知佳の美貌録「袂に入れてくれたお金」

自分ほどの器量があればもっと素敵な恋人が現れるはず。
もしも今、そんな素敵な男が声をかけてくれたら家を捨て子供を捨て後ろに付き従ってホテルに入って身を捧げてもよいというような、恋してやまない女がいる。
好子もまた、そんな身を焦がすような恋がしてみたい人妻のひとりに、あの瞬間から堕ちていった。
きっちり堕としたと自負する男。
彼はつぎに女が現れた時こそ、今撫でさすっている怒張を打ち込んで中に吐き出し、屈服させてやろうと待ち構えていた。
これほどひとりの女が抱きたく耐えたことなどこれまでに無かった鳶。 だが、確かに堕としたはずなのに3日経っても7日過ぎても女は現れなかった。
焦りに焦った。
その証拠に鈴口が涙を流している。
あのようにきれいな人妻なら、おそらく他に男がいてもおかしくないと思えた。
あの日はたまたまその男というものと出会うことができず、自分を使って鎮まりきらないモノを鎮めただけに思えた。 負けてるわけはなかった。 飲み屋の女でも仲間内の男たちから、その自慢の怒張で奪い取ってきたからだ。
「一緒に暮らしてくれる? ねぇ~ いいでしょっ?」
女たちは異口同音懇願してきたものだ。
それ故自信はあった。
悔やんでも悔やみきれないのが途中下車。
勝ちを真に確信しないで放してしまい眠れない日が続いた。
義務教育もそこそこに鳶の弟子入りした漢は稼ぎが良すぎたがゆえに自慰の何たるかを知らない。 右手の使いかたを知らなかった。 溜まりきって吐き気をもよおすようになっていったがヌク術を知らなかった。
一升瓶の焼酎を酩酊するまでラッパ呑みし、気を失ったのは確か明け方だったような気がした。
アルコールの力を借りてようやく人妻恋しさに終止符を打ち爆睡し、泥のようになった躰を引き起こすことができたのは丸1日経過した明け方だった。
現場で取っ組み合いの喧嘩をやらかし、仕事を追われ地方に仕事求め流れて来て はや半年が経過しようとしていた。
ここは田舎故、鳶の仕事と言ってもせいぜい5階建てのビル程度の高さに足場を組むのみ。
給金は低く、今住んでる借家の店賃を払えばいくばくも残らない。 女はせいぜい飲みに行った店のホステスを連れ出し、安ホテルにしけこむのが関の山だった。
そのうらぶれた男の住まいに場違いな人妻が来てくれた。
夢中になって抱いたものだ。
それが夢幻に思えたかに思えた明け方の静間の中、玄関で白い影が揺れた。
「いるんでしょっ? あんた、聞こえないの? また仕事に行かないで寝てるんでしょっ? 早く開けてよ!」
玄関先から威勢の良い声が聞こえた。
漢はこのまま好子にしてやられるのだけは勘弁できなかった。
どんなことをしてでも打ち据えたかった。
「昔抱かれた漢にもこの壺を使って金の無心してたのか」
そう言いながら抜いている間に持ち直した怒張を再びワレメにあてがい人妻の襞の奥深く、子宮をズンと突き上げた。
「あン… してない… 本当よ・・だから……」
図星をつかれ、睨み上げられ居竦んでしまった好子。
何をされるのか恐ろしくなり思わず腰を引こうとしたが、男はそれを許さなかった。
ここまで苦労しなだめすかし堕とさせておきながら、満たしきって返したんでは軽い男と思われまたぞろ他の男に開くかもしれない。
鉄火のようなこの女は、どちらかといえば金持ちより豪胆な漢を選ぶように思えた。
それでは鳶として社会的にも示しがつかない。
胆力で負けたのならいざ知らず、財力に負け仕事を追われた腹いせまでも混じって不貞をなじっていた。
自分の手で抜けなく、溜めたまま酒で誤魔化した その溜まり切ったモノが胃の腑を突き上げ吐き気がする。
漢は気づいていなかったが、未だ人妻は割烹着を着たまま下半身をむき出しにされ突き上げられていた。 しかも中では反りかえったモノが盛んに膣壁をノックし続け、恋を告げてくる。
2~3人の漢の間で回され注ぎ込まれた濁液など掻き出しそうな勢いで求めてきてくれていた。
漢は好子をがんじがらめに抱きしめ、遮二無二襞の奥を突き続けてくれていた。
漢から逃れようともがくが、力が強すぎて逃げ出せない。
力を込め抵抗を試みると、ますます怒張は勢いを増す。
漢は気が付かなかった。 好子は徐々に醒め、クリも窄み、Gスポットも消えかけていた。
愛液は止まり、潤滑剤を失った粘膜だけが擦れ合っていた。 早くヌキたい気持ちが先立ち、ピストンが強引になり過ぎていた。
「あんたなんかに関係ないでしょ!」
逢えなかった間
「どこの誰と!」と、つい責めていた。
それがいけなかった。
「なんだと!このアマ」
漢は好子をねじ伏せたまま、頬にビンタをくらわした。
「欲しいっていうから濡れてしまったアソコを手入れしてやってるのに、なんだその言いぐさは」
負け惜しみだった。
恋に狂い、酒におぼれていたくせに好きだと、俺の女になれと言い出せなかった。
出たのは仕事を追われた時と同じ暴力だった。 亭主に散々暴力を奮われ、それでも夫婦関係を解消できなかった女。 さすがにこれには好子でも反発できなかった。 狂おしいほど求めてきてくれるから繋ぎ止めることができた夫婦関係。 男の挿し込んだものは襞の中で萎えはじめていた。
白けたとでも言おうか、漢は壺に挿し込んだモノを引き抜き、一度は渾身の力を込め抱きしめていた人妻の躰を離そうとした。
途端に好子は漢のペニスをギュッと締め付け抜かせまいとする。
「お願いだから離れないで… 謝るから… ごめんなさい」
言いながら好子の足は漢の腰に絡みつき、狂おしいほどほど漢のペニスに刺激を与えようとしてくれていた。
萎え始めたペニスを、それでも奮い勃たせようと扱いてくれている。
興奮から膣が収縮したのではなく、自身の意志で引き留めようとしてくれている。
鳶はそれをホテルで味わった飲み屋の女と同じと感じてしまっていた。
「どうしてそこまでして金が欲しいんだ? あん? 亭主がそれほど恋しいか!」
漢は好子の中で、締め付けられながらも萎えは止まらないでいた。
「うちのひと、稼ぎ方を知らないの、年がら年中将棋ばっかり」
泣いていた。
どうして役立たずの亭主に代わって儂が金を? 好子を押さえつけていた腰を浮かしペニスを引き抜こうとしたが、どうしても抜けない。
萎えているのに心の内ではこの人妻を堕としたくてたまらなくなっている。
子宮奥深く、煮えたぎるものを射出してわななかせ美妻を屈服させたくてたまらなくなっていた。
好子は萎えはじめているにもかかわらず、本心は中に放出することで恋心を伝えようと躍起になって力んでくれていると知っていて、だが萎えは止まらなくて、それでもかまわないからオトコを奥に引き込もうとしてくれている。
苦しみから解放してあげようとしてくれていた。
激高で興奮した状態ではなく、欲情が始まってしまったオンナの部分を何とかしてほしく、冷静沈着にである。
「離せよ、もうお前を抱く気になれないんだ!」
乳房を己の毛むくじゃらの胸で押しつぶしておいて腰だけ浮かし、股間同士を離し、萎えたものを、オトコとして恥ずべきモノを引き抜きにかかっていた。
「そうはいかないわ!私をこんなにしておいて・・・」
引き抜かれつつあるペニスに白く交尾で膣から滲み出た欲しがる液がまとわりついている。
離れ離れになり始めた漢の剛毛と人妻の恥毛が糸を引き行為の激しさを物語っていた。
「お前みたいな女を娶りながら、よく抱かずに我慢できるもんだ」
もはや嫉妬であった。
「もう抱けるはずないでしょっ!酒で体がボロボロなんだから……」
自業自得 好子がそう気を吐いた瞬間、あれほど恋しかった、硬直した筋肉が欲しくてたまらなかった牝の気持ちが吹っ切れていた。
漢は素早く好子から引き抜くと脇にあった手拭いで汚れたソレを拭き取った。 それに合わせるかのように時を8時を告げるチャイムが街中に鳴り響いた。
好子はノロノロと起き上がり、帰り支度をし、振り返ることなく男の家を立ち去った。 立ち去り際、好子の割烹着の袂に、漢はいくばくかのお金を忍ばせることを忘れなかった。
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