知佳の美貌録「露天商の店番になる」 海産物商のオヤジが金にあかせ人妻を妾にしようと企て

一介の主婦に、それも極貧生活となった家庭にそれほど恵まれた仕事が次から次へと舞い込んでくるわけもなく、とにかく期間限定&薄給という条件の中、与えられた仕事を懸命にこなし、期間が過ぎ解雇されるとまた職探しに奔走していた。
ある時期など、あるデパートで正規に雇われた素直な従業員と違い何かと課長に楯突いた経緯があった久美は本館と別館を繋ぐ通路に間に合わせに会議用テーブルを置いて、その上にとっくに季節が過ぎ売れ残った商品と言おうか間違って仕入れてしまい処分に困ったプリントシャツを並べ、行き来する人を呼び止め売り込みをかけるように・・ いわば当てつけの半端仕事ばかり回ってきた。

地方のデパートはどこもかしこも赤字経営。まともな知識人など皆無である。
例えばデパートの商品、仕入れは通常バイヤーが行う。
もう間もなく倒産かと聞かされるにつけ利を出そうと大量仕入れを行おうとする。
都会ではとっくに季節外れ、いや流行おくれの品物でも情報が浸透していない田舎なら売れる場合がある。
だから大型店は中央店の売れ残りを田舎に押しやろうとする。
気の利いた中間管理職なら先んじて発注をかけるが、何事につけ穏便を旨とする輩は上司に逆らわない。
件の商品も間違ったと言えば間違ったが、仕方なかったと言えば仕方ない事情で上層系列店から押し売りされ、売れるはずないと知っていながら頭さえ下げれば役員どもはうんと言ってくれると見込んで・・しかし嫌々引き受けたのだ。
自己の体面を保つため催事と称して久美のような臨時雇いに売らせてその場しのぎをやればよいと決め込んだ。
その枚数およそ1,000枚! 夏物のTシャツを11月に入ろうというのにいである。柄さえ良ければ下に着ても映えるかもしれないのに個人の顔、しかも汚らしい顔ではいかんともしがたい。
普通の主婦ならまず尻込みし、その日うちにやめてしまうような仕事ばかりだったが、子供たちにまともな生活をさせてやりたくて懸命になってる、しかも不貞で仕事を失ったとあっては久美にとって止めたくても辞めようがない。
全力を傾け、恥も外聞もかなぐり捨てて久美は売りまくった。
客も職員も本館に出入りしようとすれば立駐から別館を経て渡り廊下を通り入るしかありません。
そんな人たちに向かって、まるで通せんぼでもするように立ちふさがり (廊下はただでさえ狭いのに、そこに机を並べてあった)、ご協力をと大声を張り上げていたのです。
田舎のこと、協力せずして知らん顔で通り過ぎることが出来ようもなかったのです。
かくして夕方にはほぼ全て売り切りました。
売り終えたその日のうちに催事場は閉じられ、功労者であるはずの久美はその場で解雇されました。
その様子をじっと見ているものがいたんです。
捨てる神あれば拾う神あり。露天商、乾物屋のオヤジである。
「あんた名前は?」
「名前なんか聞いてどうすんの?」
「あんなもん頑張って売ったって首になるのが早まるだけで何の得にもならんぞ。第一見て見ろやあの役に立たん課長をよ」
「その課長に取り入って店開かせてもらってたんはどこのどなたでしたっけ?」
「なんやその口にきき方は! 困ってるようやったから声かけてやったのに」
「別に困ってません。首になるのは最初からわかってた」
あの男 (つまり課長は) のことは他の人たち曰く良い評判はひとつも聞いたことがないらしいから期待してなかったと応えた。
「そこやがな、売る様子見とったんやが、実にうまい!口上がええし動きに卒がない。このまま何もせんと遊ばしとくのは勿体無い思てな」
つまらん露天商やと思うんなら無理にとは言わんが、なんならウチの仕事やってみぃへんか
「あんたなら1店舗店持たしたってもええで、なにな 送り迎えなら儂がしたる」
何処で観てたのか久美が自転車しか乗れないことも知っていた。
首になったまま家に帰ってもその日食べる食費もままならない。
嫌な予感がしたが売る商品が食品なら持って帰れば食べさせてやることが出来ると考え、
「どんな場所で売るのか見たうえで」と断ったうえで露天商の車に乗った。
世の中どこも男というものは現金なモノ、
久美が車に乗ってついてきてくれたことですっかり舞い上がり到着した店舗の商品の補給方法はおろか、
商品の説明すらろくすっぽせず、とにかく久美の待遇だけしゃべりまくった。
彼にすれば貢ぎ物のつもりだろうが、久美は今それどころじゃなかった。
連れていかれたのが地方の中堅のスーパーの軒先を借りただけの店舗だったが、
売り込みのコツさえ覚えてくれたなら大規模店舗の店を任せることになると言い始めた。

黙って売り子のつもりで立ち働こうとすると狭い通路内でしっかり尻に手を伸ばして反応や具合を確かめにくるのだ。
だが、ここでつれない返事を返してしまえば職にありつけない。
手を押しのけ押しのけしながら条件を聞き出そうとした。
今連れてこられた市内の外れにある店舗でも車で30分もかかっている。チャリしか乗れない久美にとって途方もなく遠方なのに、
大規模店舗のある場所は更にここから車で1時間もかかるという。
「そんなところに連れていかれたら子供たちの世話はどうなるんですか? 無理ですそんな・・」
断ろうとすると、
「大丈夫や、久美ちゃんがおらんようなった時間は別の者を入れるようになっとる」
噂によれば同じ程度の場所に勤めてたというではないか、それに比べれば社長は俺だといった。
家に置いてけぼりになっている子供の心配ではない、自分たちが将来 どのようにして逢瀬を交わすか、それに終始している。
まるで返事になっていない。ここに連れてきた・・いや、車にノコノコ乗り込んできたときからすっかり自分の女と決め込んで話を続けてくれている。
「それじゃその人に迷惑が・・」
あなたと私たちふたりのために まるで関係ない従業員に迷惑はと言いかけるが・・
「いんや!そいつのことなんかなんも心配せんでええんや」
困ったことがあったらなんでも言ってこいといわんばかりの勢いで、なおもしつこく迫られた。
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