知佳の美貌録 ヒマワリベーカリー 第四話 「友里ちゃんのヒミツ」 やりたい放題

艶子さんは当然苦情を言いました。
でも発端は艶子さん本人なのです。
久美も持ち帰り出来ると助かるんですが、友里ちゃんはもっと助かりました。
両親の教育方針が嫌いで家出同然だった友里ちゃんにとってその日の塒と食料は喉から手が出るほど欲しかったからです。
いい加減すぎる工場の出入戸管理に誰もいちゃもん付けないんだからこの際適当に働いて適当に給料もらうのもいいじゃないが合言葉になっていきました。
女狐も販売車をオトコ恋しさのあまり追っかけることはあっても商店街の店に顔を出すことは無くなっていったのです。
「友里ちゃん、店の奥はテナントが入らない間だけ使わせてもらってるんです。ゴミを散らかしたりしないでね」 汚れたティッシュらしきものを摘まみ上げ注意しました。
「はい、ごめんなさい。気を付けます」 友里ちゃんは素直に謝りましたが実はこのティッシュ、艶子さんがこっそり持ち込み如何にも床に落ちてたように見せかけていたんです。
この店舗がテナント募集になっていたのには訳があります。
売り場と言われる部屋は二階に通じる階段室の真下の空間の物置を再利用し設けられていましたから店舗としてはいかにも狭く、一部は天上高も低く、それでもってその狭すぎる空間にパンのショーケースが置かれています。 しかもショーウインドウは全面ガラス張りなんです。
つまりパンのショーケースを置けば売り子がショーケースの裏側に立つのとお客様の通路を確保するのがやっと。
なのに奥のドア (潜り戸) を開けるとそこは元厨房らしき部屋になっていてだだっ広く薄暗く、コンクリート打ちっぱなしの土間に粗末な木の長椅子がひとつポツンと置かれているだけだったんです。
友里ちゃんは入店間もなく、この粗末な部屋の木の椅子に横になって夜を過ごしてたようなんですが、程なくして・・・
JKと見まがうほどの若さと美しさを併せ持つ友里ちゃんは頻繁に街行く男たちに言い寄られてました。
艶子さんが 「ゴミを散らかしたり・・・」 と言ったのは淋しさのあまり彼らを呼び寄せ淫交はやらかすなと忠告してたんです。
友里ちゃん 年齢で言えば18にも満たないとき、その取り巻き連のひとりに手籠にされ生中だったこともあり運悪く孕み両親が教育熱心で堕胎を許してくれなかったこともあって男の子を半強制的に産まされたんです。
子供が子供を産む。 まさにそんな構図。
その男の子は素行が良くないからと友里ちゃんから引き離され両親が面倒見てくれてましたし、友里ちゃんはことあるごとに両親から擦れっ枯らしと悪態をつかれていましたから跡取りとしてちやほやされる弟と違い家には寄り付かず、仕方なく取り巻き連の男どもの家を転々と泊まり歩いていて糊口をしのいでいて、相手の都合により男の自宅が何らかの都合で使えない時は店舗の奥のこの部屋を使って寝起きしており、それと知った男どもによって弄ばれ・・・を繰り返していたんです。
そう、友里ちゃんは男たちにとってやりたい放題の上玉だったんです。
何故に艶子さんと友里ちゃんが結び付いたかと言いと、業界の下っ端である艶子さんの色男に付き従ってたのが友里ちゃんの取り巻き連、つまり半グレ その半グレを艶子さんは舎弟の如く面倒をみていて友里ちゃんの存在に気付いたんです。 艶子さんは当初友里ちゃんを夜の店に引っ張り込み、上客相手にウリをさせようとしましたが、数度試みた時その顧客が妙なことを口走ったんです。 「デリのお姉ちゃんかと思ったが、よくよく見ればアソコの形がまで出来ていない・・・」 おぼこのようだと言うんです。 こうなると話しは違います。 彼女がまだ未成年と知っててこのままこんなことを繰り返し捕まるようなことになれば・・・と諦めたんです。
ですが、根がその手のことに興味を抱く艶子さん、着かず離れず見張ってた?というより友里ちゃんが取り巻き連の男と店の奥でいかがわしい行為に走る様子を 「告げ口してくれた客は友里の何処が気に入って・・・」 と己のアソコと男女が本気になって絡み合う様子との違いに興味を抱き覗き見よろしく・・・というわけです。
この時の艶子さん、どう頑張ってみても男を惹き付ける力はもちろん見た目も断然友里さんには叶わないことを悟ったんです。
幸いなことに艶子さんの色男も田吾作どんも友里ちゃんの存在に気付いていません。
同じ女として悔しいには違いなかったんですが、もしも万が一自分の力でふたりの男のどちらかを引き留めることが出来なくなった時、友里ちゃんを与えてみようと考えていました。
どちらにしても友里ちゃんは艶子さんにとって隠し玉、だから人通りの少ない如何にも辺鄙な商店街の片隅に閉じ込めておきたかったんです。
その友里ちゃんを普通の女の子として扱い、陽の当たる場所に引っ張り出したのが久美でした。
閉店後とか休みの日は必ずと言っていいほど彼女を連れ出し自転車に乗って遊び歩いたんです。
艶子さんは歯ぎしりして悔しがるんですが、自分の正体をバラされては会社を追い出されるばかりか警察に掴まります。
久美は女狐の正体を洗いざらい調べ上げ、事あるごとに脅し上げにかかるからでした。
これ以降この店舗は勿論のこと車販売員でさえ久美にいいようにあしらわれ始めたんです。
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