第6話“国道176号線” Shyrock作

相手がお客さんであってもそれは変わりません。
「あまり泣くと身体に毒ですよ。人生そんなに悪いことばかりじゃありませんよ。そのうちきっと良いこともあるはずです」
「そやったら、よろしおすんやけどなぁ……」
「元気出さないと」
「そやねぇ……運転手はんのいわはるとおりかも知れまへんなぁ……元気出さんとあきまへんなぁ……」
「そうですよ。涙ばかり流していると余計に不幸の神様がつきまとってきますよ」
「えぇ?そうなん?そんなんいやどすわぁ」
「はははははは」
女性は私の笑い声に釣られてではありましたが、かすかな笑顔を取り戻してくれました。
その頃、タクシーは宝塚インターを過ぎて国道176号線へと入っていました。
国道176号線は、京都府宮津市を起点として兵庫県を経由し、大阪市北区の「梅田新道」交差点に至る一般国道で、通称「イナロク」と呼ばれています。
「この辺はもう宝塚どすか?」
「はい、そうですよ。夢とロマン溢れる街宝塚ですよ」
「へぇ~?夢とロマンどすか?うまいこといわはりますなぁ」
「いいえ、私が考えた言葉じゃなくて、昔からそのように言われてるんですよ」
奥歯にモノが挟まったような夫婦関係 ~かかあ天下~
留美が逆ナン同然にかつて住んでいた池田市のコーポにほかの男たちと同様和樹さんを自分の専用物にしたく引き入れた頃まではそれでも表向きは弱い立場にありました。 だから和樹さんは例え泊まらせてもらえなくとも車中泊で彼女を他の男が寄り付かないよう見守り続けたんです。 それがほんの少し変わり始めたのは同棲をすることになったその日からです。
コーポでは天井高の低すぎる (彼は180センチを超える長身) シングルの布団に一緒にくるまって寝かせてもらえたものを、マンションに移ってからというもの留美はベッドで、彼は床かソファーで寝かせられるようになっていったのです。 しかしそれでも同棲中は時折ベッドに招き入れられ肌に触れながら一緒に寝ることが出来ました。
ところが母である久美の元に結婚報告のため帰郷し、その久美から直々に (当てつけのように) 「結婚してもいいけど子供だけは作らないでね」 と言われたことでふたりの性活がガラリと変わりました。 なぜなら和樹さんは子作りに励みたかったものの留美を戸籍上も手に入れたいがため久美に 「はい、そうします」 と口走ってしまったからです。
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Shyrock様からの投稿を読んでつくづく思います。
官能小説は様々あれどほぼほぼ現実にそう文体であり感心させられます。
流れが良いんですよ。 目をつむっていても情景が浮かんでくるような気がするんです。
知佳のブログの中で「美貌録」だけアクセスが伸びず対策にブロ友をと探し回りましたが現実の世界とはまるでそぐわない文章の羅列、あれを見る限りこのような文を愛読する人たちって余程世の中に対し不平不満を抱いてると思えて仕方がありません。
しかもその手の小説の方が圧倒的に人気を博している当たり書く方としても考えさせられます。 一般小説を読む人と官能小説とでは計り知れないほど隔たりがあるんですね。
探す方面と探す手法を考え直します。