知佳の美貌録「女に疎い支配人の送迎」嫉妬心が渦巻いて

そんなホテルでも倒産させるための書類整理は山ほどあった。
アルバイトの身でありながら
連日泊まり込みで書類整理に明け暮れた。
極秘書類を扱うからには一般事務職が使う部屋では支障をきたす。
そこでホテルでは久美だけ特別な部屋に通された。

最初の経営者である豪農、次に経営者となった会社ディーラー
芸者に入れあげた借金やら羽振りをよくするために作ったとみられる会社の裏帳簿やらの整理に明け暮れた。
債権者のためというのは名目で、実際には銀行と町の資産のためそれら使途不明金を割り出すことが使命だったのだ。
徹夜で書類整理に当たり
夜が白々と明けるころ、支配人の車で自宅に送り届けてもらうのが日課になっていった。
ホテルの従業員の中にも
あのおばさんのように
このような状態を久美と支配人が良い仲になっていると勘違いするものまで現れたが、
実際には、支配人室の中は
まるでゴミ箱をひっくり返したような紙屑の山ができ、支配人はと言えば取っ掛かりこそ張り切っていたが、程なくして茫然自失状態で久美だけが躍起になって書類を漁った。
まるでゴミの中から彼らの足取りに見合うと思われる必要な領収やレシートを拾い集め仮帳簿に記載し
収支決算を、負債10億円とみて、黒字3億円から逆転させ、それに例によって例の如く適当な領収書を捏造し合わせるという
気の遠くなるような作業が、会計事務所の指示の元、経営者はおろか、ホテルの他の従業員にさえ内情を知られないよう繰り返されていたのである。
能天気な老いぼれの町議会を含めた経営陣対貸し倒れの銀行・弁護士・会計事務所の代理戦争に
久美が駆り出され、支配人室に詰めていたのである。それもこれも生い立ちの卑しさと頭の足りない亭主を支えるために。
名指しされ請け負ったからには借金を重ねるわけにはいかない。設備投資はもとより納品業者の支払いすらも気を使った。
だから学生のアルバイトはもとより、支配人、従業員の給料ですら久美の意のままに操っていたのである。
未だ明けやらぬ高原を下り降りる車のライトの向こうは、一寸先も見えないほどの濃霧に包まれていた。
どこをどのように走り、何処に向かっているのかすらわからないほどに霞んでいた。
疲れと眠気で、意識を失いそうになりながら
「通いなれた道だから」となだめる支配人の運転でともかく車は久美の自宅に向かった。
自宅がやっと見えるほどの場所に来ると、久美は車から降り、車は再び高原に引き返していった。
高原ホテルに勤めるものなら雑用のおばさんはともかく、誰も皆久美がいなければホテルは成り立たないことぐらい知っていた。
支配人はともかく、その他の男どもはソロイモそろって40半ばのうだつの上がらない連中ばかり。
そこに頭のキレる30そこそこの女が出入りすれば心穏やかなあらざるものがある。
深夜帯に支配人室で男と女がふたりっきりで過ごしているとなれば尚更の事。
それなのに支配人は一向に久美に手を伸ばそうとしなかったのである。
泥のように疲れた身体を引きずりながら玄関ドアを開けた、その目の前に、
食べ終わった食器がテーブルや床に転がり
洗濯物が部屋のそこここに山のようになっている。
せめて玄関を入ったところで脱いでくれれば良いものを、寝床の近くに泥にまみれたっぷりと汗を吸い込んだ作業衣が脱ぎ捨てられている。
酒と煙草の臭いのしみついて、未だ煙草の煙が漂っているよう見も見える自宅。まるでドヤのように。
食器や食べ物の汁が床に・・というのは久美の居ぬ間に旦那が食卓の椅子に座らず床に寝っ転がりながら明け方まで酒を呑みおかずを平らげていたからだ。
その証拠に空の食器の中にたばこの吸い殻が山のように入っていた。
疲れた身体に鞭打って
夫や子供たちのため、懸命に掃除や洗濯、食事の用意を始めた。
その脇では、浴びるほど飲んで、明け方になって寝入ったであろう夫が、大鼾をかいて作業服のまま寝床で寝ていた。
最近ではこう言った家庭は珍しくない。
夫婦共働きで、一家の主婦がどんなに休みなく懸命に稼いでも
男という生き物は平然と呑みに出て外食をする。
幼い子供が家に残されていても
自分を満たすことが先で彼らに食物を分け与えることなど、まずしない。
用意してある食事も、我先に食べ、浴びるほど酒を飲んで明け方になって寝入り、誰かに起こされるまで横着を決め込むだけ。
現場でどやされ卑屈になった分まで子供や妻を相手に元を取る!そんな気持ちになっているような体たらくだった。
掃除や洗濯、食器の後片付けまで疲れて帰ってきた主婦の久美の仕事だった。
久美は彼らに頓着せず仕事で徹夜し送ってもらって帰り着くと
急いでその日の朝食と夕食の用意をし、洗濯と掃除を済ませ
再び高原ホテル行きのバスに自転車を漕いで2K離れたバス停まで駆け付け乗るのが日課だった。
懸命に働く久美のことを、明け方まで家族を放り出して遊んでいると
夫は実家に出向き愚痴った。
自分が懸命に働いて稼いだお金を残らず持ち出し
外で遊んでいると吹聴し
家に残してきた子供たちのことも考えず
実家で食事はおろか風呂までも済ませ
浴びるほどお酒を飲んで運転して帰ってくる。
自宅でもお酒は3日に一升の割合で買いおいており、煙草代も毎日2箱分は渡している。
それでも、それが足りないと実家に出向いて愚痴り、久美がいない隙に子供の食べ物まで掠め取って酒の肴にするなどということを繰り返していた。
高原ホテルで寝る暇も惜しんで働きづめに働いて
支配人に送ってもらって帰ってくる。
それを、男と遊びまわっていると感じていたようだった。
幼い頃からひきこもりで不登校を繰り返し
以前に勤めていた会社もそれで辞めているにもかかわらず
家計で必要なお金は、すべて自分が稼いでいると勘違いする夫。
誰が割るかと言われれば確かに 実家から逃げ出したく脳足りんの亭主を捕まえた久美が悪い。
実の父親が連日連夜金の無心に現れるような呑んだくれで負け犬の父と男と手に手を取って家族を捨て夜逃げする母を持つような家庭に育った久美が悪い。
だが、女欲しさにこれ幸いと子供まで孕ませ、その責任を久美ひとりに背負わせた男は果たして悪くないだろうか?
所詮、最初の職場である漁業関係の会社でケンカし行き場を失って配管業をやってた実家に拾われた雇われの身
しかも父親は公務員で羽振りが良かったが母親は家にこもりっきりで遊んで暮らしてて稀代のケチと来てる。実家で出される酒代も食事代も給料天引きになっていることなど
この男は、思考の片隅にもとどめ置けないほど、情けないことに知能が足りなかったのだ。
子供は親を選べないというが親が親なら・・頼る当てのない子供は行き場を失い親を信じなくなっていき、借金だけが募り しかもお互いそっぽを向く 一家は崩壊寸前になっていった。
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