官能小説『危ない画像』 第1話

たのはパソコンやオーディオ関係で、特にパソコンは母親の手に負えなかったのであ
る。
雅彦はまずメールから処理することにした。未読メールの殆どがいかがわしいDM
や得体の知れないウィルス付きと疑われるようなものだった。長く使っているアカウ
ント程この手のメールが勝手に送り付けられて来るものである。雅彦はそう言った数
十通のメールを一括でゴミ箱に捨てた。
残ったメールの殆どが仕事関係だった。一通り目を通して全てに同じ文面で父の死
を伝える返信を送った。最後に「KK」と言う訳の分からないフォルダが残った。こ
こにも新しいメールが十通以上届いていた。
雅彦が一番新しいメールを開くと父親の安否を気遣う内容が書かれていた。文面か
ら察するところ、父親とはかなり親しい間柄らしい。差出人は女である。未読メール
を次々に開いて行くと、そこには驚くべきことが書かれていた。
「愛する賢治へ、
昨日は楽しかったわ。本当に久し振りに逢えて良かっ
た。戻ったら腰がちょっぴりしんどかったわ(笑)
賢治は相変わらずタフねえ。
貴男の歳で抜か六なんて、そうざらにはいないわよ。
史帆さんの独壇場と化した入谷村
地方全体が農林業で成り立っていましたので里であっても工場と言えばせいぜい縫製工場ぐらい。
中 (なか) の長嶋史帆さんは器量よしということもあって運よくスーパーのレジ係として勤めることが出来ました。
通勤は当初学生と同じく自転車で通っていましたが、それじゃ不便だろうと何故か豊里屋の埼松昭義さんが三輪車を出してくれて、それで行きがけはなんとか間に合わせ、帰りはバスに乗り入谷村入り口で降りて歩いて帰ってました。
思えばこの時代の長嶋史帆さんにとってこれが秘密の恋愛の始まりだったのかもしれません。
昭義さんに史帆さんがどうのといったことは幸いにして起こりませんでしたが、何故に埼松家が史帆さんのためだけに車を出してくれるのか合点がいかない徹さんは万が一を考え史帆さんにスーパーカブを買い与えます。
風を受け長い髪をたなびかせて颯爽と単車を飛ばす史帆さんはやがて里のアイドル的存在になりました。 本人が既婚者だと正面切って名乗らないものですから、しかし昭義さんにこれまで何度も送って来てもらってましたので訳アリと勘繰ってここぞとばかりに言い寄る男どもが次々に現れたんです。
テーマ : NTR 他人棒に欲情する女
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