第25話“名残の宝塚” Shyrock作

尋ねるまでもなく当然ながら京都へ帰宅するものと推測していました。
「そうどすなぁ。やっぱり帰らなあかへんわなぁ……」
バックミラーに写った惠の表情はとても曇っていました。
私はあえて明るく答えました。
「そりゃ、こうして美人を乗せてずっと走っていたいですけどね。ははははは~」
「ほなら、そないしまひょか?」
「じょ、冗談ですよ!そんな訳には行きません。昨夜泊まることも家に連絡してなかったのでしょう?早く家に戻らないと皆さん心配されていますよ」
「裕太はん?」
「はい?」
「タクシーに戻ったからゆうて、急に、一見のお客はんに使うような、よそよそしいしゃべり方、やめてくれはらしまへんか?」
「え?あぁ……確かに。このクルマに乗ると、つい無意識に仕事口調になってしまうもので。ははははは~、ごめん、ごめん」
「別に謝らんでもよろしおすけど。せやけど、急に他人行儀になったらなんや寂しおすがな……」
「……」
「昨夜あんだけお互い燃え上がったのに……」
(キキキキキ~~~~~!!)
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Shyrock様からの投稿を読んでつくづく思います。
官能小説は様々あれどほぼほぼ現実にそう文体であり感心させられます。
流れが良いんですよ。 目をつむっていても情景が浮かんでくるような気がするんです。
知佳のブログの中で「美貌録」だけアクセスが伸びず対策にブロ友をと探し回りましたが現実の世界とはまるでそぐわない文章の羅列、あれを見る限りこのような文を愛読する人たちって余程世の中に対し不平不満を抱いてると思えて仕方がありません。
しかもその手の小説の方が圧倒的に人気を博している当たり書く方としても考えさせられます。 一般小説を読む人と官能小説とでは計り知れないほど隔たりがあるんですね。
探す方面と探す手法を考え直します。