海栗島の食堂でアルバイトに励む美咲

鰐浦湾を見下ろす絶景の地に建てられた海栗島の隊舎の食堂は湾に向かって全面ガラス張りになっていて、窓の外に出て海を眺めることが出来る狭いながらも空き地が設けられている。 美咲は忙しい作業の合間を縫ってはここに出て、隠れるようにしてタバコを吸っていた。
「へえ~、美咲ってタバコ吸うんだ」
食事を終え出てきた新兵の浜田が茶化す。
「吸うよ、悪い。 そういう浜田さんて、タバコを吸う女は嫌いなんだ」
「そうじゃないけど……ランナーにはタバコはね……・それに、ちょっと驚いただけ……」
浜田は口ごもった。 美咲は他のふたり……厚生班の幾世、会計班の和江らと比べ、明らかに派手な女の子。 ところが仕事が始まると、途端に他のふたりに比べ真面目になる。 タバコを吸う姿が板についてる風に見える美咲。 これが本来の彼女じゃなかったのかと、ふと思えて、正直な気持ちがそのまま口をついて出てしまったからだ。
「ウチなんかにちょっかい出して、こんなとこ幾世に見られたらまずいんじゃない?」
茶化すつもりが逆に茶化された。 美咲に言われるまでもない、彼女に比べ幾世は見た目清純で気弱そうに見え、その実噂通り真逆だったからだ。 自分のことはさておき、こういったところを見たら気持ちを表には出さないものの、更に輪をかけ噂通りのことをやるだろう。 浜田にとって、それが怖かった。
「ここに居たらまずいとでも言うの?」
浜田が真剣な目で問いかけると、美咲はへへへっと笑って、そこから先何も言わず、また給与班に引き返してしまった。
仲間内では浜田と幾世が親密に連絡を取り合ってることが相当有名になっていたんだろう。 本音を言えば自分が付き合いたいくせにこの時は、幾世に遠慮して何も言えなかった。 美咲とはそんな女だった。
『人妻あや 悪夢の別荘地』 第6話 無毛の丘 Shyrock作
できあがったハムエッグは、笠原の指示もありダイニングルームの食卓ではなく居間のテーブルに並べられた。
ダイニングルームより居間のテーブルの方が低く監視がし易いのだろう。
白い皿に盛られたハムエッグには付け合わせに茹でたブロッコリーとトマトが添えてあった。
「ほほう、美味そうじゃねぇか」
「ご飯が炊けてないので代わりにパンでもいいですか?」
「おう、上等だ」
「私もパンをいただくわ」
「分かりました」
「ところでビールが空なんだけどなぁ」
「すぐに持ってきます」
「あやさん、妙な気を起こすなよ。もしも妙な気を起こしたら旦那がただじゃすまねぇからな」
「分かってます。何もしませんから」
台所には包丁があるので、笠原は警戒してあらかじめあやに釘を刺した。
まもなくあやはトレーにバゲット数切れと缶ビールを乗せて運んできた。
二人はかなり空腹だったようで、またたく間にハムエッグとバゲットを平らげしまった。
笠原は残った缶ビールをグビグビ飲んでいる。
その前では上半身裸のあやが二の腕を擦りながらつぶやいた。
「寒くなってきたので何か着ていいですか」
「じゃあ旦那の白シャツを着ろ」
「え?夫のシャツですか」
「女が男シャツを着るのはエロくていいもんだ。白シャツあるだろう?すぐ着ろよ」
tag : 夫面前凌辱
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