逃避行の女 第五話 婚活弁当

それが身障・認知症の方々への接客マナーに加え掃除・調理が如何にそつなく出来るかでした。
殊に調理は同業他社に抜きんでて腕の立つものばかり集められており、利用者さんにも大変好評を頂いていました。
訪問介護職員だけでも50名以上を擁する事業所にあって、美紀さんの 殊に調理の腕はベスト10に入るほど抜きんでており、会社としても自信を持って送り出したつもりでした。

それを易々とこなす美紀さんが作ってくれるお弁当を、家族でもないのに毎日頂けるのですから男冥利に尽きると言わなければ罰が当たりるはずですが・・・
この男、その愛情のこもったお弁当をなんと中身も確認もせずゴミ箱に直行させ、さも美味しかった風な言い方をして空の弁当箱を洗わず手渡しし続けたそうです。
そうしておいて夕暮れにはちゃっかりいつもの場所で待ち合わせ、ご接待を受けてお互い身も心も軽くなって帰宅してたようなんです。
汚れたお弁当箱を洗うのも、更にさらに逢瀬で汚されたアソコを洗い流すのも、車のゴミ箱に溜まった事後のティッシュを始末するのもとてつもない幸せと感じた美紀さんでした。
女性は自分が幸せだと感じると容姿まで変わってきます。
最初の頃はどことなく暗かった美紀さんも、この頃すっかり明るく朗らかになり、少し太って豊かになったようにみえました。
困ることはただひとつ、覗き見を避け何処で逢瀬を交わすかでした。
最初の頃と違い美紀さんも大胆になり、半裸もあれば全裸になって情を交わすこともあり覗きに神経をとがらせなければならず、従って場所探しは大変でした。
こうまで努力しても結局肝心な答えを聞き出せず、でも自分には男がいるんだぞと言いたかったんでしょう、自分だけ結婚に向かって先走りし始めました。
隠しておいた彼の正体を・・・というより肌を合わせた折の感じたままをですが、お子さんたちに紹介? いや話して聞かせたのもこの頃です。
彼は以前出入りしてた男の人たちに比べ明るく朗らかで・・・と言う風に自慢げに話してたそうなんです。
でも唯一彼の存在を疎ましく思うものがいました。
それが長女さんで、「絶対アイツは偽物」 女の感と言うやつでしょうか。気を許すとか懐くとかはどんなに美紀さんがふたりを近づけようとしても迎合しなかったそうなんです。
その点男のお子さんは違います。「お母さんさえ幸せと感じたら、それでいいんじゃない?お姉ちゃんもお母さんのやることに反対するなんて変だよ」
幸せになってと応援してくれたそうなんです。ところが・・・
男の子さんの発表会に招待でもしようものなら、演奏するのは弟さんの方なのに母の美紀さんに向かって 「なんで赤の他人を!」 と激怒したそうなんです。
知佳が利用者さんたちと応援に駆け付けた時は大歓迎だったのにです。
何故娘さんが頑なかと言うと家族そろってお出かけの際、彼を伴うことはあっても彼の方から自分の家族に引き合わせ、共に会食などと言うことは一切しなかったからです。
娘さんがなんというお名前か知りませんが、ことお母さんが過去自宅に連れ込んだ男で母や本人さんの肉体目的以外 生活を助けてくれたなど優しい、男らしい男を知らなかったからです。
それほどに美紀さんと言う女性は自堕落で、ふたりのお子さんの母であることも忘れ昼夜オトコに飢え徘徊してたということなんでしょう。
娘さんにとって恋人と言っても差し支えない年下の男に実の母が入れあげられては黙ってみているわけにもいかなかったんだと思います。
しかもこう言った自己責任のない男は往々にして母の目を盗み更に興奮度が高まる親子丼ぶりをやらかそうとします。
こうなると愚鈍故、善悪の判断が出来ずかと言って簡単に諦める風もなく、とにかく始末が悪いんです。
娘さんにも好奇の目を向けてたりひょっとしたら手出ししたりしてたんじゃないかと思われるんです。
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