男への情欲を恋愛ドラマと捉えたかった女性の哀れな末路

夕刻近く、民家の軒先で爆竹を弾いたような音がして、庭で遊んでいたチャボがその音に驚き一斉に飛び立ち、その一羽は納屋の屋根に飛び移った。
それから間もなくしてその民家の周辺はパトカーや救急車に取り囲まれることになる。
その家の主で、出稼ぎから帰ったばかりの亭主が玄関先で何者かに胸を撃たれ絶命しているのを燐家の住民が見つけ警察に通報。
ところが胸を貫通した弾は撃たれた男の家の土間で見つかり、チャカから発射されたものと解ると辺り一帯は殺人事件ということもあり大混乱となった。
殺された男は至近距離から撃たれており、エモノがチャカとなるとヒットマンが来たとしか考えられなかった。
だが、いくら調べてみても男は業界とは無関係の、ごくごく普通の工場の出稼ぎ労働者でしかなかったのである。
彼にはおよそ2年前から3千万程度の保険が掛けられていた。受取人は妻となっていた。
事件がプロのヒットマンによる仕業となれば迷宮入りは目に見えていた。
ところが解決の糸口が見え始めたのである。
こういった事件に関し、まず身内を疑うべしの鉄則がある。保険金の件もあるので警察は彼女を任意で調べた。
調べる限り殺す動機など見当たらなかった。
そこで警察は事故で無くなったことは事実であるとして保険金の一部の支払いを保険会社に依頼した。
もちろん巧妙に罠を仕掛けてである。
保険金を受け取った妻は全額降ろして不貞関係にある男に持っていった。
警察はそこを押さえふたりの関係を洗い始めた。
水商売に手を出していた男が業界に上納金を納めず店の女を売春させていて、見せしめのためヒットマンが送り込まれたとの情報を得た。
さらに調べると男は資金繰りが行き詰まっており、その資金を事件の女が出してやってもいい辺りに言いふらしていたと密告して来るに及び警察は色めきだった。
事件の全容は不倫相手の男がヒットマンに狙われていると知った妻は、それでも男を諦めることが出来なく、業界に向かって夫が手配中の男に容貌がそっくりだとの情報を流し、しかもヒットマンの報酬をも保険金が下りたら全額まとめて支払うとの約束まで交わして狙わせたものだとわかったのだ。
ヒットマンへの報酬は8百万だったとか。それを保険金の一部が下りた瞬間に全額即金で、どんな手段を使ったか知らないが手渡していたらしい。
事件は確かに最初こそ業界が仕切っていたが、いつのまにか女の独断で決行されたものであり、これにより男は当面の間業界から追われることは回避できたのである。
厄介払いついでに女もムショに送り込むことが出来た。
男は流儀として店の女の子のお世話にならないと決めていた。
だが、女の子たちにとって自分たちの身体を使ってくれて済むことならと、むしろ自ら進んで鬻いだ。客を装っての人妻さんたちの淫行は彼女たちにとって許されなかったのである。
このように不倫にロマンチックさを求める女性たちが飲食業を生業にする男の周りには常に複数付きまとっていた。
一見しただけでイケメンを選んだと分かるような男性を衆目の中で逆ナンし、絶対に身体の関係なしでは済まされないような状況に追い込みながら、その後の展開を恋愛論やドラマ性を求めしつこく迫まったのだ。
その女性たちは男とセックスするたびに様々な技巧を駆使すればよいものをマグロで済ませ、衣服や化粧のみに工夫を凝らし惹き付けようとし、そのあまりのしつこさにフラれ続けた。
男は逆ナンされた当初から彼女たちを快楽を得るための道具としかみていなかったが、彼女たちは人も羨むイケメン相手の恋愛ドラマに酔いしれていた。
新聞を読むことも雑誌の中の政治経済に気を止めることもしない彼女たちは世間についてはとても疎い。
それでいて男女の睦言の会話や女性の魅力のみで男を惹き付けようとしていた。
キワドイ話をちらつかせておきながら局部の名称などが会話に登場すると「キャーッ」と奇声を上げ蔑んだ視線を送る。
時間を持て余すと酒とたばこ、薬に頼りつつもねばり最後は性行為に誘わせた。
それほど心底惚れこんでいるように見えるのに、行為が始まってもマグロを決め込みフェラなどまるで及ばない。
衆目の中から選ばれて性行為を行ってあげているのだから一方的にご奉仕を要求し、その実お返しなどはしてくれなかったという。
つまり恋愛論たる語らいが彼女たちの方法ながら、ともかく単調で、快楽どころかその面倒さに飽きられたようだった。
男性にとってセックスは溜まり過ぎた精液を快楽目的に吐き出すことにある。
彼女たちの場合も男性が渾身の精義を駆使して迫れば熟女だけに終いに逝ってはくれるが、彼女たちはそれに加え将来設計に備え相手を取り込みたいと考えていたようだ。
同僚や男の妻、彼女の旦那が見ているとも限らない同じ町内で真昼間から手を組んでデートをしようとせがんで男を困らせた。
何を隠そう、男も女どもも元はと言えば同じ村落の幼馴染だったからだ。
双方そこに支配欲はあっても男性は快楽を得た瞬間にこのような女には飽き捨てようとするし、女性たちは女性たちで快楽を得たいがため、必ずと言っていいほど身体を許した時以上に後になればなるほど愛情が深みを増す。
飽きた男性は女性たちを粗野に扱う。
愛情が芽生え始めた女性たちはそれに対し何故という疑問に加え不満を抱き始める。
互いに身体を重ねようと思うほど親しかったはずなのに、そこからは憎しみしか生まれなくなる。
そのことに対し彼女たちはところかまわず荒れ狂い、衆目の中で相手を罵倒し始める。
そうやって幾日か経過するとその女性たちは当てつけのように、これまた衆目の中でめぼしい男に声をかける。
だが、存外男とは気が弱い。
一時目をつむれば溜まった精液を女性たちの胎内に吐き出すことが出来るとわかっていても手を下せないときがある。
そんな一般常識も知らず、手当たり次第に男に声をかけ、挙句罵られるようになる。
夫婦生活がマンネリ化し、
ほとんどレスに近い状態が続いたことが発端だったろうが、彼女たちの恋愛論は常軌を逸しているものがあった。
荒みは彼女たちの性欲が沸き起こる原点となった媒体に戻る。
韓流ドラマをしつこく見た末に妄想を掻き立てるべく裏の世界、つまり出逢い系に進んだのである。
当然男どもは彼女たちに向かって何がしかの媒体を送ってよこす。
すると彼女の中の男と絡み合いたい気持ち、性欲が抑えきれなくなり、
テレビドラマの中のヒロインのような、或いはもっと毒々しいものなのか愛を求めて男を漁るようになる。
彼女たちからすればこれも純粋な恋愛らしいが、自慰などでは治まりきらない状態になるらしい。
深夜になっても気持ちが収まらず眠れない状態が延々と続くらしい。
相当キツイいアンミン
お酒にたばこが手放せない彼女は自宅でも泥酔するというのがいつもの手段で、それでも気持ちが治まらなくなると家事・育児をほったらかして飲みに出かけた。
その出かけた先で手当たり次第に男を、例えばカラオケのデュエット 或いはダンスに誘い、
店の中で極限までお触りなどを許し、男がその先まで求めてくれたらそのまま連れ添って店を出て最後まで・・・がパターンだった。
店側は彼女を蛇蝎の如く嫌った。
先の先を臭わせての体の良い客引きだからだ。
あにはからんや、家庭崩壊が始まったのはご主人が部下に手を出したらしいことが噂になったからだという。
ご主人からすれば家事もできなければ子育てもできない、おまけに四六時中よその男の尻を追いかけまわす女房などただの金食い虫と考えたのだろう。
実際には始まる直前だったのだが・・・
家族に知られようと一向に素行が治まらなかった彼女が自分のやらかしていることは棚に上げ亭主の浮気に嫉妬したのである。
亭主が飲みに出かけると、間髪を入れず後を追いかけ入店し、客の前で旦那と同席の女にビンタを飛ばしたという。
仕事関係の打ち上げと言おうか憂さ晴らしで集まっていた同じ仕事関係の女性をである。
部下の女性宅に怒鳴り込んだことですったもんだの大騒ぎが始まり、従業員が挙って逃げてしまったこともあってあっさり離婚を言い渡され家を追い出されたのだ。
こうなると例の飲食業を経営する男の元へはツルが無いから出入りできない。
つまりフラれたのである。
男性が独り身になると「蛆が湧く」と揶揄され、
女性が独り身になると、あっという間に複数の男が群がるものだが、
彼女にはついぞ男が寄り付かなくなった。
女の周囲から男が消えると、まるで全精力を使い果たしたかのように老けていった。
彼女は今、病院に通い心の病と闘いつつ 田舎で孤独に耐え暮らしている。
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