夕暮れの岸壁に佇む女

比田勝に来て、何度も店の前を通りかかっているが、この店に人が入っていくのを見たことが無かった。
「暖簾が出てるんだから、営業してるんだろうが……」
独り語ちて、矯めつ眇めつ店に入っていった。 結構な時間、港を眺め様子を伺っての入店だったが、その間誰ひとりとしてこの店に入らなかった。 食当たりのことも考えはしたが、それより興味本位的な気持ちが強かった。
「ごめんください」
思った通り、店内には誰もいなかったので加奈子は店の奥に向かって声をかけた。 しばらくしておばさんが出てきて
「あらっ、いらっしゃい。 ずいぶん長い間ウチの店、見てらしたから、入りたいんじゃないかと思って待っとったとですよ」
観光客相手に、丁寧な言葉づかいしようとしてただろうが語尾がなまってる。 その仕草がおかしかったが、待ってくれてたのは有り難かった。
こんな有り様だからできるものと言えば限られてるとの説明を受け、それならとちゃんぽんを頼んだ。 東京の味が懐かしく、ラーメンを頼みたかったが、この店ではやってないという。
『人妻あや 悪夢の別荘地』 第4話 デニムのショートパンツ Shyrock作
あやは眉をひそめて不快感を顕わにするが、百合は一向に気にする様子もない。
それどころか、
「私も親しみを込めてあやさんって呼ぼうかな?あやさん、服の上からじゃ物足りないんじゃない?ガウン、脱いじゃおうか?」
その時あやは上がボーダー柄のカットソーで下はデニムのショートパンツを穿いていた。
向かい側にいる笠原が百合を煽り立てる。
「冷房が入ってないからあやさんが暑がってるぞ。百合、早く脱がしてあげなよ」
「別に暑がってません!」
「そういえばあやさん、ちょっぴり汗ばんでるみたい。さっさと脱いじゃおうか」
百合はあやの言葉に耳も貸さず、強引に衣服を剥ぎ取りに掛かった。
これにはあやも血相を変えた。
「や、やめてください!自分で脱ぎますから……」
「そうなの?その方が手間が省けるわ。あはは」
あやがためらいがちにカットソーを脱ぎショートパンツに手が掛かったその時、俊介の声がとどろいた。
「あや、脱ぐな!」
「……」
笠原は眼光鋭く俊介を睨みつける。
「何だと?もう一度言ってみろ」
「あや、脱がなくていい」
「うるせえんだよ!」
笠原は緊縛されて抵抗のできない俊介の顔面に平手打ちを見舞った。
(パシンッ!)
「うぐっ……」
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