子作り話しが思わぬ方向に進展… ~松葉崩しの効用~
妻に逃げられてからというのも猛さんの気持ちにも変化が現われ、事息子の隆司さんへの注意を怠らなくなっていて隆司さんは気付いていなかったようなんですが彼のスマホに送られてくる元妻の痴態はことごとく盗み見されていたんです。
ゆく先々で出逢う漢と逢瀬を交わしその様を画像で知らせて来られたものですから猛さんの、長きに渡り忘れていた漢としての機能が怒りも混じり蘇ってきつつあったんです。 そんな折に送られてきた元妻の松葉崩し。 猛さんの中に何かが弾けるのが自分でもわかりました。 元妻の綾子さん同様彼もまた女でありさえすればもう誰でも良くなったんです。
綾子さんのお相手を務める若い漢じゃありませんがそれがたとえ財産目的であっても穴さえあれば良しとしたんです。
官能小説『危ない画像』 第16話

のし掛かって来た。
「パパ、エッチして来たでしょ。」
「何で。」
「匂いがする。その人の。」
「嘘だろう。ちゃんと石鹸で・・・」
進がしまったと言う顔をした。久仁子の誘導尋問にまんまとはまってしまったので
ある。
「やっぱり。」
進の胸に顔を埋めた久仁子が泣き出した。
「弱ったなあ。」
震えている久仁子の背中を進があやすように軽く叩いた。
「パパも男だ。ママがいなければこう言うことだってある。」
「どんな人。この間の人。」
「うん。」
「きれいな人だった。」
暫く考えてから進が話し始めた。
「こうなったら全部話しておこう。その人、麻美って言うんだが、ママの不倫相手
の奥さんだ。」
「嘘、パパはママの相手の人、知ってるの。」
「ママの不倫が始まってすぐに調べたさ。麻美の方も別の探偵雇って調べてた。お
互いにそれが分かって、麻美の方から俺に連絡して来たんだ。」
「やだ、二人とも不倫された腹いせだったの。」
「いや、そんな積もりは全然無かった。」
「ふうん、ちょっと信じられないけど。」
久仁子が身体の間に手を差し込んで進の前を握りしめた。