リスカの少女 肌と肌を触れ合わせ、しばらくすると安心したのか眠りについた

純一が二泊三日の出張から帰ってきてもリスカの少女は姿を現さなかった。
あの時話してくれたことが本当だとすれば、男と出会って欲望のはけ口として虐待されつつ嬲られてた筈だ。
終わればいつものように捨てられ行き場が無くなり当然帰って来て、もうとっくに部屋に入って休んでいる頃だろうと急いで帰宅したが予想はものの見事に外れた。
何度か部屋に招き入れた隣街の典子の元に通いつめ、苦労の甲斐あって出会うことが出来再びこの腕で抱けたが 直後に家族に怪しまれ会うのを拒まれるようになり、リスカの少女からも典子のことは釘を刺されていたから次第に足は遠のいており ことのほか暇だった。
暇を持て余すと男という輩はろくなことやらない。
気晴らしにパチンコに出かけ散々すられて帰って来た。
気が付けばまた典子のことを、あれほど来るなと言われたのに逢いたくて考えていた。
職場は女性中心の世界、好意的なある種意味深な言葉で声をかけてくれる女性も確かにいるにはいる。なのに頭の中は典子で占領されていた。
それらを「汚らしい女」とリスカの少女に散々なじられていた。
よくよく考えてみれば職場の女性にも、そして典子にも、いつも何がしかの品物を買って渡していた。
だがリスカの少女は部屋に置かれているものは勝手に食べたり飲んだりするものの
頼みもしないのに何かを買って持ち込んでくるのはいつも彼女の方だった。
「男のヒトって着た切り雀じゃん。女なら気づいて何か代わりを出してあげるのが普通」
着替えを手伝ってあげるのが普通
そういう言い回しをし、素敵な服を買ってきてくれたのもリスカの少女だった。
自分の都合だけで朝っぱらから土足で人の部屋に入り込んできたくせに、慣れてくると何事につけ説教じみた口をきいたリスカの少女。
とりわけ典子の話になると口のきき方に 険があった。
「男が欲しい人妻さんでしょ? 上手にいろんなものせしめていくなんて汚いよ。 病気もらわなかった?」
言い終わるや否や固定電話の受話器を外し操作していたかと思った瞬間、大切に保存していた典子からの留守電を消した。
「もしもし、典子です。とりあえず電話してみました」 それが消えた。
「毎日何やってるか知ってたよ。 こんな欲求不満の女に引っかかるなんて!!」
そういえば掛布団や敷布団のシーツが新しいものと交換してあり、これまで使っていたものは部屋にはない。
「シーツとか・・・」「うん、 正解!」 捨てた。気持ち悪い、あんなんでわたしに寝ろっていうの?と
部屋の主が完全に入れ替わったかのような態度だったが、言われてみればもっともだった。
悶々として眠れない夜など、いつ来たのか寝床に入り込んできて小さな布団で一緒に寝てしまって慌てたこともあった。
そのリスカの少女が消えておよそひと月が過ぎようとしていた・・・。
ひとり暮らしを始めた当初は誰も寄り付かなかった部屋に、いつのころからか頻繁に営業が顔を出すようになった。
保険屋だったり住宅販売だったり、とにかく応対に苦慮した。そんな中営業には見えない変なおばさんが・・・
う~ん、営業と言えば営業だが・・・ 付近を縄張りにしてる人妻デリさんも複数顔を出してきたのには驚いた。
リスカの少女から多少なりとは知識は得ていたが、まさかこんなに多くの女性がウリしながら各所をさ迷い歩いてるとは思わなかった。
知ってたらひょっとして出会い系を使わずデリの女性に処理してもらってたかもしれない。
彼女たちへは気を遣わずして処理を終えてくれる。眠れぬ夜を過ごす必要もなければプレゼントで悩み街を徘徊する必要もない。
そうすれば典子と出会うことも無かっただろうし悩むこともとぼんやり考えた。
玄関のチャイムが鳴り、顔を出すと その女性はいつもの人のような営業トークではなく「一人でお住まいですか?」と、聞いてきた。
ご覧のとおり家具もろくにないから独りでしょうねと応えると「失礼します」というなり入ってきてしまった。
建て前上は一応遠慮がちと言おうか、部屋のあちこちを見廻し 万年床を見て用件を切り出した。
「独りじゃ溜まってません?」ズバリ聞いてきた。
リスカの少女に「病気」について忠告されたばかりだったから体よくお断りした。
お断りしたが、相手も商売だからと思ってお茶となにがしかの包み (リスカの少女から聞いて自分なりに相場と思った額) は差し出した。
「こんなんじゃ・・・申し訳ないけどお得意さんじゃじゃないんだから・・・」
「いや、お近づきのしるしにと思っただけで、別に必要ないですから」
「えっ、 くれるの? 何もしないのに? あんたまさかアチラじゃないよね?」
「警察でもスジでもありません」
「ほらっ、ここからみえるでしょ? あそこが会社です」玄関脇の小窓を開け指さしてみせると
途端に女の態度が変わった。
肩揉みだけでもしましょうかとか、アソコ使わないで口でしましょうかとか・・・。
丁寧にお断りすると「ひょっとして役に立たないの?」と
仕方ないから好きな女性がいて、必要だったら彼女とそうなりたいと
名前はさすがに口にしなかったが典子のことをポツリポツリと話した。
相手はどう想ってるか知らないが、こちらは真剣であることも話した。
「そう、そんな女性が好きなんだ。じゃあ私じゃダメね」
その日以来、商売が終わって休みたくなったり
商売敵に先を越されあぶれた時などにちょくちょく顔をだし、休んでは愚痴や商売の辛さを口にした。
商売を始めたころは思ってもみなかったシェアが、考えられないほど狭いこと。
地のスジになにがしかの渡りをつけないで商売してると、次第に縄張りから追い出されることなどなど。
商売を始めたきっかけが夜の生活に不満が募り、友達に相談したら 同じことをやったら?と言われ、知り合いの男を紹介され それに夢中になってるうちに次々と男を変えるようになっていって、いつしか安く売ってしまっていたと身の上話しをしてくれた。
安くしてあげるためホテルは使わず公園や路地裏でちょこちょこっと済ますから身体も危なければ病気ももらいやすいとも話してくれた。
デリの女性が来る時刻は大体決まっていて、夕刻の 一般家庭では夕食が終わるか終らないかの時間帯で その時刻が一番男が欲しがる時間帯だから出向くとも。
こちらも旦那の食事や晩酌の用意などを済ませ自宅を開けやすいから隙をついて出てくるんだと言った。
だから夕方遅くに玄関チャイムが鳴ると大半が彼女だとわかって、それが日課みたいになっていったある日の朝、突然玄関が何の前触れもなく空き、人が入ってきた。
リスカの少女だった。
「くっさいなー 誰? この安物香水の女」
開口一番がこれだった。
ひとが寝てるというのに部屋の窓を次々と明け放ちわざとらしく風を通す。
通し終わったかと思ったらシャワーが始まった。懸命に洗い流していた。それが長いこと長いこと・・・。
たまたま休みの日だったからよかったものの、次にシャワーを使おうと思っても気が削げるほど延々洗い流し続けてた。
仕方なく、何もすることもないから寝床に戻って横になっているとシャワーを終え濡れた髪のまま寝床に潜り込んできた。
こちらはパジャマで少女は裸身のまま、シャワーが長かった理由がそれでわかった。
風を通してたのは何もデリのオーデコロンの香りを飛ばすためではなかった。
リスカの少女が着ていた服や体から妙な臭いがするからだ。
彼女には内緒にしていたが典子が来てくれた時の着替えに使ったバスローブを汚れた衣服の代わりに着せ
汚れた衣服は下着も含め自分のと一緒に洗濯しベランダに干しておいた。
何人も何人も男たちは裸の上を通り過ぎていったのだろう、終わると処理もしてもらえず決まって捨てられていたようだった。
ごみのように扱われ、寝かせてももらえず、疲れ切ってこの部屋に帰ってきたんだとわかった。
その日は夕方まで部屋で一緒に居てやり、とにかく布団の中で過ごさせてやった。
女の子が落ち着きたいと言ってパジャマも下着も全て脱がされた。 不器用な、それが少女のしたいとの意思表示だと気が付いた。
典子のこともあり、せめてもと肌と肌を触れ合わせてやった、横抱きに抱きかかえるようにしてやる。しばらくすると安心したのかリスカの少女は眠りについた。
その日は買い貯めてた惣菜などで間に合わせ、翌日は買い出しに近所のスーパーに一緒に出かけカセットコンロを使って食事を作ってふたりで囲んだ。
ままごとみたいな食事つくりをしたり食材の買い出しをしたり、それがなぜかとても楽しそうだった。
丸二日間一緒に暮し、月曜日の出勤に合わせ彼女は部屋を出て行った。
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テーマ : NTR 他人棒に欲情する女
ジャンル : アダルト
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はんにゃ川島の意見に
母親は言い訳に「自分は外で一生懸命働いて・・・」と言いました。
それでは誰が窃盗を働く子供の面倒を見てたんですかの質問に「うちの子に限って」と自己防衛に終始し、結局擁護してもらえずその子は引きこもりになり中学以上上に進めませんでした。
生きてるものに、つまり子供に愛情を注げない性格。
真剣になれるのは外で働いている間だけで、もちろん気を遣うのは自宅より職場の上司。
悪いけど現代女性の思考、社会全体像に見る思考は結婚にはまず向かないと思います。
この思考の基本となったのは半実話小説、桂子やリスカの少女の生きざまがあるからです。
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