第19話“衣装ぼくろ” Shyrock作

「どうしたの?」
「いいぇ……うち、赤い糸とは全然関係あらへん人と結婚してしもたし、なんや急に悲しゅうなってしもてぇ……」
「でもね、本当はご主人と赤い糸で繋がってるけど、たまたま今の惠には見えないだけじゃないのかな?」
「そんなことおへん。うちの人とは赤い糸も青い糸もあらしまへん」
惠は吐き捨てるようにつぶやきました。
これ以上赤い糸の話題を続けるべきではないと考えた私は、惠の背中を流していて偶然見つけたうなじのほくろに話題を変えました。
「あれ?」
「どないしはりましたん?」
「こんなところにほくろがあるね」
そうささやきながら惠のうなじに軽く触れました。
「うなじのほくろのことどすか?」
「そう」
「これ、衣装ぼくろと言うんどすぇ」
「衣装ぼくろ?へぇ、初めて聞いたね。どういう意味なの?」
「ちっちゃい時お母はんに聞いた話どすけど、なんでも、うなじにほくろがあると『衣装ぼくろ』言うて、一生、着物に困らへんちゅう話どすぅ」
「へぇ~それはいいね~。一生着物に困らないと言うことは、言い換えれば生涯裕福に暮らせると言うことだよね。いいなあ~」
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Shyrock様からの投稿を読んでつくづく思います。
官能小説は様々あれどほぼほぼ現実にそう文体であり感心させられます。
流れが良いんですよ。 目をつむっていても情景が浮かんでくるような気がするんです。
知佳のブログの中で「美貌録」だけアクセスが伸びず対策にブロ友をと探し回りましたが現実の世界とはまるでそぐわない文章の羅列、あれを見る限りこのような文を愛読する人たちって余程世の中に対し不平不満を抱いてると思えて仕方がありません。
しかもその手の小説の方が圧倒的に人気を博している当たり書く方としても考えさせられます。 一般小説を読む人と官能小説とでは計り知れないほど隔たりがあるんですね。
探す方面と探す手法を考え直します。