官能小説『蛇の毒』 第4章 とんでもない初体験

してから行くようなことでもないので、いつものように裏木戸から入る。玄関には鍵
が掛かっていることが多かったのである。裏から入ると便所の脇を抜け、その先は風
呂場だった。その風呂場からヒソヒソ話す声が聞こえた。
「そこ、そこ。」
それは啓輔の姉、弘子の声だった。
「もっと強く。ああ、いい。」
弘子の声しか聞こえてこないが、誰かもう一人が一緒にいることは間違いない。風
呂に二人で入っている。それは何かドキッとするようなことを栄治に想像させた。
「ああ、啓輔。」
栄治が思わず声を上げそうになった。風呂場に啓輔と弘子がいる。当然二人は裸だ
ろう。しかも声の様子からすると入浴しているだけとは到底思えない。栄治が足音を
忍ばせて窓に近寄った。窓は網入りの模様ガラスだが端の方が少しだけ開いていた。
息を飲んで覗き込むと弘子がこちらを向いて壁に寄りかかり、足元に啓輔が蹲ってい
る。顔が弘子の腰の辺りに覆い被さっていた。
(あそこを舐めてる)
陰になって見えないが、栄治はそう思った。啓輔の頭を押さえていた弘子が目を開
けた。
「誰。」
弘子が凄い目で栄治を睨み付けた。
官能小説『蛇の毒』 第3章 雷雨の中

鹿にして見にも来なかったので栄治が驚いた。
「ねえ、あんたの小屋に登ってみたい。」
「いいよ。」
栄治が梯子の下まで靖子を案内した。靖子は梯子になかなか上れなかった。仕方な
いので栄治が下から尻を押し上げる。その手がお尻の間に入り靖子がキャーキャー騒
いだ。
「エッチー。」
「上がれないんだから、仕方ないだろう。」
「嘘。わざと触ったんでしょう。」
まるで 中 学 生 か高校生だな、と栄治は思った。これまで男を知らず、こう言う戯れ
すら経験したことのない姉。兄弟でのこうした戯れは二人きりだからこそ出来ること。
親は勿論、世界中の誰にも知られてはいけない二人だけの秘密。その秘密を共有した
ことが靖子を必要以上にはしゃがせているようだった。
「ねえ、ここ渡るの。」
上に登っては見たものの、横に掛けられた丸太の高さに靖子が後込みした。一応手
摺り代わりの細い丸太が横に一本添えられているのだが、先に行くほど細くなってい
るので怖さが先に立って足が進まないらしい。
「今行くから待って。」
栄治が梯子を登って横木に辿り着いた。
「押さえてて上げるから、さ、行ってごらん。」
官能小説『蛇の毒』 第2章 仲直り

る。恥ずかしいところを弟に見られ、毒を吸い出すためとは言え、散々しゃぶられて
しまったのである。この歳になっても男を知らない靖子には天と地がひっくり返る程
ショックな出来事だった。だから、ついきつい言い方をしてしまったが、頼んだのは
自分の方なのである。
時間だけがどんどん過ぎていった。一人で暗くなった家にいると不安な気持ちに押
し潰されそうになった。どうやら毒蛇ではなかったらしく、噛まれたところも殆ど痛
まないのだが、このまま栄治が帰ってこないと思うと居ても立ってもいられなかった。
靖子は下着を新しいものに替えて外に出た。森の中は殆ど真っ暗で何も見えない。靖
子は荷物の中から懐中電灯を取り出して裏の斜面を降りていった。
「栄治。」
梯子の下まで来た靖子が声を掛けた。返事はない。
「栄治、さっきはごめん。」
「何だよ、今頃。」
ようやく不機嫌な声が返って来た。
「ねえ、降りてきて。ご飯にしよう。お腹、空いたでしょう。」
「空いたけど。」
「とにかく謝る。ごめんなさい。気が動転してたの。」
「もう変な言い方しない。」
「しない。約束する。」
「分かったよ。行くよ。」
官能小説『蛇の毒』 第1章 蛇に噛まれて

に入り、昨日から信州の山の家に姉の靖子と二人で来ているのである。山の家と言っ
ても別荘などとは程遠い、たった六坪の小さなもので、屋根裏が寝室として使われて
いた。トイレは外の別棟、風呂はドラム缶を利用した五右衛門風呂で、家から少し離
れた庭先に置かれている。
敷地だけは広かった。値段に釣られて栄治の父親が千二百坪の山林を坪五千円で購
入したのである。千二百坪と言っても平らな部分はせいぜい二百坪。残りはやっと降
りられるかどうかの急斜面が谷底の小川まで続いている。おまけに北斜面なので値段
が安かったのだろう。二百坪が六百万で残りの斜面はおまけ、そんなところだ。そう
は言っても、斜面の坪数は平地に換算するので実際の地表はかなりな広さである。土
地を衝動買いして建物を自力で建てるまでは熱心だった父親も最近は殆ど来ない。一
番よく利用しているのが栄治と姉の靖子だった。
裏の斜面は栄治には格好の遊び場だった。ひとたび斜面を降り始めればそこは周り
から完全に隔離された別世界になる。斜面には一抱えもある楢やクヌギ、山桜等が生
い茂っていた。
官能小説『秘愛館“睡蓮亭”』 第10話 恋歌様作

が、正統的な日本庭園とは大分違う。まるで森の中に入ったかのように周りが見渡せ
ないのである。と言って実際の森のような閉塞感はない。光も空気もすんなりと流れ
てくる。もし見渡せないのを目的として設計されたのなら逆に見事なものであろう。
十五分も歩かないうちにその答えが判ったような気がした。砂利道の傍らの木の陰
から人の気配がしたのである。つい宏美は何の気もなくそちらを見てしまう。話し声
が聞こえるような距離に全裸の男女三人がいた。
二人の男が裸のまま肩を組み並んで立っている。その腰の辺りに全裸の女がしゃが
んで顔を寄せていた。何をしているのかもここからはっきり見える。二人の男の二本
の肉棒を丹念にフェラチオしているのだ。思わず、宏美は側の岩の陰に隠れた。
息まで潜めた宏美の視線の先で女は一生懸命に肉棒をしゃぶっている。二人の男は
二十才位で顔も背格好も驚くほど似ていた。双子なのだろうか。気持ちが良いのだろ
う。二人ともうっとりとしている。やがて、その一人が女の髪をなぜながら言った。
「もういいよ。千春。おかげで僕も兄さんもびんびんだ。ご褒美をあげるよ」
テーマ : ■近親相姦〜お母さんと息子〜■
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