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爺様と和子 山野の解放感

美紀を探し当てようにも葛城正一の持ってる知識と言えばエロ事ぐらいしかない。
美紀が自分と同じ感覚でその場所を目指すかと問われたら、身体を重ねたもの同士にしかわからないと応えるしかなかった。

そう、葛城正一は あの足立寛治が引き起こした部落衆の妻への足入れ事件を発端にし書かれた記事を読んで、これに傾倒し風習の卑猥さに人妻にハメたくて身を揉んだ記憶があるからだった。
夫が引き起こす数々の不倫に嫉妬し、悶え苦しんだ過去がある女なら、あの廃村に自然と惹き寄せられるかもしれないと、一度は身体を重ねた女だけに確信はなくともそう感じた。

自然と葛城正一は、渾身の想いで割入った美紀の体内に溢れる、賢婦人とは到底思えない淫靡な臭いを嗅ぎつけていたのである。

そうは言ってみても、記事によれば何分にも獣道のような藪の中を分け入って、遮二無二進まなければ廃村には辿りつけず、下手すれば道に迷って二度と再び里には帰ってこれないようなことが書かれていたようにも読み取れた。
下手に覚悟を決めるより、入り口に近い村で確実な情報を仕入れなければ死にに行くようなもので淫靡目的に入って行く意味すらない。

和子と正一は付近の村につくと、手分けして情報を聞きまわった。
手分けと言っても和子はどちらかと言えば方向音痴で、今いるこの場所がどれぐらい田舎なのかすらわからないでいる。
役に立つと言えば相手が女なら油断して話してくれるかもしれないということぐらいだ。
だから葛城正一の目の届く範囲内を、当初は和子に聞きに回らせた。

田舎の人間というのは外部の人間に対する警戒心はめっぽう根強い。
葛城正一はともかく、ぶっきらぼうな言葉で聞きまわる和子には、こと相手が男ではなくオンナであった場合老婦人などは警戒心を募らせた。
これを按じた葛城正一は、和子には比較的警戒心を持たれない爺様に向かって聴いて来いと教えてやった。

これは見事に当たった。
身体の線がクッキリと浮き上がるスウェット風の服に身を包んで、甘い香りを漂わす女のつっけんどんな問いかけに逆に興味を抱くらしく、和子に向かっては何でもかんでも 時に必要ないことまでも話してくれた。都会では敬遠されがちな彼女がモテたのである。
和子は有頂天になって、方々走り回りながら聞きまわり始めた。

葛城正一が気が付いた時には、もう和子の姿はどこにも見えなくなっていた。
和子は正一に教えられた聞き取り方法を逸脱した言葉で美紀を探し始めていた。
「ウチぐらいの女の子がここいらを通らへんかった?」

美紀の写真を見せながらも、彼女の身体つきや衣服の特徴などを告げることをすっかり忘れ、自分を売り込むことに夢中になり、時には世間話に講じたりしながら聞きまわっていたのである。
相手に取り入ろうと都会でいうところのチラリと魅せる仕草も自然と出てしまっていた。
聞き入る村人の、殊に古女房に辟易し始めていた男どもの目つきがそれで変わった。

親切丁寧なんてもんじゃなかった。
まさに手取り足取りの域だった。和子は気をよくした。「こんなん熱い視線を浴びたん、久しぶりやし...」
喜んだのはむしろ忙しい仕事の合間とはいえ、情報を聞かれた爺様の方だった。

ある爺様など和子の手を取ると、廃村に通じる道順を教えてやると、草刈り作業中のあぜ道から獣道へと誘い込んだのだ。
険しい斜面を、慣れない足取りの和子の手を引き登って行き、村が見下ろせる高台まで来ると和子を引き寄せ耳元にささやきかけるように眼下を指さし案内をし始めた。
武骨だが、農作業で鍛えた逞しい腕がガッチリと和子の脇腹を抱え込んで感触を確かめはじめてくれていた。

登山とはこれほどまでに気持ちの良いものだとは知らなかった。
清涼感に満ち、眼前に広がる大自然は何物にも代えがたい。
登り始めこそ藪また藪の連続で顔には蜘蛛の巣がかかり、クマザサで露出した皮膚は傷つくわで金輪際山登りなどと思ったものだが、爺様の助けを借り登り切ってみるとその爽快感に我を忘れた。

眼下の村落を見るにつけ、まるで天下を我が物にしたような気分にさせられたのだ。

葛城正一から廃村に向かうには獣道を辿らなければと聞かされていた和子は爺様の説明を、最初はひとつも帰庫漏らすまいと真剣に聞き入った。
熱気を帯びた話し方は美紀を探す和子のためを思って語られているものとばかり思っていたが、話が二転三転し始め、汗が引き始めるとやがてなにやら尻のあたりを固いもので突かれているような気がして我に返った。獣道を歩いているうちに衣服の隙間になにやら得体のしれない者が潜り込んで来た風に思えたからだ。恐ろしく真正面から見ることはできなかったが和子は蠢くものをその手で押さえ込んで悲鳴を上げる寸前・・
爺様の腰に回していたはずの手が、その時既に腹部を捉え掻き回し始めてくれていて、その節くれだった指先がご無沙汰の陰毛を探し当て、更に先に進もうともがいているところで、尻にはすっかり怒張させてしまった鍛え上げられ黒光りする亀頭がだらしなく開け放たれていたジッパーの奥深くから顔をのぞかせ探し当てた場所に許可さえ得られたら割り込まんと擦り付けられていたのである。

安心する反面、困惑した。
爺様が誰も来るはずのない尾根に誘い込んだ、その理由がやっとわかったからだ。
和子だって未通ではない。誰に見られているわけでもない。重大な危害を加えるのでもなければ目的は半ば果たせたわけだからこの期に及んでたかだか爺様と鼻先で笑って成すがままにさせた。

睦言の定石通り尻に触れている怒張を払いのけようと手を伸ばし、上から押さえ込むように押し付けを制した和子であったが、亀頭が触れた場所を確認しようと頭を傾げ無防備になった首筋に案の定爺様の唇が這った。
爺様の顔から、生臭い息から逃れようともがくうちに爺様の手は易々と空き家にし戸締りを怠った陰核の近くまで達してしまっていた。生理時が発情期と重なることもあって葛城正一をしてご無沙汰を埋めてもらおうとまで考えていたほど飢えていた和子である。所作は拒否しても肝心な場所は主の意に反し合意の証を示しつつあった。
農作業で鍛え上げた爺様に、都会育ちの和子の抵抗が通じるはずもない。野良の解放感が和子を奔放にさせた。過去経験した男どもと一味違う爺様のソレに興味を抱いた発情が応じてしまったからだ。

なにしろこれまでの男どものように和子主体でコトが進んでいるわけではない。
すべからく山野の情交を心得た爺様の手技で進められていて、全てにおいて獣めいていながら神々しいのである。

集落では葛城正一が和子の行方を必死に探し回る。その村落を見下ろす山の尾根で和子は爺様の亀頭をワレメで受けとめ気持ち良さに正一の存在を忘れ屈し始めていた。
「・・美紀が悪いんだ。雲隠れしたりするから・・」
爺様から逃れなければと、腰を振って挿し込まれたものを払いのけようとすればするほど、この機会を逃すまいとする爺様の手は和子の尻を、脇腹をガッチリと捉え、なお深く割入って掻き回しにかかり和子の正一という男への恋慕を忘れさせようと踏ん張った。

過去に横恋慕の興奮交じりで逝かされた正一の時でさえ15分足らずの行為だったものが、爺様は始まってもうその倍以上の時間を萎えることなく体内に留まりあらゆる技巧を駆使し、何が何でも和子の方から男根を求めるべく膣が自発的に蠢く疼きというものを誘ってくる。
和子の中に次第に爺の肉体、すなわち朽ちかけた肉という感情が失せはじめていた。
なにがなんでも女を堕とすという意気込みに加えその膂力と情熱は男女の情交ならではのものであってとても朽ちかけたなどと表現できるものではなかった。

女は悲しいと、これほど思ったことは和子には過去なかった。
どんなに美しいなどと誉めそやされても、所詮男の力に女如きが叶う筈もない。性器自体そのような構造に最初からなっている。
挿し込まれて30分も過ぎたあたりから、どんなに拒否しようとしても和子の膣の内壁が腫れ上がり始め意思に反して爺様の亀頭冠をヒクヒクと弄り始めたのである。
それはもう最高の子孫を残すべく牝の本能だった。

気が行かない間の始まってしまっていた行為だったが、それと知った時には既に臀部や腹部が怒張の熱を伝えられたことで熱くなりはじめてしまっていた。それでもまだ女の方が優位に思えた。懇願は爺様の方が勝っていたからだ。それを逆転させたのが百姓で鍛え上げられた爺様の足腰だった。メリメリと音を立てて割り込まれ、奥深くにガッチリと鎌首を食い込ませ懇願して来る。当然拒否した。
ところが膣による亀頭冠の嬲りが始まると爺様の方が苦悶し始めたのだ。それを見て逆に和子の全身が怒張以上に燃えて熱くなり始め、男を責め殺すべく蠢かしてしまい ただでさえ腫れ上がって抜けにくくなった亀頭冠を更に逞しくさせてしまっていたのである。

女とは殊の外便利にできている。
「あああ・・・あん、あん。もうゆるして・・」

大自然に囲まれ、和子はあらんかぎりの声を張り上げて悶え苦しんだ。
「こうしてほしかったんか? 嫌らしい姿を男に見せたかったんか?」
「お願いだから、絶対一緒に来た彼にこのことを言わないでね・・・ んんん、もっと・・」

和子の振り絞るような喘ぎ声が林間にこだましたからだろうか、四周がこれに呼応するようにざわめき立ち、やがて山の裾野から誰かが呼びかけながら登ってくる声が聞こえた。
爺様は人の気配を感じると、慌てて棹を和子のワレメから引き抜きズボンの中に仕舞った。
脱がせた和子のパンティーを懸命に引き上げ、精も根も尽き果て茫然自失の尻を隠し、持ってきた笠で扇ぎ立てて淫靡な臭いを消しにかかった。

間一髪だった。
葛城正一を伴った村人数人が山を登って来たのである。
呆然自失で地面に座り込む和子を背で庇うようにしながら、爺様は村人たちに向かってこう言った。

「廃村に向かう道を教えてやろうと、ここまで案内してきたんじゃが、ご覧のとおり疲れて動けなくなって困ってたんじゃ」
動けなくなったオナゴを担いでようやく尾根まで辿り着いた風に説明した。
動けなくなったことは確かだった。
だがそれは山を登らされたからではなく、野良で鍛え上げた爺様の力任せの責めに、悲しいかな所詮街の女 すべての体力を奪われたからだった。

「この有様じゃ とても今日は先に進めん。どうじゃな?今夜は村に引き返し家に泊まって、明日になったら案内してやるから。なっ、そうしなさい」
爺様の言われる通りだった。
爺様をはじめ村人の面々が和子のためならと一緒に廃村まで来てくれるという。それなら、それに越したことはない。

正一は和子の目を見て安心し、ふとまだ見ぬ美紀のことを想った。
爺様をはじめ村の男どもがひとりの女のため農作業を止め気色ばんで総出で捜索に当たってくれている。
過疎地に来て初めて、女の存在のいかに大切かを思い知らされたからだ。

和子はこの尾根に登って来たときと違い、葛城正一に手を引かれ山を下り、一夜の宿を貸してくれる爺様の家に向かった。

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