官能小説『危ない画像』 第16話

のし掛かって来た。
「パパ、エッチして来たでしょ。」
「何で。」
「匂いがする。その人の。」
「嘘だろう。ちゃんと石鹸で・・・」
進がしまったと言う顔をした。久仁子の誘導尋問にまんまとはまってしまったので
ある。
「やっぱり。」
進の胸に顔を埋めた久仁子が泣き出した。
「弱ったなあ。」
震えている久仁子の背中を進があやすように軽く叩いた。
「パパも男だ。ママがいなければこう言うことだってある。」
「どんな人。この間の人。」
「うん。」
「きれいな人だった。」
暫く考えてから進が話し始めた。
「こうなったら全部話しておこう。その人、麻美って言うんだが、ママの不倫相手
の奥さんだ。」
「嘘、パパはママの相手の人、知ってるの。」
「ママの不倫が始まってすぐに調べたさ。麻美の方も別の探偵雇って調べてた。お
互いにそれが分かって、麻美の方から俺に連絡して来たんだ。」
「やだ、二人とも不倫された腹いせだったの。」
「いや、そんな積もりは全然無かった。」
「ふうん、ちょっと信じられないけど。」
久仁子が身体の間に手を差し込んで進の前を握りしめた。