『トマトを選別する女』 になりたがる美咲

新たな恋人ができた幾世に姉が嫉妬し、当てつけに自分ですら持て余し気味だった漢を、夫の目をそらすため宛がい、その仲を引き裂こうとし、こともあろうに幾世が堕とされ懇願が始まるまで通いつめ見張ったというくだりだ。
(あの姉も可哀そうな人……)
幾世さえ生まれてこなければ、生涯何も知らないまま平穏無事でいられたろうにと思うにつけ、また海栗島での記憶が蘇った。 こんなことを訊いた後は、素直に翔太に会いに行きたいと思えた。 また農道に佇み、仕事に精出す彼を見つめていたいと思った。
大雨が降った翌日の畑はそこもここもぬかるんでいた。 お百姓さんにしてみれば手入れが大変そうだ。 美咲は翔太を目で追った。 美咲の存在に気付いた翔太が泥まみれになった手を大きく振った。
美咲は林田のことを良く知ってる。 思い切って声を掛けたらいとも簡単になびいてくれる。 そう踏んでか、夕闇迫る車庫から道行く自分に声をかけてくれたことがある。
(…あれはたまたまMの真っ最中だったから……・)
『人妻あや 悪夢の別荘地』 第12話 あやの蜜はどんな味 Shyrock作
口元をティッシュで拭っている百合に、笠原が尋ねた。
「何も飲まなくてもいいんじゃねぇか?」
「真司、もしかして妬いてるの?」
「ふっ、冗談はやめろよ。それより味はどうだ?」
「男はみんな同じ。苦いだけよ」
「百合が旦那にフェラしている最中、あやさんが恐い顔をして睨んでいたぜ」
「そうだったの?あやさん、ごめんね。旦那さんの貴重なザーメンを吸い取っちゃって。それにしても旦那さん、私のフェラであんなに興奮するとは思わなかったわ。気真面目そうなのに意外ねぇ」
百合はあやの嫉妬を搔き立てようとして生々しく語る。
しかしあやは嫉妬するよりも、あやを嫉妬させようとわざとらしくつぶやく百合を軽蔑した。
心理学的にも、男は女の性的な浮気に激しい嫉妬心を抱き、女は男の精神的な浮気に嫉妬心を抱く傾向があるので、あやが百合の愛情のない強引なフェラチオにさほど嫉妬しなかったことも納得できる。
あやは顔を背けたままで百合の方を見なかった。
百合は意地悪な笑みを浮かべた。
「あら、あやさん、私を無視するの?ふ~ん、別にいいけどさ。旦那さんのザーメンを飲んじゃったからお返しをしてあげないとだめね」
「お返し……?」
「真司が私の代わりにあやさんの蜜を吸ってあげて」
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