知佳の美貌録 ヒマワリベーカリー 第三話 「久美対女狐」 詐欺と窃盗

最初にこれをやらかしたのは車で方々を回りパンを販売する流しの営業マンでした。
出発と帰着それぞれに倉庫番が立ち会って持ち出し数と売れ残りの数を数え合わせ、売上金に読み合わせを終えた伝票を添え経理に提出する仕組みを確立していたら良かったものを信用し切ってズブズブで営業を行わせていたものだから不正発覚に繋がらなかったようなんです。
商品を勝手に横流しするわ、売上金を着服するわでせっかく作ったパンをそのままゴミ箱行きにするのとなんら変わらないような有様になんら疑念を抱かず、相変わらず田吾作どんは遊び歩いてたんです。
別途店を立ち上げようにも資金が無く、おまけにシェアがどん底だったからでした。
車で売り歩くやり方は店など無いような僻地に出向くこともできますし、出入りを許された会社ばかりか戸別訪問だって可能です。
スーパーなどの大きな店舗に商品を卸させてもらえない以上こういった方式で売り上げるしかなかったんです。
その貴重な売上金を使って新たな展開も艶子さんは試みました。
ヒマワリベーカリーとしては初めてこれまでと違った独立した店舗での販売方式を採り入れ、その売り子として採用したのが久美と 親子ほども年下ながら久美の先輩格に当たる友里ちゃんでした。
ふたりが受け持つ店舗は寂れた商店街の一角にある一見ビル風の建物で、二階は妖しげな喫茶 (一度ギャンブル喫茶として摘発されていた) となっており、そんな理由からか一階に長期間テナントが入った形跡が無かったので安く借りれたんです。
ひょっとしてですが艶子さんが探してきたと聞き及びましたからアチラ系の方々の息がかかってたのかもしれませんが・・・
何故にこんな場所と思えるほど人通りはほぼ絶え昼間でも薄暗く、商店街とは名ばかりの閑散とした場所でです。
しばらくして分かったのはこの場所、近隣住民のおばちゃんたちの憩いの場所が無かったことと最大の原因は女子学生たちのたまり場が無かったこと?
そう、ジベタリアンが狭い通路にたむろしパンを齧りながらモクをくゆらすにピッタリの場所だったのです。
しかもこの場所に近く、これらJKのウリが行われていたんです。
なるほどこれなら友里ちゃんにピッタリの職場。
なにせ友里ちゃんこそ登校拒否の引きこもり、高校中退でしかも飛びっ切り美人で遊び人 見た目も実生活も彼女らの先輩格だったからです。
この場所は当初友里ちゃんひとりに任せ、毎日2回程度艶子さんが手伝いを装って見回りに来ていたそうです。 売り上げもさることながら、どうやら友里ちゃんの周りにハエが集らないようにするのが狙いだったようなんですが・・・
そこにあの気の強い久美が入って来たからたまりません。
毎日のようにふたりの間で言い争いになりました。 売上が悪いだの売上金と残品が一致しないだのと久美には散々ケチをつけるからでした。
話しを元に戻しますが、車での販売。
この件について販売員と艶子さんをやり玉に挙げたのが久美でした。
売上金が足りないと友里ちゃんがケチをつけられたと勘違いした久美は、彼女を庇おうとして事務所に出向き伝票を調べ自分たちの店はともかくとして車の売上金に不正があることを見抜いたんです。
直ぐに車販売に関し、誰が関与しているかを例によって例の如く調べ上げ、販売員はもとより 何時も彼に対してだけ特別に検品と入金を行っていた艶子さんに詰め寄ったんです。
販売員は商品の横流しについては 「客寄せのため試食を兼ねて配っていた」 と如何にも店のためと言わんばかりに言い逃れしました。
金額について 「日が暮れるころになると値引き販売を行った」 と応えたんです。
事前に艶子さんに同じことを質問していましたから会社側としてこのような売り方を指示していなかったことは明白でした。
つまり会社の指示なく自分で勝手に試食と称し何処やら仲間内に横流しし、値引きと称して売上金の一部をネコババしてたんです。
何故にこの男に限ってと調べ上げていくうちに艶子さんとこの男の関係が明るみに出ました。
艶子さんは職を失って遊び歩いていたこの男 (どうやら業界の構成員) が気に入り独断で雇い入れ、田吾作どんで満たされないアソコを時々癒してもらってるとの噂を聞きつけたんです。
もちろん久美の外部情報源が流失したものを伝えてくれてますので確かな情報です。
艶子さんがこの地区を牛耳ってるスジの末端に肩入れしてるんなら久美は大阪方面のスジの親分のお気に入りです。
当然工場裏に呼びつけ恫喝し彼が艶子さんのオトコであることを白状させました。
艶子さん毎月手渡すお手当が足りないと言われ、しぶしぶ売上金の一部を誤魔化すよう教えたんだと白状させたんです。
久美はこのことを社長に報告したりしませんでした。
お妾で飲み屋上がりの女を家に引き込み、汗みずくになって働き工場を守ってくれた正妻を追い出すようなバカ男がどうなったってかまわないと思ったからです。
そのうえで今後一切友里ちゃんと自分が受け持ってる店に差し出口を挟まないことを約束させました。
友里ちゃんも久美も男に恵まれず、食費にさえも困っていましたからパンを自由に食べたかったんです。 もちろん売れ残ったパンですが・・・
久美が売り子に加わったことで店は徐々に売り上げを伸ばしていきました。
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