官能小説『危ない画像』 第10話

「え、さっき散々見たんじゃないの。」
久仁子が意地悪く言うと今度は麻美がベーッと舌を出して見せた。
「あのう、」
雅彦が口を挟んだ。
「何。」
麻美と久仁子が同時に答えた。
「このままで大丈夫。」
雅彦が自分の前を指差した。
「ああ、避妊のことね。どうかしら。」
麻美の問いに久仁子が頷いた。
「大丈夫。今日が安全日だって確かめてあるから。」
「確実は無いわよ。」
「分かってます。でも最初は付けないで欲しいの。万一出来ちゃったら雅彦くんの
お嫁さんにして貰うから。」
「一年早いわ。あなた方、まだ十六よ。久仁子ちゃんは大丈夫だけど、雅彦は子供
が生まれてもまだ結婚出来ないわ。」
「そっか、そう言うこともあるんだ。でも、いいの。パパ達だって結婚できないん
だし。」
一瞬、麻美が嫌な顔をした。雅彦は二人の会話の中の暗黙の了解が気になった。久
仁子は両親が別れたと言っていたが、どうやら正式に離婚した訳ではないらしい。そ
の辺の事情をなぜ母親の麻美が知っているのか。疑念はますますつのるばかりだった。
「あ、ごめんなさい。別に嫌みじゃないから。」
官能小説『ただいま』 第14話 恋歌様作

「え?こいびと?」
「そうさ!姉さんは僕が好き?」
「…それは…好きだけど…」
「じゃ、僕以上に好きな男はいる?」
結構、真剣な質問である。問題は、こういうことをする前に確認すべきことなので
あって――
「いいや…せいちゃんより好きな男っていない…」
思わず、ガッツポーズを取る弟であった。
「実は僕も姉さんが一番好きなんだ。誰よりも愛しているよ。本当にもの心ついた時
から!」
「…でも他の女の人と“せっくす”したんでしょ?」
冷や汗が弟の背筋に一筋流れる。
「そ、それは、姉さんが振り向いてくれなかったからさ!姉さんさえ恋人になってく
れるのなら、そんなことは絶対にしなかったよ!」
「そう?」
「そうさ!
そしてこれでわかっただろう!僕達は愛し合っているんだ。だから恋人同士さ!だ
から、今からその愛を確かめあっても良いんだ!」
弟は姉を力強く抱きしめた。
「…そうなの?」
「僕の恋人になるのは嫌?」
「そ、そんなことはないわ…」
「じゃ、恋人同士で良いんだね?」
「で、でも…」
「でも、何さ?」
「恋人同士ってことは浮気しちゃいけないんだよ。せいちゃん。これからお姉ちゃん
だけって約束できる?」
テーマ : 禁断の世界 近親相姦
ジャンル : アダルト
官能小説『ただいま』 第13話 恋歌様作

まで判らないんだよ。今日、へんな店に連れ込まれたのも、この前、電車でへんなも
のを掴まされたのも、そのさらに前に夜道でへんなものを見せられたのも―――
その対抗上の基礎知識として今日特別に僕が教えてあげるよ」
優しく囁きながらも聖一は結構本気であり、そのぶんたいへんであった。自分の服
を脱ぎながらも柔らかく姉の服も剥ぎ取っていかねばならないのだ。安心させるため
の笑みに脂汗が数滴流れていた。
「でも、いやらしい事って……いつも言っていた“せ、せっくす”なの?」
「ま、そうもいうね」
「“せっくす”って姉弟でやっちゃいけないんじゃなかったかしら」
ぼけているようで意外に常識はある姉であった。ま、そりゃそうだ。
弟の脂汗が倍化する。しかし、ここで諦めては長年の――
「そうだよ。だからそれがどんなのか教えるだけさ。最後まではやんないよ。安心し
て」
「そ、そう?」
弟の大嘘に姉の抵抗が止まる。何と都合の良い姉であろうか。今の状況のおいしさ
に不純な弟は涙すら出そうだった。が――
「でも、具体的に教えてくれるってことは、せいちゃん、せっくすをしたことがある
の?」
官能小説『ただいま』 第12話 恋歌様作

づつ大きくしていくかのような燃え上がりかたに、わずかなうめきだけで耐える。感
じているのは事実だとしても、どこでもない背中を舐められているだけでこうなった
とは、兄に知られるのがたまらなかく悔しい――或いは恥かしかった。
(ど、どこでこんな技を――さっきの仕返しね…でも、あたし、このままでいってし
まうかもしれない…それは…それだけは…)
「さあ、次はお尻だ。それから腿から脚の先まで」
兄は妹の腰の辺りに吹きつけるように囁いた。背中一杯に広がった痺れあがる快感
に浸っていた妹の脳裏にわずかな理性が走る。
(それはつまり、まだ続くという事であり――まだ“しない”ってことで…)
「あ、あのね。お兄ちゃん…」
ようやく単語を口にした妹に兄は“ん?”と顔を上げた。あどけない顔である。し
てやったりと笑っているようには見えない。
「どした?加奈」
「あ、あの…もう、もういいから…」
「ええーーーっ!」
わざとらしい兄の声が妹には心底憎らしかった。
「まだ、いっぱい残っているのに!下も、それから仰向けにして前も!キスもおっぱ
いもお蜜さんも!――それなのにもういいっていうのかい?」
第十二章 貝紅(最終章) Shyrock作
ちょうどその頃、浜の方では誰かが沖に向かって大声で呼んでいた。
だが、その声は潮騒で打ち消され、俊介たちに届くことはなかった。
浜辺に立って叫んでいたのは、俊介の伯父と駐在であった。
そしてその横には、屋形の女将と男衆の北山の姿もあった。
北山は喉が張り裂けんばかりに大声で叫んでいた。
「ありさはん!俊介はん!早まったらあかんで~!!はよう、こっちへ戻って来んかい!女将はんがなあ、あんたらの恋を許すてゆ~てはるんやで~!丸岩はんもありさはんの心意気には負けたゆ~たはるんやで~!せやから、死んだらあかんのや~~!!死んだらあかんでぇ~~~!!」
しかしいくら有りっ丈の声で呼んでみても、ありさたちには届かなかった。
「これはぁダメだ。 うらぁぁはすぐに、漁師に舟をぉ頼んでくるわ! 」
浜から呼んでも無駄であると判断した駐在は、慌てて網元の元へ走って行った。
◇
テーマ : 官能小説(レイプ・凌辱系・SM)
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