官能小説『ただいま』 第17話 (最終章) 恋歌様作

知り尽くした息子の舌と歯が激しくあばれ、しびれが母の脳天まで響く。その快感の
激しさは(“おあずけ”なのに)、全身が跳ねあがるほどであり、実際、これだけで
もう一度いってしまいそうであった。
「あああぁっ――!」
しかもそれだけではなかった。息子の胸への激しい愛撫だけでこれだけ狂っている
というのに、母の濡れきった下半身は満足していなかったのである。
「ひ、ひぃ…い、いいっ…でもぉ…」
母の大きな乳房をむさぼる息子の頭をしっかりと右手に抱きしめながらも、津子の
左手は下を――半ば無意識のうちにさぐる。探しているのだ。母の、沸騰するほど欲
情している肉壺をふさぎ、思いっきり蹂躙してくれる最愛の――母だけの肉棒を。
「あ、はしたないことしている」
母にようやく肉棒を掴まれた宏一は余裕たっぷりに囁いた。津子の左手のひらから
伝わる息子の肉棒の熱さと血の鼓動の合間にその悪戯声が耳に染み入る。もう、津子
には母としての威厳などなかった。
「お願い…して…宏一さぁん…もう…我慢…でき…な――」
母の肌の熱さと股間の十分過ぎる湿り、乳首の背伸びするかのような硬直――そし
てこの哀願に宏一は満足の笑みを浮かべた。
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官能小説『ただいま』 第16話 恋歌様作

と男の香りが口一杯に飛び散る。それでも母の口の中でどくどくとうごめく息子の肉
棒を津子は離さずーー逆にその全てを飲みこもうと喉に力を入れた。
入浴を終え、すっきりとした宏一はパンツだけをはいてリビングへ入った。すでに
一足先に出て、浴衣に着替え直した津子がいる。
「今日はちゃぶ台にしときましたわ」
津子はリビングの絨毯の上に置いたこたつ机に料理を並べていた。サイコロステー
キや刺身、ガーリックライス等々の息子の好物を嬉しそうにそろえるその姿は、まる
で新妻のように初々しく――けなげでもあった。第三者であれば、これがついさっき
息子の全部を飲みこんだ実の母だとは絶対に見えなかったであろう。
「あ、鯛に烏賊だ。この刺身はママが作ってくれたの?」
「もちろんです。魚市さんに活きのいいのが入っていましたの」
ちょっと自慢する母に歓声を上げながら、宏一はするりとその母の隣に身体を刺し
入れた。その際に触れた息子の身体の熱さに津子の心臓は思わず跳ねあがる。
「あの…宏一さんの席はあっちなんですけど」
嬉しい動揺を悟られないよう何とか押さえようとする母の抗議を息子は嬉しそうに
無視した。
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官能小説『ただいま』 第15話 恋歌様作

“めっ!”をした。母としての最後の見栄であろう。それが判っている息子はそんな
母をたまらなく可愛いと思った。
「だって、試験のために一週間も我慢したんだ。これくらいは許してもらわないと」
「駄目です。まず汗を流して、ごはんを食べてからです!」
それなりの威厳を込めて津子が命令する。それでも、『わたしだって我慢したんだ
から…』という本当の思いを判らない最愛の息子ではない。宏一はにやりと笑った。
「その浴衣、いいね。ママに似合っているよ」
津子が着ている睡蓮のデザインの浴衣――二人がどこよりも気に入っている“あ
の”旅館で買った浴衣である。それをわざわざ着て息子を出迎えた母の意味などは
――それこそこの二人にとっては口にする必要も無い事であった。
「お湯加減はどうですか?」
「ちょうど良いよ。ママ」
待っていた息子はそう答えながらにやりと笑った。浴室のドアの向こう側の光景が
明快に想像できる。そこにはあの母がいて――いつものように次の準備をしているの
に違いないのだ。
「お背中を流しますわ。宏一さん」
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官能小説『ただいま』 第9話 恋歌様作

た長い爪の指で、肉棒と下の双玉を無茶苦茶に握り締める――これはたまらない。男
ならわかる。
「痛い痛い!ごめんなさい!許して!姉さんが触るもんだから……」
「だからって、こんな事をして良い言い訳にはならないわよ!こんな…こんな…」
(もったいない!)
指の跡が残るほどのお仕置きであったが、被害者はともかく加害者にとっては意外
に早く終わった。涙目で股間をかばう弟は気がつかなかったが、この時、弟のミルク
を顔中に飛び散らせた姉の目の色が変わっていた――そうぬめった熱い朱鷺色に。
(いやだわ…あたし、こんなことでまた興奮している。顔にかけられるなんて、ひど
い話なのに…)
頭のどこかでそう思わないでもなかったのだが、欲情も二度目となるともう我慢で
きない。許せない思いをこの際、我慢してでも―――
「まったく、しょうがないわね。いつもいつもたまっているからそんな恥かしいこと
になるのよ!」
姉の主張には無理がある。ほぼ毎日こういうプレイをやって、最後には必ず弟は姉
の裸体の中へ存分に発射しているのだ。
「だから、外の汚らしい女までもいやらしく欲しがるんだわ。
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