見た目の悪さゆえに嫌われ続け

W不倫の爪痕は惨憺たるものだった
男の願望である寝取り・寝取られと女の願望である婚外恋愛は全く別物だった。
男は過去に寝たどの女の時より最高に興奮した状態で射精したがり、ヌケた瞬間冷えが始まる。
最も興奮度が高いのは他人の持ち物を横合いから手を伸ばして、己の自慢の武器を使って奪うこと。 周囲への自慢、これに尽きる。
女は過去のどの男より3高を望み、他人の持ち物云々は同じだが女性が描く婚外恋愛とは多くの場合秘密裏に延々と愛が続くことを願うものなのだ。
男性がクンニを施してくれ、挿入が始まったころになってやっと、初めて、女性はスタートラインに立つ。
男性が堕としたと確信してくれるころになってやっと、包み込みたい愛しい人という想いが募るようになる。

奥さんに三下り半を突きつけられたなら、もう二度と相手が見つからないであろうというようなくだらない男に見えたという。
桂子は衣服や化粧に多少の興味を抱く同性が手伝ってやれば結構イケてた。 だから男が迫ったのであるが・・・
スタンドの同僚も一般的な男性と同じく、桂子が躰を摺り寄せてくれるようになったことから肉感を感じ取って妻以上の興奮を覚え早く抱きたいと思うようになったのである。
妄想の中で、旦那の前で自慢の逸物を桂子に魅せ付け気を惹き、貫きたかったのである。
だからスタンドの裏の洗濯場でチャンスを窺い、射出感に耐え切れずのしかかっている。 想いを遂げることができたなら場所などどうでもよかったのである。
その点桂子は違う。
必ずしもまぐわう必要なく、秘密裏にぴったりと寄り添い永遠に想い想われたかったのである。
どれほど自分を愛してくれているかを知るメジャーとして、確かに勃起を見たがったが・・・
だから幾度も男の自宅に電話をかけ呼び出し、車の中で 或いは深夜に誘いだし職場に赴き彼を試したのである。
洗濯場で今一度と迫ったりしている。
そのことをよせばいいのに男は自慢もまじえ友人に話して聞かせている。
女性同士のY 談は所詮秘密めいていて広がらないが、隠すことが下手な男性が公言し始めると根がスケベで自分もお世話になりたい、しかし勇気がないだけに噂だけが勝手に走り出す。
ましてやワンギリの電話が続き、恐怖に怯えた奥さんは警察に連絡してしまっていて、警察官の来訪に当然事務所も密かに調べ始めていたのである。
そんな事態になってるとはつゆ知らず桂子は、相変わらず男にべったりだったことから忠告を受けるようになった。
「ご主人に知られたくなかったら、こんなこと言っちゃなんだが・・・バイトを辞めるしかないよ」やんわりと辞職をほのめかされた。
躰の関係を先に迫ったのは男の方なのに、被害を被ったはずの女に退職を迫る。
桂子は当然憤った。 男がひた隠しに隠す、一切合切を所長に向かってぶちまけたのである。
ふたりしか知らないヒミツを公言してしまったのである。
桂子に足りない部分があるとすればこれだった。
スタンドの店員だった桂子と、その同僚との不倫は桂子が一方的に邪魔者扱いされたことで幕を閉じた。
閉じたというより公序良俗・脅迫云々でスタンドを解雇されてしまった。
桂子はこれに怒ったが久美が事務所に乗り込んでこれを治めた。
事が事だけにスタンドに対し迷惑料を払う必要がなかっただけましかもしれないが・・・ともかく 人付き合いが悪く何事も長続きしないという悪条件の中でやっと探した職と男を同時に失った。
貯金も消え旦那の保険も消えた。
この保険というのは久美が奨め掛けさせた明治生命の高額保険である。
確かに中途解約すれば幾ばくかの返金はあるものの、旦那の年齢を考えれば同じ条件の保険に入るとなると支払いは極端に増える。
それは桂子たちの収入をはるかに超えるもの、糖尿を患う旦那にはしかし、将来を考えた場合なくてはならない保険だったのだ。
桂子には付き合う前以上に孤独と挫折感が加わり、自宅にいると昼間でもついビールに手が伸び、とても主婦業とか子育てどころではなかった。
飲んだ勢いで携帯(ガラケー)で手当たり次第に出逢い系に登録しまくり返事を待ったと久美に告白した。
桂子は妙なところが几帳面と言おうか真面目と言おうか、登録の際 自撮り画像を、それがどんな風に映ってるものでも添付し送付してしまう。
綺麗ならばどうしてもお世話になりたい男は我慢の限界を超えているのであれば逢いにくるから、目的を果たさずして逃げられることはなかっただろうに、どちらかというとポチャ系で化粧が下手なため、男からの連絡数に限りがある。
たまたま連絡してきたとしてもメールを打ち慣れていないため文が下手で誘いきれない。
ついベル番を伝え直接連絡となってしまう、が、さらに悪いことに声質は体格 (身長165cm 体重75Kgぐらい) に似て野太い これで大半は男と間違われ却下となる。
これでおわかりのように、彼女が出逢い系で一時のアバンチュールを楽しむ相手とは「誰でもいいから今すぐ入れたい」男だけとなるので、もうなんといおうか・・・出逢って顔を見た瞬間相手は自分のことを棚に上げ引き、二度と連絡しては来ないようなことが何度も続いたという。
スタンドの同僚のように既成事実を作り逃げられないように仕向けることすら出来ないで焦りだけが増していって、その都度愚痴を聞きに久美が呼び出されていたのである。
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