掘割の畔に棲む女 ~母と息子~
生きてきた年代が年代なものですから蘭子さん、ご主人を問い詰めるなどということは出来ないんですが女同士の感と言いましょうか篤子さんのその表情から二人の間に何があったか嗅ぎ分けることが出来たのです。
最上の楽しみを味わわさせてもらった後の女としての自信のようなものが感じられ思わず歯噛みをしてしまいました。 高齢になって若い嫁を貰うと早死にするなどと言われますがご主人の直茂さん、独りになるとボーッとしてまるで精気が失せたような顔つきになるからでした。
大塚蘭子さんは息子さんを溺愛しています。 その息子さんのためご主人の直茂さんに嫁の篤子さんについて外遊びを注意してくれるよう頼んだはずでした。 ところがどこでどう間違ったか知りませんが当主の直茂さんと嫁の篤子さんはいつのまにか心が通じ合うような関係になってしまい息子さんはすっかり除け者にされてしまってたんです。
シチリアの熱い風 第7話“卵形のチョコレート” Shyrock作
久しぶりに会うというのに、すっぴんのままなんて・・・
(少し早めに連絡をくれればいいのに)
私は大きく息を吸って、玄関ドアをノブを握った。
胸の鼓動が自分でも分かるほど、激しく脈を打ってる。
ドアを開けると、そこには懐かしい顔があった。
少し日に焼けたようだが、笑顔はあの時のままだ。
手にはラッピングをした大きな包みを持って立っている。
「イヴ、元気かい?マジで心配してたよ。ひとことぐらい言ってくれても良かったのに」
「そんなぁ~・・・。別れた人に行き先を言って旅立つ人なんていないわ~。でも嬉しいわ。よく来てくれたわね」
「イヴ・・・」
「なに?」
「相変わらずきれいだね」
「もう!急に来るから、化粧をする暇がなかったじゃないの~。ちょっと早めに電話をくれたらいいのに~」
「あぁ、そうだったね。ごめんね。でも・・・」
「でも?でもなあに?」
「君は化粧をしなくても充分に美しいよ」
「う、もう!口だけは上手いんだからぁ~」
「いや、お世辞じゃないよ」
「そうなんだ。嬉しい・・・」
「あの」
「なに?」
「あの、部屋に入れてくれない?立ち話もなんだし」
「あっ!ごめん!気が利かなくて。どうぞ、入って」
tag : 久しぶりに会うすっぴん胸の鼓動激しく脈を打って別れた人ラッピング真横に腰を掛けた胸をよぎったプレゼント別れた女
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アップデート 2024/02/21 12:45
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