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官能小説『ただいま』 第1話 恋歌様作

恋歌様作

官能小説『ただいま』



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 東京 板橋――
 その中心を走る国道沿いの程よい場所に八階建てのとあるマンションがある。玲子
という女性がオーナーのそのマンションは、作りは瀟洒で、セキュリティ関係も駐車
場も万全、しかもオーナーの出す条件さえ満たせば更に割引と言う実にお勧めな物件
であった。実際、お得さにおいては区内で五指に入り、近在の不動産屋の間では“本
音で言ってのベスト1”に入っているほどだ。
 ただ、これを読んでいるあなたがここに入居できるかどうかは別問題である。実
際、そこの住人達は――ちょっと世間の常識とは変っている人達ばかりなのだか
ら……

―― “変わっている人達しか住めない”のではなく、住んでしまうと変わった人に
なるという説のあることも、一応、付記しておくことにする。


 六○一号室――

「ただいま」
 慎一はいつもの小さな声で自分の家へ帰ってきた。いかにも力ないその様子は、や
たら可愛い顔立ちと背は年齢並にしても細くて白すぎる体つきには、嫌になるほど
合ってはいる。これが“女の子”だったら将来が実に楽しみな逸材であったろう。
 ――しかし、その名の通り、慎一君は男なのであって……
「あーーあ。また、やられたのか」
 ちょっと低めの声と同時に、奥から大柄な影が現れた。

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官能小説『ただいま』 第2話 恋歌様作

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官能小説『ただいま』



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(う…)
 それが母の唇だ――と理解したと同時に、その真っ赤な唇の間から刃のように舌が
刺しこまれ、あっという間に慎一の口の中に侵入する。
(ううっ?!)
 母の唇が息子の口を封鎖するように密着するなか、その舌は思うが侭に息子の口内
を蹂躙、かつ、ねぶりつくした。産まれて初めての箇所への初めて味わう感触に慎一
は動転するが―――ボディビルダーの母の腕力にしっかりと抱えられた頭は全力でも
動かせなかった
 しかも、その無駄な抵抗に煽られるように母の舌の動きはさらに加速する。母の唾
液に口中を染められる感触に、爆発的なほどのびりびりした痺れが口から脳髄に走
る。
「――――以上が、一般的な攻撃だ」
 どれほどの時間が経過したかわからないくらいに、とろんと酔った慎一にようやく
母の声が聞こえた。――と言うことはキスは終わっているのであろう。
「唇を接触させただけでは、ほんの挨拶でしかない。本気で好きな相手ならそれでも
感動だけど、普通の相手なら是が非でも舌を刺しこまなければ始まらないのだ。その
際の基本は、今、やってみせたように“吸う”、“弄る”、“舐めほじる”、“甘噛
み”――」
 実に冷静な母の指導であったが、息子は半分も聞いていない。

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官能小説『ただいま』 第3話 恋歌様作

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官能小説『ただいま』



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「確か、男は“ここ”を小さくしなきゃ落ち着けないんだった。いいよ。ママが小さ
くしてやる。ここに立って!」
 母の命ずるままに息子は身体を起こし、ベットの上に立つ。そうするとその前にひ
ざまづいた母の目の前に、股間がいき――さっきから痛いほど勃起していた肉棒が本
当に天をつかんばかりにいきり立っているのが母の鼻先につきつけたような形になっ
た。
「ふーーん。結構、大きいいじゃん」
 母はしみじみと呟いた。何故かはわからねども、それだけ息子は恥かしさで真っ赤
になる。だから、その母の声がわずかに上気したことまでは気がつかない。
「なかなかに固くて熱かったけど、大きさもこれとは――慎一。よかったな。お前の
ここはすごく男らしいぞ」
「……」
 真面目に母は誉めているんだが、“息子”としてはなんと応えて良いかわかるはず
もない。
「でも、この大きさだと…入るかな?」
 呆然と混乱の混合状態にある息子に比べて、ある意味で冷静な母はそう呟きなが
ら、顔を息子の肉棒に寄せた。そして――
 “ぱくっ”
「わ?!」
 妙な音と感触に急いで下を見た慎一が見たのは――
「マ、ママ!何を…僕のおちんちんを…」
 咥え――いや口一杯に頬張るなんて!
「……」

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官能小説『ただいま』 第4話 恋歌様作

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官能小説『ただいま』



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「はあ…」
「よし。それで良い。いつでもどこでも誰とでもと言うのはさかりのついた獣だ。慎
一はちゃんと節度を持ってここを使うんだぞ。で――」
 次の質問はさりげなかったが、その実、精一杯さりげなさを装ったものであった。
「慎一はどの女の子が一番好きなんだ?」

 母の演技まで読み取れるほどの慎一ではない。だから即答できなかったのは、質問
内容自体に緊張したせいである。
「……」
 実は――ずっと以前から――答えは決まっていた。しかし、答えるかどうかは別問
題である。慎一の口もさすがにすぐには動かない。ベットの上で全裸同士で息子に寄
り添っている母も口を止めた。
 その状態のまま時間だけがたつ。やがて息子の肉棒を握ったままの母の手にやや力
が入った。意識したわけではない。焦燥の故かもしれない。そして、それが息子の背
を押したのである。
「ママ――なんだ。僕が一番好きなのは」
 やや沈黙があった。この“告白”に恥かしい慎一は目を背ける。よって、母の頬の
熱さが見える小麦色の表情に妖しい笑みが浮かんだのは見えなかった。
「ほう――」
 母はいつもの口調で次の台詞を続けた。
「慎一はママが一番好きというんだな」
 童貞――今の慎一のレベルでは、母の声がかなり努力して感情を押さえているもの
とは判らない。

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官能小説『ただいま』 第5話 恋歌様作

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官能小説『ただいま』



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セーラーコス「ママ…」
「慎一…」
 そのままの姿勢でしばらくしてからようやく二つの裸身が動く。爆発の余韻の中で
愛し合う母子はしっかりと抱きしめあった。母は一人息子の最初の――おそらくは唯
一の――女となり、ひ弱な息子は逞しい母を真の意味で初めて“女の子”にしたので
ある。その事実の確認のための今の沈黙の時間ですら――
 事実にどちらがより感動したかは二人には判らない。その内容ないし主張を言葉に
するには互いにまだまだ時間が必要で…が――
「あ、また大きく…」
 熱中のあまり、入れたままだった母がうかつであった。息子はそのままで元気を取
り戻し、母と言う名の女を愛する“男”として―
「も、もうなの?なんて逞しい…い、いい!でも…もっとゆっくり…ああっ!慎
一ぃ…」



 六○二号室―― 

「ただいま」
 亮一はかなり陰気な声で自分のマンションのドアを開ける。その姿も声も――い
や、存在そのものが疲れきっていた
 無理も無い。金曜の夜である。月曜からの五日分の疲労が、下がった肩と辛気な顔
色に如実に出ていた――社会人と言うのは子供達が思う以上に大変なものなのだ。
「お帰り!」
 そこへ――何の配慮も同情もなく――反射的と言って良いほどの元気なダッシュで
人影が亮一の視界に飛びこんできた。

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官能小説『ただいま』 第6話 恋歌様作

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妹の手であんな風にされる
「あ……ほーーら。やっぱり。今、くいっ!と来たわね。お兄ちゃん」
 ………悲しい男の性であった。結局――或いはいつものことながら――亮一の兄と
してのプライドは関係なかった。セーラー服から突き出された妹の生乳に顔を埋もれ
させられただけで、その妹の手に握られた兄の肉棒が大きく反応してしまったのであ
る――事実がこれほど悔しかったことは亮一の人生でも…まあ、ほぼ毎日のように
あったのだが。
「ほんと。制服が好きなのね。この、へ・ん・た・い・お兄ちゃん!」
 勝利感に更なる優越感を足し、加えて兄の全てを支配していることへの無限の自信
をかけ合わせた夏子が囁く。どんな言い訳も弁明も、今の現実の前には無意味と悟っ
た亮一は顔をそむけるしかできない。妹はそれにはこだわらず、その小悪魔の笑み
まま、兄の勃起した肉棒をゆっくりとしごきにかかった。
「おい…ちょっと」
「言い訳は出たのを見てから聞くわ」
 丁寧な手の動きに反して夏子の口調はそっけない。身体を入れ替え、真剣な顔を兄
の恥かしい塊によせる。それはまるで今日の兄が敵か味方か判断しようとしているか
のようだ――と言うことは亮一にもわかりすぎるほどに判っている――でも、兄とし
てはどうすることもできないのだ。

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官能小説『ただいま』 第7話 恋歌様作

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兄を下から抱きしめながら可愛く喉を鳴らす妹 わななくように夢中で囁く妹の声が聞こえたのか、やがて責め続けた兄にも限界が
きた。一度出した分だけ、堪えていたのだが、今度は我慢できなかった。腰の辺りか
らの“ぐっ!”と言う感触に気力が切れ、発射の感触とそれに伴う快感が下半身に走
り――同時にまるで“欲しいものを手に入れた”かのような不思議な満足感が胸を一
杯にする。
「ひ…い、いっちゃうぅぅ…お、に、にいちゃん…感じるのぉぉ…お…にいちゃんの
熱い…」
 更に痙攣さながらに悶える妹が悲鳴を上げつつ痛いばかりに兄にしがみつく事実
に、男としての――まごう事無き“実の妹へ”の愛情と独占欲に、文字通り震えるほ
どの満足感で全身がひたるのだった。
「離さないからな。夏子」
 深い満足感とともに亮一は、実兄の肉棒に奥までえぐられたまま、半分失神してい
る妹に囁いた。同時に抱きしめる両手と腰の辺りに力が入ったのは、故意とも言えな
い自然な動きの故である。
「あ…」
 妹が意識を完全に取り戻すまで、兄はしっかりとその熱くなった半裸身を抱きしめ
ていた。

ほんの十数分後―――
「ふ――っ。お兄ちゃん、素敵!かっこいい――っ!ごちそうさまでした!やっぱ
り、お兄ちゃんだけが夏子の“彼氏”よね“」

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官能小説『ただいま』 第8話 恋歌様作

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官能小説『ただいま』



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口のご奉仕 「ま、でもお姉ちゃんは優しいから、今日のお仕置きは“口のご奉仕”にまけてあげ
るわ」
 勝ち誇った姉のご許可である。“優しく”命じられた弟は一度だけビクッ!としなが
らも、やがておずおずと命令に従おうとした――が、すぐ、叱責が飛ぶ。
「何やってんのよ!“口”だけって言ったでしょ!手が触るのまでは許していないわ
!」
 空気を裂くような悲鳴に弟は再度ひれ伏した。弟は姉のスカートの中に手を入れ、
パンティを脱がそうとしていただけなのである。
「ご、ごめんなさい…」
 土下座でもってわびる弟に姉は意地悪く微笑んだ。もちろん、床に伏せている弟に
その笑みは見えない。ただ、次の命令だけははっきり聞こえた。
「さあ!」
 これ以上叱責されないということは、許してもらえた――ではなく、次に急いで進
まないといけないということである。健一は慌てて動いた。
「それでいいわ。丁寧にするのよ!」
(あ……)
 命令通りに顔だけを動かして犬のように姉のスカートの中へ入る。薄暗い中、むっ
!とくる熱気と同時に、見た事のあるパンティ――紐でとめるタイプが見えた。
(姉さん……意地悪言ってたけど、本当は僕の為に準備していてくれたんだ…)
 欲情した姉がさらに楽しむために着替えて待っていた――と思わないから、この弟
は奴隷状態なままなのである。

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官能小説『ただいま』 第9話 恋歌様作

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姉の目が朱鷺色にぬめる  当然の悲鳴を上げる弟に対し、さらに姉は両手で――その真っ赤なマニキュアをし
た長い爪の指で、肉棒と下の双玉を無茶苦茶に握り締める――これはたまらない。男
ならわかる。
「痛い痛い!ごめんなさい!許して!姉さんが触るもんだから……」
「だからって、こんな事をして良い言い訳にはならないわよ!こんな…こんな…」
(もったいない!)
 指の跡が残るほどのお仕置きであったが、被害者はともかく加害者にとっては意外
に早く終わった。涙目で股間をかばう弟は気がつかなかったが、この時、弟のミルク
を顔中に飛び散らせた姉の目の色が変わっていた――そうぬめった熱い朱鷺色に。
(いやだわ…あたし、こんなことでまた興奮している。顔にかけられるなんて、ひど
い話なのに…)
 頭のどこかでそう思わないでもなかったのだが、欲情も二度目となるともう我慢で
きない。許せない思いをこの際、我慢してでも―――
「まったく、しょうがないわね。いつもいつもたまっているからそんな恥かしいこと
になるのよ!」
 姉の主張には無理がある。ほぼ毎日こういうプレイをやって、最後には必ず弟は姉
の裸体の中へ存分に発射しているのだ。
「だから、外の汚らしい女までもいやらしく欲しがるんだわ。

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官能小説『ただいま』 第10話 恋歌様作

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“眼鏡”しか身につけていなかった「ただいま」
 ドアを開ける義一の声は期待ですでに浮きあがっていた。一日の仕事疲れなど一歩
部屋に足を踏み入れた瞬間からどっかへ蒸発してしまっている。げんきん――或いは
元気なものであった
「あれ?お兄ちゃんへのお迎えはどしたのかな?おーーい、加奈ちゃーーん!」
「騒がないでよ、もうっ!聞こえているわよ!」
 ずかずかとあがった義一は自室からおずおずと出てきた妹を見てにんまりとした。
その兄の笑顔を、加奈は睨みつける。眼鏡をかけた結構美少女かつ気の強そうな妹
は、驚くべき事に、この時、“眼鏡”しか身につけていなかった。
「おお、愛しの妹よ。約束は守ったんだね。お兄ちゃんは嬉しいよ。これも愛だね」
「えーーい、白々しい!愛なんてもんじゃないわよ!もし、守らなかったら…ちょっ
と!触んないで――」
 妹の抗議も抵抗も無視して兄は駆けより、“ほぼ全裸”の妹を抱きしめた。実の兄
の前に裸――可愛い乳房や薄い股間の叢までも――をさらす羞恥にほんのりと紅く
なっている妹の身体は、両腕の中で折れるほどに華奢で、かつ、“どきり”とするま
でに熱くなっていた。
「力を緩めてよ!服がすれて痛いんだから―――あ…」
 恥かしさを誤魔化す為にも騒ぎ立てる妹の唇を、兄は唇で蓋をした。 

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官能小説『ただいま』 第11話 恋歌様作

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性感マッサージ 妙に明るくなった妹に背中を押されながらも兄は浴室に入った。そのこと自体に疑
問を感じないまでもなかったが、まあ、考えてみれば誰でも全裸になる場所である。
“仲の良い”兄妹にとっては“うふふ”の空間であろう。まして、さっきから全裸の
妹がかいがいしくも兄の身体を洗ってあげようと言うのだから…
 結局、兄はこの下心に負けたのであった。
「ぜーーんぶ洗ってあげるからね。お兄ちゃん」
 そう言って兄の身体を洗い出した妹は、両手を一生懸命動かしながらも、意識して
裸体を摺り寄せる。泡一杯のボディタオルの刺激以上に、妹の木目細かく――熱くぬ
める肌の感触に兄は陶然となった。
「背中に前に足に…これで、全部終わりね。じゃあ――」
 そして、ほとんど泡だらけになった兄に妹は優しく囁いた。思わず唾を飲む兄の喉
である。実はまだ唯一残っているところがあるのだ。それは兄のこ…
「ここは―――大事だから…加奈のお口でして上げる…」
 言うなり、妹は兄の前に跪き、頭を下ろす――そのまま股間に顔を寄せ、その
可愛い口で、兄の――さきほど妹を半狂乱にさせた――肉棒をぱくっと咥えた。
「は…うっ!」
 意外に可愛い声を上げる兄であった。

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官能小説『ただいま』 第12話 恋歌様作

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官能小説『ただいま』



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名古屋の出会い喫茶「スペースツーバー」はセックスできる  終わりのない舌技に妹は耐えた。まるで、裸体の奥深くに灯された小さな火を少し
づつ大きくしていくかのような燃え上がりかたに、わずかなうめきだけで耐える。感
じているのは事実だとしても、どこでもない背中を舐められているだけでこうなった
とは、兄に知られるのがたまらなかく悔しい――或いは恥かしかった。
(ど、どこでこんな技を――さっきの仕返しね…でも、あたし、このままでいってし
まうかもしれない…それは…それだけは…)
「さあ、次はお尻だ。それから腿から脚の先まで」
 兄は妹の腰の辺りに吹きつけるように囁いた。背中一杯に広がった痺れあがる快感
に浸っていた妹の脳裏にわずかな理性が走る。
(それはつまり、まだ続くという事であり――まだ“しない”ってことで…)
「あ、あのね。お兄ちゃん…」
 ようやく単語を口にした妹に兄は“ん?”と顔を上げた。あどけない顔である。し
てやったりと笑っているようには見えない。
「どした?加奈」
「あ、あの…もう、もういいから…」
「ええーーーっ!」
 わざとらしい兄の声が妹には心底憎らしかった。
「まだ、いっぱい残っているのに!下も、それから仰向けにして前も!キスもおっぱ
いもお蜜さんも!――それなのにもういいっていうのかい?」

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官能小説『ただいま』 第13話 恋歌様作

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姉弟せっくす 「でも姉さんはそれが具体的どんなことか知らないでしょ?だから狙われてもその場
まで判らないんだよ。今日、へんな店に連れ込まれたのも、この前、電車でへんなも
のを掴まされたのも、そのさらに前に夜道でへんなものを見せられたのも―――
 その対抗上の基礎知識として今日特別に僕が教えてあげるよ」
 優しく囁きながらも聖一は結構本気であり、そのぶんたいへんであった。自分の服
を脱ぎながらも柔らかく姉の服も剥ぎ取っていかねばならないのだ。安心させるため
の笑みに脂汗が数滴流れていた。
「でも、いやらしい事って……いつも言っていた“せ、せっくす”なの?」
「ま、そうもいうね」
「“せっくす”って姉弟でやっちゃいけないんじゃなかったかしら」
 ぼけているようで意外に常識はある姉であった。ま、そりゃそうだ。
 弟の脂汗が倍化する。しかし、ここで諦めては長年の――
「そうだよ。だからそれがどんなのか教えるだけさ。最後まではやんないよ。安心し
て」
「そ、そう?」
 弟の大嘘に姉の抵抗が止まる。何と都合の良い姉であろうか。今の状況のおいしさ
に不純な弟は涙すら出そうだった。が――
「でも、具体的に教えてくれるってことは、せいちゃん、せっくすをしたことがある
の?」

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官能小説『ただいま』 第14話 恋歌様作

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姉の強固な主張 「でも、姉さん。“恋人同士”ならSEXは許されるんだよ」
「え?こいびと?」
「そうさ!姉さんは僕が好き?」
「…それは…好きだけど…」
「じゃ、僕以上に好きな男はいる?」
 結構、真剣な質問である。問題は、こういうことをする前に確認すべきことなので
あって――
「いいや…せいちゃんより好きな男っていない…」
 思わず、ガッツポーズを取る弟であった。
「実は僕も姉さんが一番好きなんだ。誰よりも愛しているよ。本当にもの心ついた時
から!」
「…でも他の女の人と“せっくす”したんでしょ?」
 冷や汗が弟の背筋に一筋流れる。
「そ、それは、姉さんが振り向いてくれなかったからさ!姉さんさえ恋人になってく
れるのなら、そんなことは絶対にしなかったよ!」
「そう?」
「そうさ!
 そしてこれでわかっただろう!僕達は愛し合っているんだ。だから恋人同士さ!だ
から、今からその愛を確かめあっても良いんだ!」
 弟は姉を力強く抱きしめた。
「…そうなの?」
「僕の恋人になるのは嫌?」
「そ、そんなことはないわ…」
「じゃ、恋人同士で良いんだね?」
「で、でも…」
「でも、何さ?」
「恋人同士ってことは浮気しちゃいけないんだよ。せいちゃん。これからお姉ちゃん
だけって約束できる?」

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官能小説『ただいま』 第15話 恋歌様作

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浴室に向かう睡蓮のデザインの浴衣を纏った母 実の息子の淫らすぎるキスに、上気した顔とまだ微妙に震える身体のままで津子は
“めっ!”をした。母としての最後の見栄であろう。それが判っている息子はそんな
母をたまらなく可愛いと思った。
「だって、試験のために一週間も我慢したんだ。これくらいは許してもらわないと」
「駄目です。まず汗を流して、ごはんを食べてからです!」
 それなりの威厳を込めて津子が命令する。それでも、『わたしだって我慢したんだ
から…』という本当の思いを判らない最愛の息子ではない。宏一はにやりと笑った。
「その浴衣、いいね。ママに似合っているよ」
 津子が着ている睡蓮のデザインの浴衣――二人がどこよりも気に入っている“あ
の”旅館で買った浴衣である。それをわざわざ着て息子を出迎えた母の意味などは
――それこそこの二人にとっては口にする必要も無い事であった。

「お湯加減はどうですか?」
「ちょうど良いよ。ママ」
 待っていた息子はそう答えながらにやりと笑った。浴室のドアの向こう側の光景が
明快に想像できる。そこにはあの母がいて――いつものように次の準備をしているの
に違いないのだ。
「お背中を流しますわ。宏一さん」

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官能小説『ただいま』 第16話 恋歌様作

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浴室に向かう睡蓮のデザインの浴衣を纏った母  びしゃっ!と男のミルクによる音と衝撃が津子の喉まで叩きつけられ、息子の熱さ
と男の香りが口一杯に飛び散る。それでも母の口の中でどくどくとうごめく息子の肉
棒を津子は離さずーー逆にその全てを飲みこもうと喉に力を入れた。

 入浴を終え、すっきりとした宏一はパンツだけをはいてリビングへ入った。すでに
一足先に出て、浴衣に着替え直した津子がいる。
「今日はちゃぶ台にしときましたわ」
 津子はリビングの絨毯の上に置いたこたつ机に料理を並べていた。サイコロステー
キや刺身、ガーリックライス等々の息子の好物を嬉しそうにそろえるその姿は、まる
で新妻のように初々しく――けなげでもあった。第三者であれば、これがついさっき
息子の全部を飲みこんだ実の母だとは絶対に見えなかったであろう。
「あ、鯛に烏賊だ。この刺身はママが作ってくれたの?」
「もちろんです。魚市さんに活きのいいのが入っていましたの」
 ちょっと自慢する母に歓声を上げながら、宏一はするりとその母の隣に身体を刺し
入れた。その際に触れた息子の身体の熱さに津子の心臓は思わず跳ねあがる。
「あの…宏一さんの席はあっちなんですけど」
 嬉しい動揺を悟られないよう何とか押さえようとする母の抗議を息子は嬉しそうに
無視した。

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官能小説『ただいま』 第17話 (最終章)  恋歌様作

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二人だけの世界で愛し合う母子  母の乳首をぺろりと一舐めしてから猛然と宏一は津子の乳房にむしゃぶりついた。
知り尽くした息子の舌と歯が激しくあばれ、しびれが母の脳天まで響く。その快感の
激しさは(“おあずけ”なのに)、全身が跳ねあがるほどであり、実際、これだけで
もう一度いってしまいそうであった。
「あああぁっ――!」
 しかもそれだけではなかった。息子の胸への激しい愛撫だけでこれだけ狂っている
というのに、母の濡れきった下半身は満足していなかったのである。
「ひ、ひぃ…い、いいっ…でもぉ…」
 母の大きな乳房をむさぼる息子の頭をしっかりと右手に抱きしめながらも、津子の
左手は下を――半ば無意識のうちにさぐる。探しているのだ。母の、沸騰するほど欲
情している肉壺をふさぎ、思いっきり蹂躙してくれる最愛の――母だけの肉棒を。
「あ、はしたないことしている」
 母にようやく肉棒を掴まれた宏一は余裕たっぷりに囁いた。津子の左手のひらから
伝わる息子の肉棒の熱さと血の鼓動の合間にその悪戯声が耳に染み入る。もう、津子
には母としての威厳などなかった。
「お願い…して…宏一さぁん…もう…我慢…でき…な――」
 母の肌の熱さと股間の十分過ぎる湿り、乳首の背伸びするかのような硬直――そし
てこの哀願に宏一は満足の笑みを浮かべた。

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