肥やし代わりに畑や田んぼでひる女

「ほんにな~、よ~あげんとこ肥担桶 (こえたご) 担いで通りんしゃる」
皆が感心するような崖っぷちの道を今日も重い肥担桶 (こえたご) を担いで畑に向かうマスヱさん。
切り立った崖を攀じ登った先に長嶋益一さんとマスヱさんの土地がありました。
村内の平らな土地は本家がほぼ握っているため分家として身を起こすには未開の地を開墾するしかありません。
益一さん、生来のケチで通していましたが、嫁として嫁いで来たマスヱさん、本家の立派さに目がくらんで嫁いで来たものの新婚当初から食うや食わずの生活を強いられ、何時しかご主人に負けず劣らずのケチになりました。
一見辛そうな素振りを見せるのもマスヱさんの作戦だったのです。
空腹を水腹で我慢するのが常で肥担桶 (こえたご) に畑に撒く水を汲んで上がるついでに自分もたらふく水を飲んで上がったものですから小用が近くなり、何時ものように畑に向かって肥やしとしてひりました。
辛い生活を乗り切ろうと頑張る、野でひるなどなど、男衆にとって現実このようなことを目にすれば我こそはと思ってしまう最たるもの。 特にこの村の本来の姿を知らない魚売りの行商 荒川勘助 (通称 荒勘さん) はこのような様子を目の当たりにし獣道を頂上目指して追っかけて行きました。
テーマ : NTR 他人棒に欲情する女
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知佳の美貌録「遥か向こうに枕芸者衆の棲む街が見える」

その一般道とは田んぼの中のクネクネとした畦道でした。 女衒や少女時代の好子が棲み暮らした地区は多くは沼地であるのに対し置屋とか枕芸者の棲む温泉街は大川と海が運んだ砂州の外れにあったのです。
つまり女衒の住む市街地の地盤の多くは小さな小島と、それを取り囲む沼で出来ていました。
武士階級は埋まることのない山のすそ野を利用し屋敷を立てましたが庶民は明らかな持ち主の居ない沼地(この辺りは底なし沼 つまり釧路湿原のような湿地帯が多い)に山から切り出した木や竹、或いは土砂を持ち込み埋め立て、そこに掘っ立て小屋を建てて移り住んだのが始まりというような、街と言ってもいわば放浪者の集まり、未開の地でした。
故に年貢米の上りは天候と沼地の水嵩に左右され不安定で、その責めを負わされ城主が頻繁に入れ替わるというような、如何にも世情不安が蔓延するような、生活していくには誠に心もとない地でした。
テーマ : 女衒の家に生まれ・・・ 高原ホテル
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