官能小説『危ない画像』 第2話

雅彦がからかい半分に言った。リビングから出掛かっていた麻美が振り返って赤ん
べえをした。
「だーめ。そんなことしたら襲っちゃうぞ。」
「あ、言えてる。」
「こら。」
麻美が吹き出した。つられて雅彦も笑い出す。
「ったく、飛んでもない息子だわ。」
「どっちが。」
「兎に角、温泉のガイドブック探して来るわね。お茶飲みながら待ってて。」
雅彦は友人や知り合いから、お前の母親は美人だと言われる。当の雅彦本人は毎日
見慣れた顔なので特別感じたことはなかった。ただ、自分の母親が普通だと言う感覚
はしっかり身に付いているようで、彼女にしたいと思う相手は学校でも飛び切りの可
愛い子ばかりだった。そのせいか、まだ恋人と言える段階まで付き合いが進展した相
手は一人もいなかった。
「ねえ、こんなのがあったわ。」
麻美が持って来たのは露天風呂ばかりを集めたガイドブックだった。
「ふうん、パパにもそんな趣味があったんだ。でも、一度も連れてってくれなかっ
たね。」
「そう言えばそうね。彼女でもこっそり連れて行ったのかな。」
雅彦が一瞬ヒヤリとした。あのメールの圭子となら有り得る話しである。
知佳の美貌録「水を得た魚のように」

好みを聞き、待つ女こそそれに見合う風に思わせ組織が用意した部屋で待つ女のもとに客を送り届け、人数に見合う紹介料をせしめるのが彼女らの日銭稼ぎだった。
風景に溶け込むかの如く街角に立つ妙齢のご婦人に声を掛けられ、何事か詳しく話しを聞くうちに身内の話しとなり「助けると思って…」などと言われその気になって後をついていったところまでは良かったが、路地奥の部屋で待ち構えていたのは全くの別人、期待とは裏腹にとうにオンナを卒業したような高齢女性 或いは見ただけで萎えそうな化け物。
”しまった・・・やられた!” と気づいたが裏にいる輩が怖く断るに断り切れず布団に引っ張り込まれ童貞を捧げてしまったなどという話しはよく聞く。
未だ未開に近い島 淡路で欲望を吐き出そうとしてもせいぜいその程度の女にしか行き当たらなかった。
そんな女でも何とか売れるよう一般家庭の人妻が遣り手(やりて)として街角に立ちあわやの客を引いていたのである。
テーマ : 女衒の家に生まれ・・・ 高原ホテル
ジャンル : アダルト