ひそかに心を寄せる茶店の女店主

先ほどまで茶店がチラチラとみえる民家の軒先で小雨を避けて雨宿りしていたが、この雷雨で茶店にいた人たちは三々五々どこかに散って行った。
チャンスとばかり琢磨は店に向かって駆け出し、店に飛び込んだ。
彼のびしょ濡れの姿を見かねた女店主は奥の部屋でしばし雨宿りをするようにと勧めてくれた。
この半年間、琢磨はあしげく茶店に出入りし、時間があれば茶店が見える先ほどまで雨宿りをしていた民家の軒先から茶店の様子をうかがっていた。
通されたのは店と襖一枚隔てた隣の和室だった。小さな床の間があり、きれいな花が活けてあってかすかに香が漂っていた。
間もなくして奥の障子があき、店主が2枚のタオルとお茶を運んできてくれた。
「お茶どうぞ」店主は琢磨にお茶を進め持ってきた一方のタオルを手渡してくれ、他のタオルで背中や肩の雨滴を丁寧にふき取ってくれていた。
部屋に入ったときに感じた香りの源が店主から立ち上っていたものだと、このときになってわかった。
琢磨は荒々しく手渡されたタオルで髪と顔についた雨滴を拭い取ったが、この段になっても店主の顔をまともに見ることができないでいた。

テーマ : NTR 他人棒に欲情する女
ジャンル : アダルト
その他連絡事項
- 官能小説『知佳の美貌録「お泊まりデート」 彼のマンションから朝帰りする久美の次女瑠美』
- 小説『残照 序章』
- 小説『残照』
- 官能小説『ひそかに心を寄せる茶店の女店主』
- 官能小説『父親の面影を追い求め』
- 掘割の畔に棲む女

- 残照
- 老いらくの恋
- ヒトツバタゴの咲く島で