掘割の畔に棲む女 ~田舎に女が越してきた~
千里さんが働かせてもらってる地区 (山中の果樹園) の脇道で隆宏さんのお情けを受け止めて以来千秋さんは大塚家のおばあさんの許しを得ずして農場に千里さんの補佐役として留まりました。 車の中で隆宏さんと曲がりなりにも契りを交わしてからというものお互い情が募れば千里さんが小屋を開けている間に隆宏さんに来てもらい慰めてもらうようになっていったのです。
このことは千里さんにとって困惑極まりなかったんですが根がこれまで誰にもまともに相手にされず育って来た千秋さん、辺鄙な地区での農作業を嫌うなんて気持ちはこれっぽっちもなかったんです。 頼れるのは千里さんと隆宏さんのみ。 千里さんが一緒にいてくれて、そこにときたま隆宏さんが現われ抱いてもらえる。 それだけで十分すぎるほどだったんです。
シチリアの熱い風 第5話“街角のカフェ” Shyrock作
元々帰る時期など考えていなかったものの、経済的な問題もある。
帰国することも考えなければならない。
いっそ、イタリアで就職するのも方法だ。
看護師の資格を持っているのだから、仕事には困らないはずだ。
そんなことも考えながら、ついジョルジョとの蜜月のような日々の快楽にイヴは溺れてしまっていた。
ジョルジョとは毎日のように会う。
そして毎日のようにセックスをする。
「イヴ、コンニチワ!」
「ジョルジョ、ボン・ジョルノ!」
「うふふ」
「ドウシテ笑ウノ?」
「だって、二人の挨拶、全く逆じゃない~」
「ハッハッハ~!本当ダ。ネエ、ボク、日本語ウマクナッタダロウ?」
「ええ、すごい上達よ~。大したものだわ」
「イツモイヴニ、ベッドデオシエテモラッテルカラダヨ」
「そんなこと大きな声で言わないでよ~。恥ずかしいじゃないの~」
街角のカフェで待合わせをした二人は、早速会話に花が咲く。
言葉が通じにくければ分かり合えないと思っていた。
でも違う。
肌と肌を重ね合うだけで、心は通じ合う。
それって錯覚?
いいえ、そんなことはないはず。
だって、ジョルジョのこと、間違いなく恋してる。
でもいつまでこうしていられるのかしら。
その他連絡事項
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アップデート 2024/02/21 12:45
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