【知佳の美貌録】高原ホテル別版　艶本「知佳」アッシー君の愛車に揺られ

アッシー君の愛車に揺られ

　インスタが縁で知り合ったにしろ、街角ナンパが縁で知り合ったにしろ待ち合わせの場所に出かけようとすると判で押したようにアッシー君が駆け付けてくれてたんです。

　この段になってもまだそのランクルの助手席に収まりながらも留美ちゃんは相変わらずスマホ片手にこれから逢おうとする相手と連絡を取り合っていました。

　前回も述べたようにナンパはどちらか一方が飽きてきたらそれでおしまいです。
留美ちゃんは性格的に飽きられ捨てられるのが嫌でいつも自分から捨ててました。
例えば門真、誕生日を覚えてもらえなくてと言う理由付けで捨てたんですが、本音は飽きられたことが分かったからです。

　留美ちゃんは吉本系のように面白おかしく会話を進めていくことはプライドが邪魔してできないんです。
極端な話し、エッチに飽きたら捨てられるんです。
この範疇に当てはまらなかった唯一の男性が和樹さんなんです。

　出逢ってもらえるつもりで駆け付けたのに無しのつぶてになるとどうしても帰りの車が必要になります。
良心の呵責などという気持ちはこれっぽっちも思い浮かばない留美ちゃんですが、歳を重ねるごとにこう言った置いてけ堀事例は多くなっていったようで、いつしか和樹さんの車の助手席をあっためることが多くなっていったらしいんです。

　田舎暮らしが嫌いでばい煙都市大阪に出て行った留美ちゃんですが、大阪に生まれそこで育った和樹さんは山や海が大好きだったんです。
ゆっくりと歯車が逆回転し始め主導権は留美ちゃんの手を離れ始めました。　この頃になるとまともに付き合ってくれるのは和樹さんだけとなり行き先は全て彼任せ、ですので徐々に大自然に抱かれるようなドライブのみになっていったんです。

　和樹さんにしてもこれまでの半生を、ただただ時間が過ぎるのを待って給料の殆んどを車につぎ込んできました。
ここに来てやっと投資先が留美ちゃんに変わったんです。
車にかかる費用だけは和樹さんのお小遣いで間に合わせましたが、それ以外のお金は留美ちゃんが管理するようになっていったんです。

　お泊まりは高級旅館から民宿に変わり、時には車中泊になりましたが、何時も隣に留美ちゃんがいてくれるようになりました。

　長い間待って手に入れた留美ちゃんを、和樹さんは手放すなんてことできるはずが無かったんです。
留美ちゃん、和樹さんとの睦ごとが終わっても背を向けさせてさえもらえなくなったんです。　懸命に引き寄せられご機嫌を窺われました。
躰の何処かが痛いとか痒いなどと言うときは必ず和樹さんが一生懸命面倒見てくれるようになりました。

　一番変わったのはピルで、子作りしたいから止めて欲しいと和樹さんが言い出し、留美ちゃんは迷った末に内服を止めました。
危険日をも睦言は避けさせてもらえなくなりました。

　そんなある日のこと事件が起きました。
和樹さん以外誰とも関係を持たなくなったことから留美ちゃんに恋心を寄せ・・・というより半ばお妾さん状態だった上司がいました。　留美ちゃん、言い寄る男が多くなりすぎてお願いされても時折袖にしていたらその部長、突如怒ったんです。

　職場内でのセクハラだったんですが、もちろん公に出来ない話し、留美ちゃんに左遷の打診が来たんです。
職場のリーダーから関連企業への出向、つまり末端に追いやられました。　嫌なら退職をとまで言われたんです。

　気が付けば職場内でお局的存在になってたんです。
怒ると言う表現方法で切り捨てられたんです。

　入社直後から言い寄られ、宴席では必ず隣に座らせられ
広報活動には彼女だけが名指しされるという厚遇を受けてきましたが、加齢に加え求められても将来を考えた場合どうしても結婚・出産を諦めきれず断るようになると、まるで手の平を返すように本社から追い払われたんです。

　「ねえ、私たち同棲しない？」突然告られて困惑する和樹さん
「うん、留美ちゃんはそれでいいんだね？」ふたり一緒に住めて留美ちゃんにとって経費節約につながるし、和樹さんを誰にも盗られないようにするためでした。

　自分の性癖を良く知ってて、きっとほとぼりが冷めれば浮気するでしょうが同棲なら一緒に住んでても時折つまみ食いしたからと言って責められることは、苦労して得た彼女を和樹さんは捨てるなどと言うことは無いからです。
前にも述べたように、ナンパにしろ逆ナンにしろ会話が続かなくなり躰に飽きられると捨てられる。　捨てられてきたんです。　けど和樹さんなら多少の浮気とか過去歴上に告っていない男が多数いたとしても捨てたりしない。　それもこれも同棲という、結婚を前提みたいなやり方をしてるからこそ確信が持てるんです。

　美人は得なのか損なのか、留美ちゃんはたまたま受け皿があり同棲に至ることが出来ました。
和樹さんにしても耐えて待った甲斐あって美人を彼女に持つことが出来、自分専用の女を抱くことが出来ました。

　これからの社会、恐らく過去と違い、例えば和樹さんは結婚できたとしても不倫・不貞はしまくられると思います。
これは一種の社会現象、男性はあきらめざるを得ません。
最終的にパートナーを確保できたことを良しとする世の中になったんです。

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