騙して連れてこられた……であろう比田勝の夜の蝶
夜ともなると昼間と違い料亭は、なんだかいうアニメに出てくる料亭のように灯りが点いて賑やかで、でも宴席に花子は駆り出され加奈子は独りぼっち。
女将の勧めで歩いて港まで出てみた。 昼間見ると何の変哲もない、水深が浅い港だが、夜ともなれば海面を夜光虫が彩る。 隅田川の花火を思い出し、しばし見とれた。
翌日は朝から雨だったので、加奈子は多くの時間を花子とレストラン喫茶美松に出かけ食事と飲み物をとり、それが終わると評判のバー桂を中心とした飲み屋街を花子の案内で見て回った。
なるほどと思えたのはその道幅、この時代にあって人力車程度しか通れないほど道幅は狭く、しかも建物たるや外側は鰐浦の民宿同様バラック建てなのだ。
「ねえねえ花子ちゃん、こんな場所に勤めるお姉さんたちって……ひょっとすると……」
「うん、そうだよ。 多分ね。 ウチと同じ、本土のどこかからか連れてこられた人たち」
こともなげに言ってのける。
『人妻あや 悪夢の別荘地』 第3話 居直る二人 Shyrock作
腹部を押さえてうずくまっている俊介を、笠原が予め用意していたロープで縛っていく。
緊縛するのはかなり慣れているようで、まるで箱を紐で梱包するかのようにいとも簡単に俊介を後手に縛り上げてしまった。
「あ、あなたぁ~!」
「旦那様って見かけによらず意気地なしなのね。あはは」
「わたしたちに何をするつもりなの?」
あやは険しい表情で彼らに抗議をする。
すぐに百合が答えた。
「別にあなたたちに恨みがあるわけじゃないから、痛めつけるつもりも金品を盗むつもりも全くないわ。ちょっと深い事情があってね、ここに一晩だけ泊めてくれたらいいのよ」
「事情って……?」
「そんなことあなたには関係ないわ。余計な詮索はしない方が身のためよ」
と百合はあやの質問に釘を刺した。
彼らは侵入した目的が遺恨でもないし泥棒でもないという。
ではいったい何の目的で侵入してきたのだろうか。
素性が知れないばかりか、目的も分からない侵入者と言うのは実に不気味なものだ。
あやは思考を巡らせているうちに不安と恐怖に襲われた。
俊介を縛り終えた笠原は一人掛けのソファにどっかと腰を下ろし寛いでいる。
一方俊介は後手に縛られた状態で床に転がされている。
足首にもロープがかけられその先端はテーブルの脚に括られている。
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