掘割の畔に棲む女 ~それぞれの後追い~
大塚家の所在地は千里さんが元居た掘割地区と違い勝手気ままに出入りして良いような廃屋はありません。 何処に行っても知りあいばかりですので大塚家から追い出された女としては薹が立ち過ぎたものにわざわざ手を差し伸べてくれるものなどいるはずもありません。
無一文に近い状態の上着の身着のまま長年棲み暮らした村を後にしました。 生きてゆくために今できることと言えば女でありさえすれば囲ってくれる都合の良い男を探すしかなかったのです。 それともうひとつ、雨露凌ぐ場所をなんとしても早く確保せねばならなかったのです。
皮肉なことに蘭子さん、乞食同然と蔑んだ千里さんが歩いて来た道を今度は自分が歩くことになったのです。 それもこれも若いころ美し過ぎたことを殊更鼻にかけ威張り散らしていたからでした。
第七章 芋折檻 Shyrock作
それから二日後の夜、ありさは傷心も癒えないままお座敷にあがった。
相手はもちろん丸岩である。
ありさと俊介の一件を女将はひたすら隠していたのだが、いつのまにか露呈してしまった。
織田錦の男衆のひとりに松吉という如才がない男がいた。
丸岩は従来から疑り深い性格であったため、公私共に、常に情報網を張り巡らせていた。
織田錦においては、この松吉という男が丸岩の“連絡係”の役目を担っていた。
丸岩は自分の目の届かないところでの、ありさの行動の一部始終を連絡するよう、松吉に指示をしていた。
そんなこともあって、ありさの俊介に関する一件はすでに丸岩の耳に達していたのであった。
◇
宴もそこそこに切り上げた丸岩は、その夜もありさを褥に誘った。
丸岩は寝床の中でありさの身体に触れながらつぶやいた。
「ふっふっふ・・・、ありさ、今晩はお前にたっぷりとお仕置きしたるさかいな。覚悟しときや」
「え?なんでどすか?」
「呆けたらあかんで。お前が学生と付合うてることぐらい、とっくに知っとるんやで。わしを騙しくさって、この女狐が!」
「そんなこといったい誰から・・・」
「誰からでもええがな。その学生にここをいじられたんか?ひっひっひ、こういう風にな~」
丸岩はありさの襦袢の裾から手を入れ、早くもまだ濡れてもいない割れ目を嬲り始めた。
テーマ : 官能小説(レイプ・凌辱系・SM)
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