子作り話しが思わぬ方向に進展… ~夫婦交換の提案に応じる綾子さんと猛さん~

「困ったなあ~ 綾子は元夫婦だったとはいえ今は実質離婚してるし、優子さんは息子の嫁だしなあ~」
思案顔でこう切り出した猛さんに
「別に困ることないんじゃない? 違う漢の人が使ったの観たらまたいきり勃たせるんでしょ?」
茶化す優子さん。
「ウチは別に構わないわよ。 あの女どもに魅せるぐらいならご主人に魅せてあげた方がまだマシよ」
厳然と言いはる綾子さん。
決心し切れないのは留守してたとは言え息子に妻を寝取られてしまった猛さんのみ。
谷あいでハメて改めて元妻の綾子さんの躰を手放したことを悔やんだし、それ以上にはちきれんばかりに若い優子さんを味わい尽くす前に他の漢らに貸すと言うのもどうにも納得しにくかったのです。
「お前たちはやたらと本数を重ねたがってるだけじゃないのか?」
それこそが裏切り行為だと主張する猛さんに
「お義父さん、遅れてるう~ 今どき処女性追求してどうなるの。 こうなった以上人生楽しまなくちゃ」
知らなかったとはいえ家をほんの少しの間空けただけなのにお義母さんに旦那を寝取られ憤慨する優子さん。
官能小説『筒抜け』 第2話

「ああ。」
女が弘信の顔を思い出したようで、幾分表情を和らげた。
「ちょっとお話したいことがあるんですが。」
「こんな時間にですか。」
女がもう一度きつい目で弘信を睨んだ。
「いえ、今でなくても構いません。よろしければ明日の午前中に半日休みを取りますので、いかがですか。」
休みまで取ると言う弘信の言葉に女がちょっと考えてから頷いた。
「結構です。明日、お宅に伺いましょうか。」
「ええ。息子さんが学校に行かれたらいらして下さい。」
息子さんと言われて女が表情を硬くした。
「お嬢さんもいらっしゃらない方がいいかも知れませんわね。」
女にそう言い返されて今度は弘信が表情を曇らせた。女は弘信が何を言いたいのか察しているように思われたのである。
翌日、約束通り弘信は午後からの出社を会社に連絡して女が来るのを待った。美佳が学校に出て暫くすると玄関のチャイムが鳴った。
「失礼します。」
「どうぞ、お入り下さい。」
女が改めて田中晴美だと名乗った。弘信がお茶を出し、用件を切り出そうとすると晴美が機先を制した。
「お風呂場の、ダクトのことですわね。」
「知ってたんですか。」
弘信が驚いて晴美の顔を見詰めた。