したくてたまらない夜が来る 貸し出し

古の昔、その喫茶が華々しく開店したころ文化を求め通い詰めていた若夫婦がいた。 見た目普通の町家だったが、引き戸を開けるとコーヒーの香りが漂ってくる。 元々の造りが造りだっただけに中はウエスタン調の飾りが施されていた。 わけても珍しかったのはカードゲームでコントラクト・ブリッジというとても頭を使うゲームを店長を囲んで顧客が繰り広げていた。 それにのめり込んだのが件の若い夫で見る見る間に負けが込み、とうとう妻をして大勝ちした顧客の質草に使ってしまったのだ。

その賭場で大勝ちした地区の有力者は裏の小部屋を利用し、夫の目の前で妻を寝取って絡まり合うアソコのグアイを魅せつけた。
最初こそ嫌がって夫に助けを求めていた妻も、脇で夫が寝取られに興奮し助けるのも忘れ〼を書いてくれているのを見て、ついに観念し情と突き抜けるような気持ち良さに負け抜き差しならぬ状態に陥りながらも振り払うことができずOKを出し他人棒の胤を奥深く迎え入れてしまう。
妻が孕ませられたことを知った夫は借金をひとりで背負って失意のうちにいづこともなく消えた。
夫に去られ、寂しさのあまり妻は方々歩き周るようになり、やがてそれが好色な男たちの目に留まり慰み者になっていったのである。
むろん、手を 否、足を伸ばしてくるのは金持ちの老齢の男たちと決まっていたが・・・ 妻こそ渾身の力を出し切り抱こうとするこの老艇の男たちに久しくご無沙汰だったからこそ夢中になったのである。
したくてたまらない夜が来る女たちにとってワレメ貸し出しは必要不可欠だったのだ。
そんな女を見つけ出し、男の世話をしてやり、時に自分で満足し惚れてくれるまで遣ってあげる。
逸物がいつの間にか強く逞しくなり、女たちの扱きに耐えれるようになったのもそのためだった。
オーナークラスになると亀頭の先で胤がついてしまうような危険な状態にあるか、ナマ中で大丈夫かを計ることができるという。
ワレメの中がとろけるように柔らかくなって引っ張り込むような動きを魅せるようなら危険信号とみてよい。
地区は過疎故狭い、どこのなんという女がそんな発情状態になって困り果てているかをオーナーは知り尽くしていたのだ。
そんな状態にある時こそ怒り狂った逸物を心行くまで口に含ませ、或いは触らせ惑乱させてやってから改めてワレメを征服してやるのだ。
中に出したくて胃がせり上がるが耐えなければ堕とせない。
女の方が飽いて放してくれるまで挿し込み続けなければ他の男に走られ後々悔やむことになる。
親子ほど年の違う嫁さんを貰うと早死にするとよく言われる。
それだけ歳の離れた女を娶ると奪われないよう、逃げないよう嫁さんに対し昼夜を問わず一生懸命尽くすということのようだが・・・
傍目から見てもオーナーと桂子はまさにそんなカップルだったのだ。
本来己が望んで普通の喫茶を業界の手を借りて賭博場に仕立てた。
それを、少々小銭が貯まったからといい気になって若い女を引き込み、お客様の前で平気で乳繰り合ったのである。
ここまで育て上げてやったのにと、顧客はもちろんだが業界の賭博に手を染める下っ端は良い気がしなかった。
加えて地区を上げ業界締め出しにかかっていて、その矛先が実行犯である下っ端に向けられていたのである。
下っ端としては逃げおうせ、当分の間凌ぐためまとまった金が欲しかった。
なのに上納金を利率どおり納めない輩がいる。 ならば己の力でせしめるほかなかったのである。
業界上層部が絡むゲーム賭博ならでは、しかも業界自ら乗り出し台の調整にかかっている。
この期に及んで勘違いも甚だしいが、オーナーは桂子に危害が及ばないよう懸命に調整に手を貸したものだ。
それゆえトラブルがあったその日の夜は桂子を業界に晒さないよう追い返していた。
「わかってた、そんなこと」
抱いてくれなかったことに腹を立て、しどろもどろと言い訳を繰り返すオーナーに桂子はつっけんどんに言い放ってしまった。
「そうか・・・悪かったよ桂子ちゃん。 埋め合わせはちゃんとする」
大の男が小娘に素直に謝ってくれ、桂子は返す言葉に窮し、背中に抱きついて泣き出してしまった。
こんな時間と言えばこんな時間、開店前の下ごしらえでてんてこ舞いの時間に、よりによってキッチンで・・・。
が、そこは年配者 気持ちをすぐに切り替え 桂子をなだめつつ桂子の歩調に合わせ、何事も無かったかのように支度に取り掛かってくれていた。
いよいよ開店の時間、桂子が表のドアを開けると昨日までの雰囲気とは一変するような空気が表に漂っている風に、桂子には思えてならなかった。
建物の角々に誰かがいて、こちらをジーッと見ている風に思えたのである。
桂子の寝姿を覗き見て〼書いてくれてたオーナーのような視線と違って、やたら鋭い刃を突きつけられているよな感覚がだ。
いくら鈍くても、桂子にもそれが誰なのか分かったような気がしたが・・・。
上納金が大きければ大きいほど、業界は至れり尽くせりでバックアップをしてくれるが、一旦上納金が減ったり、滞ったりしたときの、その後の取り立ては厳しかった。
仲間と、己らに飯を食わせ小遣いを与えてくれる兄貴分と思わなくなったのだ。
何かあったとき、業界はすぐに駆けつけ対処にあたる。
そこまでは良いとして、その直後から草鞋を履かないか見張りが四六時中つく、風体の怪しげな人物がうろつく、それは客足にも影響する。
ゲーム機に向かい数万賭けると癖が読み取れる、セットが変わり業界がうろつく、客が恐れをなして来なくなるのだ。
それでも上納金を減らしてくれるなどということは、仲間ではないと見たら決してない。
借金してでも納めなければ、厳しい取り立てにあう。
オーナーも必死に上客にツナギを取り、なんとか呼び寄せはしたが、いかんせんセットが替えられたゲーム機では客は金をほとんど落とさなかった。
元のパチンコ屋に走ってしまうのである。
上納金の差額は借金として残った。
これまで、なぜ小さな扉の奥に同じようなゲーム機が並んでいるか桂子にはわからなかったし、その場所に客の姿を見たこともなかったが、ここに来てその理由がわかった。 そこに夕刻、表看板を下ろして小一時間、目つきの鋭い客が入ったのだ。
それも、見も知らぬ客ばかり入った。
喫茶の注文など一切取らないで、ひたすらゲームに熱中する連中。
後で知ったことだが、遠く離れた場所に住む博打が三度の飯より好きな金持ち相手の表とはレートの桁が違う賭博が興行されていたのだ。
ゲームが引けるのは明け方近く、オーナーは軽い仮眠をとって昼の開店に備える日々が続いた。
それでも稼ぎはトントンだったという。 サラ金への借金は日ごとに増していき苦境に立たされた。
常人ならここで担保不要の裏のサラ金に手を出すが、業界人とわかると貸す業者はいない。
ある日、疲れ果て 昼寝のつもりで・・・と思うが オーナーは珍しく部屋に入って横になった。 気を張って生きてきた精神が崩壊したからだった。
桂子も心配でオーナーの脇に付き添って面倒を見ていた。
その時に、確かに鍵を掛けたはずのくぐり戸が開き、男が独り入ってきた。
オーナーは横になっていた畳の上から跳ね起き、脇のソファーのある場所に青ざめた顔をして下がった。
何が起こったのか、一瞬桂子にはわからなかった。 ただ事ではないということだけはオーナーの豹変した様子で分かった。
おずおずと、部屋を出て行こうとした桂子の手首が、その男に摑まり強引に引き戻された。
オーナに向かい目顔で威嚇する男。 コクリと小さく頷くオーナー。 蛇に睨まれたネズミの如くの有様だった。
そうしておいて、桂子を布団に投げ出し、男が覆いかぶさってきた。
オーナーに助けを求めたが、下を向いているだけで来てはくれない。 だが頷く視線の先が桂子と男の下腹部に熱く注がれていた。
それでわかった。
男はオーナーの女を寝取ろうとしていて、桂子はこの男に借金のかたに売られていたのだ。
この世界で言う体の良い貸し出しだとわかった。
オーナーやスタンドの彼との情事の時と違い、男は優しさなど微塵も示さず強引に割入って来た。
衣服は引き裂かれパンティーを毟り取られ丸裸に近い格好にさせられ恥じ入ると、オーナーのようにアソコではなく目をまっすぐ睨み返してきた。
射竦ませておいて己を衣服を脱ぎにかかった。
剥き身を取り出すと桂子に含めと目顔で指示する男。
ご奉仕を始めるが、怯えているせいか上手く舌を這わせることができず挿入可能なほどに雄々しくなってくれない。
すると男はやにわにポケットの中から何かを取り出し口に入れた。
ものの数分後、雄々しさを増してくれた怒張に安心しきり口の中でヌコウとし遮られてしまう。
口から引き抜かれた怒張は青筋がくっきりと浮き上がり、尋常ではないグロテスクな形と化していたのだ。
まるで男の怒りをそのまま体現したような亀頭が今度は桂子の目を睨みつけている。
その気になってのしかかる男の力にかなうはずもないと感じ、桂子は言われるままに先に服を剥ぎ取られず残っていたミニなどを全て脱いで男に魅せた。
だが所詮恐怖で怯えている女に愛液など出るはずもなく、男は指に唾をつけ桂子の膣口を荒々しく濡らすと無理やりあのグロテスクな形と化していた逸物をアソコにめり込ませてきた。
薬物を使って怒張させたそれを挿し込まれ激しく結合され、頂点に向かって躍動する牡と牝の痴態を食い入るように見つめるオーナーの目が嫉妬で充・・・ 〼書きが始まっていた。
いつかどこかで見た、映画にでも登場するようなシーンが実際に自分の躰を使って行われている。
長い長い時間、桂子は甚振り続けられたように感じたが、終わって男が離れて掛け時計を見るとほんの30分ほどの出来事だったのだとわかった。
恋するオーナーではない男の侵入を、それを観て〼を書こうとするかつての恋人を無視をするよう装うとしたにもかかわらず桂子の秘部の奥底では勝手に女が蠢いて男を扱きあげヒトトキ喜ばせていた。
だが、男とは悲しいもので表面上何も反応しない桂子に途中で萎えが始まり萎んだモノを咥えたままでいてくれているのに勝手に降りてしまったってるくせに吐き捨てるようにオーナーに「この淫売が!」 と毒づき去っていった。
桂子は乱れてしまった布団も、膣の中から激しい交合で血液交じりの白濁液が漏れ出て汚れたシーツも片付けようともせず自分の服をもってくぐり戸を抜け、店側からトイレに飛び込んで、そこで服を着て、そのまま振り返ることなく帰った。
幸いにも、中に出された様子はなかったことが不幸中の幸いだったが無理強いされたためか出血が止まらず腰に鈍痛が走った。
桂子は、怯えと屈辱で玄関に鍵を掛け音も立てず夜を、夫が帰って来てくれるのを待った。
だが、このようにして潜んでいた翌日の昼前に、業界からの電話で店に呼び出された。
逃げるわけにはいかなかった。 呼び出されて開口一番、こちらの要求通り客をとれと言われた。
それもまた、オーナーの観ている前で客と寝るように言われたのだ。
夜は違法賭博場、昼間は寝取られ・覗き見を意識しつつ女をひさぐ宿と変わった。
そんなことが何日も続いた。
昼間の店にはむろんゲームをしに来る客はいなくなり、ゲーム機も子供のおもちゃのようなものに入れ替わったが、恐れをなし客足は遠のいたのか無人状態だった。
桂子は昼間だけ呼び出されるので深くは知らない、呼び出された時の雰囲気から夜の賭場だけが開いていたように思われた。
桂子の精神はズタズタだったが、不思議と男たちとの絡みが始まってしまうと、そこは男と女、慣れもあり熟し切った躰は素直に反応し始め、それがまた顧客を夢中にさせた。
昼休みのひと時(表面上は表看板を掲げているように見せかけ)、桂子を抱こうとする客は最初に比べ増え、要求はどんどんエスカレートしていった。
オーナーに近寄って観てろと言い、枕元から愛撫をしろとまで言って桂子を嬲らせ負け犬になる様子を見て逆に己はいきり勃たせ、桂子が助けを求める仕草を魅せるも恐ろしさに怯えるだけで、だから桂子は不貞を強いられる興奮からか窮状を口走るつもりが喘ぎに代わり、それが男たちの逸物を更に雄々しくさせ、そうなると診に集まる連中もいて図に乗り完全に逝くまで責めるようになっていった。
交尾中の牡牝の眼前に生贄として晒されたオーナーのソレは体内に埋まってしまったかと思えるほどに萎え、男らしさは失われていったのである。
〼を書く力さえ無くした男、桂子の中に、もうオーナーは大好きな男でも憧れた男でもなくなるのがわかった。
諦めた途端、獣になれ、のしかかる男と快楽を かつての恋しい男の前で裏切る歓びを、かつて夫を裏切った時のように不倫の快楽を貪るようになっていった。
こうなって初めて、桂子は貸し出される意味を、その喜悦・快楽を躰の芯から知ったし女の内部が男を嬲る、亀頭冠を肉球で摘まむ動きまでできるように変わっていくようにも感じた。
「ふん、自分の親のような男にコレを使わせるとはな!」 「いい加減な事言わないで! ウチに父親なんて・・・」 こう言い返そうとするのを制し「ホレッ、あいつのダチがお前を孕ませた胤の主だよ」 のしかかっていた男が憎々しげに言い放つのを聞いて、桂子は初めてオーナーの本当の歳を知った。
部屋の片隅に博打で家も土地も奪われ放心状態になった老人がボンヤリ焦点の定まらぬ目を床に投げかけへたり込んでいたのである。
この男も覗き見が趣味なのかと嘲りをもって見たものが、そういわれて変わった。 父親が出ていかねばならなくなった理由が業界の仕打ちにあったと悟った。
オーナーも母を狂わせたひとりだったのだ。 堪えがたい仕打ちを受けたことで、やっと女が開花したように思えた。
そうしたある日、アルバイトだから仕方ないと いつもの時間に出勤してみたが、店の扉は開け放たれたまま中は無人になっていて、賭博機も壊され店内も破壊されて廃屋のようになっていた。
数日後、風の便りにオーナーはなきものにされたと伝え聞いた。
あっけない幕切れだった。
後日談:見張っていたのは業界・官憲の双方で、女の売り買い・裏賭博・・・
先にそれに感ずいた業界が手を打ったことがわかった。
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