生活すべてが薬草頼みの下薬研 (しもやげん)
このためまず最初に建てた場所というのが入谷川を盆起点とし下馬見川を遡った最も谷幅が狭くなった地点でした。 これは入谷からの侵入路である村道に関所を設けるためでした。 これに当たったのが加納家です。
次に建てたのが上薬研 (かんやげん) から峠を越したばかりの丘の中腹に見張り小屋を兼ね建てました。 杉山征市さんと須恵乃さんが住まう出城の役目を果たす杉山家です。
そして最後が上馬見川の向こう岸、自分たちの耕作地が一望に見渡せる地に建てたのです。 これが加藤新太さんと真紀さんが住まう本丸ともいえる加藤家です。
うまいことに下薬研 (しもやげん) の持ち土地は細長い三角形の形をしていて偶然とはいえ各々の家がその頂点付近にあったのです。
確かに加納家と杉山家の間には小山があり両家は直接的には見通せません。 がしかし、加藤家からは両家が見通せ、また逆のことも言えました。
何か事変が発生した場合直ちに合図を送ってその場に駆けつけることができたのです。
しかも何事につけ共同作業の形態をとっていましたので天候不順などの自然災害にも強かったのです。