子作り話しが思わぬ方向に進展… ~松葉崩しの効用~
妻に逃げられてからというのも猛さんの気持ちにも変化が現われ、事息子の隆司さんへの注意を怠らなくなっていて隆司さんは気付いていなかったようなんですが彼のスマホに送られてくる元妻の痴態はことごとく盗み見されていたんです。
ゆく先々で出逢う漢と逢瀬を交わしその様を画像で知らせて来られたものですから猛さんの、長きに渡り忘れていた漢としての機能が怒りも混じり蘇ってきつつあったんです。 そんな折に送られてきた元妻の松葉崩し。 猛さんの中に何かが弾けるのが自分でもわかりました。 元妻の綾子さん同様彼もまた女でありさえすればもう誰でも良くなったんです。
綾子さんのお相手を務める若い漢じゃありませんがそれがたとえ財産目的であっても穴さえあれば良しとしたんです。
官能小説『蛇の毒』 第5章 キャンプの夜(1)

聞き終わった靖子が眉をしかめた。
「何か、凄く汚らしいって感じ。」
「うん。僕もそう思った。セックスって、もっとムードがあってきれいなものだっ
て想像してたんだけど、あのことがあってから、ちょっと女見る目が変わっちゃった
なあ。」
「馬鹿、一緒にしないでよ。私は栄治とこうしてるの楽しいし、きれいだと思って
るわよ。」
「僕も。そうそう、初めての時、弘子さんの顔見てると元気が出なかったじゃない。
その時目をつぶったらなぜか姉さんの顔が浮かんで来たんだ。」
「やだ、私のこと思い出したの。」
「うん、そうしたらすぐに気持ちよくなってきた。」
「怒っていいんだか喜んでいいんだか。ところで、栄治の経験って、それ一度きり
なの。」
「ううん。弘子さんとはそれっきりだったけど。」
「全部聞かせてよ。」
「え、ま、いっか。ここまで話したんだもんね。」
高校生になった栄治には暫くガールフレンドが出来なかった。弘子との初体験以来、
簡単に付き合うような気持ちになれなかったからである。変に勿体付ける女は好きに
なれない。かと言って、弘子のように、まるで雌豚のように貪欲に求められても閉口
してしまう。
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