ちかつ経験豊富な人材が決定的に足りなかったからです。
当時の財政はまず必要とされる個所に大きくドンとお金をつぎ込み、端々のところは次の予算が出るまで我慢せよと言うものでした。 巨大なダム工事ともなれば他はさておき予算も人員もまずそこに集中させました。 何処かの国じゃないですが何事につけ人海戦術で乗り越えてきたんです。
野田原 (のうだはら) の安達義道さんもこういったことで駆り出された人夫のひとりでした。
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女を巡って諍いになる魚屋と地主

あの魚はあんたに渡すためじゃなく冨子さんに頼まれて持ってきたと言い張る荒勘さん。
「あんた、儂が盗人働いたとでも?」
「うんや、そうは言うとらん。 ちゃんと帳簿に付けとる」
マスヱさんにお世話になったあの日、帳簿を盗み見た筈だと荒勘さん。
「ほんなら文句無い筈じゃ」
「そこが大有りじゃ。 儂らがどんな思いでぶえん (生魚) を運んどると思うてか」
「売るためじゃろが。 ようけ儲けとると聞くぞ」
訪問したら留守だったからと台所に上がり込み適当な容器を見つけぶえん (生魚) をたんと放り込んで帰る。 しかも売掛帳簿には納めた商品より数を増し書くのが荒勘さんのやり方でした。 証拠が無いからです。
そう言ったやり口でも用いねば収支決算が合わなかったからでしたが、そんな商いでも縄張りはありました。
「それをようも、山越えた安達さんに届けんしゃったろう」
どうせ女房の珠子さんにいい顔したく掠め取ったろうと言い切られ二の句が継げない寛治さん。
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野外で草むらに隠れて絶叫SEX

そんな時に思いついたのが安達家の珠子さんで、役場の管轄では隣村に属しますが位置的には入谷村が最も近く、交流も半々になっていて年に数回顔を合わせますので雰囲気も良く知ってました。
学生時代に伝え聞いた噂によると ふた山越えた所にあるポツンと一軒家の珠子さん、頼みもしないのに入谷村の男衆を気の毒がってご主人の義道さんに内緒で時折くぱーしてくれるというんです。 とすれば、年に数回出逢ったのはそのくぱーに下りて来てくれた時?と思えたのです。
滅多に訪れる人とていない過疎地にどういう経緯で嫁いで来たか知らないけれど すこぶる美人の奥さんは界隈イチと思える体躯のご主人じゃ物足りないのかしょっちゅう遠く離れた入谷村内のあちこちの炭焼き小屋を訪ねては他人棒のお世話になり、いくばくかのお土産と言いますか貢ぎ物を手に帰っていくらしいんです。
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Shyrock様からの投稿を読んでつくづく思います。
官能小説は様々あれどほぼほぼ現実にそう文体であり感心させられます。
流れが良いんですよ。 目をつむっていても情景が浮かんでくるような気がするんです。
知佳のブログの中で「美貌録」だけアクセスが伸びず対策にブロ友をと探し回りましたが現実の世界とはまるでそぐわない文章の羅列、あれを見る限りこのような文を愛読する人たちって余程世の中に対し不平不満を抱いてると思えて仕方がありません。
しかもその手の小説の方が圧倒的に人気を博している当たり書く方としても考えさせられます。 一般小説を読む人と官能小説とでは計り知れないほど隔たりがあるんですね。
探す方面と探す手法を考え直します。