落日の長者~午後の陽だまりの中で~

美晴さんが生きてきた時代、初潮が始まるのを待って男どもがのしかかり仕込むのが普通でした。 むろんそれ以前にお医者さんごっこで間違ってホンモノを挿し込むということもありました。 それゆえ婚姻に際し仲人の紹介話しでは貞操を守っておられると言いながら実のところどこかで使われてしまっていたというのは多かったのです。
英雄さんが夕子さんを許したように寛治さんもまた、美晴さんの過去のことは問わず、あくまでも籍を入れて以降のみ間違いが起こらないよう見張りました。
ですので美晴さん、上薬研 (かんやげん) の田んぼに向かう途中に木立の中で巌さんと契ったことを如何に上薬研 (かんやげん) の餓鬼どもが言いふらそうとも頑なに首を横に振り賢婦であることを示していたんです。

自治会婦人部の会長として守り続けてきた貞操もこれまで小作小作と侮って来た下谷 (しもんたん) の足羽英雄さんによってあっさりと突き破られてしまったものですからもう隠し立ては出来そうにありません。 なのでそれからの美晴さんは右ではないにしろ左でもないような風に変わりました。
一切口を閉ざしたまま寛治さんと夫婦の睦言をそれが義務であるかのように繰り返しているものの英雄さんには隙を作ってあげ懸命になって惚れぬいたギン勃ちを突っ込んでくれるよう仕向けたんです。
この日も寛治さんが仕事と称し例の高利貸しの取り立てに出かけるのを門を出て道路上で見送りました。 玄関先で見送るような下々の見送り方ではありません。
なにせ原釜 (はらがま) 家は入谷村で唯一門構え (長屋門 - ながやもん) のある家だったんです。 美晴さんもそれなりの家柄から嫁いできてますし、まずもって不貞などとは縁遠い存在でした。
それを突き破った功労者こそ本谷 (ほんだん) の長嶋巌さんその人でしたし、最も貢献したのはなんと、あの上薬研 (かんやげん) の悪ガキ 輝夫 誠 昭義の3兄弟だったんです。
「あああ、お願い・・・観ないで・・・」
立ち木の掴まりながら尻を突き出し巌さんの屹立を懸命になって受け止めていて、それを悪ガキともにしっかり見られたんです。
この時代は今のように恋人たちが逢瀬を楽しむラブホなるものはありません。
締め込みを行うとしたら家族が出払った自宅を使うか、或いは巌さんと情を交わした時のように野に出て物陰に隠れ密かに締め込みを行うか、そのどちらかでした。
入谷村の生活は貧相で原釜 (はらがま) 家ならともかく、自宅に気の利いた部屋などありませんから野に出て睦言を交わさざるを得ませんでした。
美晴さんは嫁いだ先が裕福だったため部屋はいくつもあり、それを熟知している下谷 (しもんたん) の英雄さん、寛治さんが家を空けた時を見計らって忍び込み美晴さんを転がしたのです。

「来るなら来るで知らせてくれたらいいのに」
美晴さん、急いで布団を上げに掛かりますが昨夜夫婦間で行われたことを隠そうとするのもですから胸元がおろそかになり乳房どころか乳首まで丸見えになっちゃったんです。 そこを襲われました。
「あっあ・・・んっあっ・・・んんん・・・」
畳にうつぶせにされ後ろから挿し込まれましたが美晴さんは英雄さんの逞しいものが抜けないよう懸命に尻を高く掲げようとしました。
「っあっ・・・はっあああ・・・アンアン」
気持ち良さに躰が反り返り顎を突き出してしまい、それがまた英雄さんの挿入を妨げることになりました。
「美晴ちゃん、こんな格好で挿し込まれるの、どんな気分じゃ」
「っっあっ・・・っんあああっ・・・あんたこんぐらい何時も奥さんとやとるんや」
嫉妬でした。
「美晴! ウチのん以上にこれが欲しいんか? ん? そうだな」
うつぶせの美晴さんを英雄さん、羽交い絞めにしピストンを繰り返します。
こうすることで切っ先がこれまでと違ったところに触れるんです。
「女はこんなことされたら誰だってアソコがグチョグチョになるわ」
「美晴ちゃん、後生だから儂の女になれ。 なっ」
英雄さんは美晴さんに覆いかぶさり耳元で懸命に口説きますが先日、英雄さんが帰った後美晴さん、風呂場でポツンとある一言を漏らしました。 しかし逝かされただの好きになっただのと言う言葉は発することは無かったのです。
「美晴ちゃん、なっ、美晴ちゃん」
英雄さんは懸命に腰を振り美晴さんをなんとか口説き堕とそうとします。
「あああっ・・・アンアン・・・あああ」
浅い挿し込みでは満足できなくなったのか美晴さん、英雄さんの隙をついて逃れますが直ぐに追いつかれ今度は窓辺に掴まって後ろから貫かれました。
「っうん・・・アァアア・・・アンアン」
うつぶせている時と違い英雄さんの逞しさを最も感じやすい恰好で貫かれ美晴さん、このままでは夫婦の閨で約束させられた家名を守ることなど出来そうにないと思い、こういう関係になって初めて英雄さんをねめつけました。 すると英雄さん、いきなり美晴さんを畳に押し倒し正常位で迫り始めました。
「っあああっ・・・んんん・・・アン」
転がされた美晴さん、雄々しいものを挿し込まれその名残が残っていたものですから横にされても太股を割っていたんです。 英雄さんは美晴さんの両足首をつかまえると引き寄せラビアに亀頭冠をめり込ませました。
「・・・・っっあああっ・・・っあああっ」
「美晴ちゃん、美晴ちゃん」
パコパコという音と美晴さんの喘ぎ声が深閑とした午後の部屋にこだましました。
「・・・・っああああああ・・・・っあああ」
「美晴ちゃん、こっちを向いてくれ美晴ちゃん」
乳房を揉み懸命になってラビアの奥底目掛け棹を送り込む英雄さん
「っあああっ・・・っだめ! 中はダメ!」
いやいやをしながらも英雄さんが送り込む棹の根元を締め上げる美晴さん。
英雄さん、ここいらが責めどころと美晴さんの躰を強く抱きしめ腰を美晴さんのラビア目掛け押し付けました。
「・・・っんんっ・・・はぁ~ っあっあう」
とうとう美晴さん、英雄さんにしがみつき始めました。 乳房は英雄さんの逞しい胸板で押さえつけられぴっちりとお互いの卑猥な部分を押し付け合い歓喜の味わいが始まったんです。
「っっあああっ・・・っあああっ・・・」
雄たけびのような声を張り上げ美晴さん、英雄さんの腕の中で二度三度と逝きました。
「逝ったのかえ、美晴」
美晴さんの顔を見下ろしながら英雄さん最後の仕込みに入りました。
喘ぐ美晴んの中から寛治さんのお情けを掻き出そうとしたのです。
「んあああ・・・こんなこと・・・ひとに言わんでよ。 恥ずかしいから・・・」
「ああ、ああ、美晴ちゃん」
それが英雄さんの最後の我慢でした。 急いで引き抜くと美晴さんの恥ずかしいところにぶっかけたんです。
「あああ・・・ふふん・・・あっあっあっ」
全身をヒクつかせながら美晴さん、英雄さんの情熱を下腹部で受け止めました。
我に返った美晴さん、近くにあった手ぬぐいで汚れたところをぬぐい取ると急いで腰巻をつけモンペを履きました。
その足で風呂場に行くので当然汚れたアソコを洗うのかと思いきや、なんと寛治さんと夜明け近く締め込みを行った時汗で汚れた寛治さんの下着の洗濯が済んでおり、それを干しに庭に出て行ったんです。
英雄さん、そんな美晴さんに帰り際ベロチューを迫ってみました。 一旦は受けたものの力ずくで押しのけられ、あとは睨みつけるばかりでした。
美晴さんの中にあるのは原釜 (はらがま) 家で生涯に渡って平穏な生涯を送ることであり、英雄さんと手に手を取ってこの村を離れ小作人と後ろ指をさされながら隠れ忍んで暮らすことではなかったのです。
夕暮れ時の木漏れ日が降り注ぐ部屋で美晴さん、寛治さんや子供たちの洗濯物を畳んでしました。
英雄さんの気持ちもわからないではありません。 実のところ下谷 (しもんたん) の足羽家の前に広がる田んぼは確かに原釜 (はらがま) 家が苦心惨憺し切り開いた田んぼなんですが、家の裏にある田んぼは英雄さんが原釜 (はらがま) 家の持ち土地を切り開いて作った田んぼなんです。
原釜 (はらがま) 家は常日頃この地に田んぼをと考えていました。 ところがここは田んぼを作るのに必要な水源が無かったんです。 そこで寛治さん、自分の権力、つまり闇金で儲けた金を利用し、入谷村の喰いっ逸れを搔き集めただ同然で堤を築いたんです。
この堤のお陰で新たに山地を切り開き田を作ることが出来て原釜 (はらがま) 家の資産は数倍になりました。 ところがこの開墾に貢献した分家の英雄さんには家の脇、原釜 (はらがま) 家と下谷 (しもんたん) 家の墓のある山の斜面をお為ごかしに貸し与えただけでした。
英雄さん、これまた苦心惨憺そこを開墾し畑を作りましたが寛治さん、そこで作った野菜をまるで自分の畑で作ったもののように必要な時必要なだけ持ち帰ってしまうのです。
それならそれで美晴さん、こっそりとでも何がしかの物を持ち出し下谷 (しもんたん) に分け与えてやればよかったものを、これまで何んにもしないで来ていました。
「英雄さん、きっとウチから寛治の臭いだけでも追い出したかったんだ」
こうなって初めて気づいたんですが、今更どうしてあげることもできません。 なぜならあれほど権勢を誇った原釜 (はらがま) 家でさえ傾き始めていたんです。
「美晴、お前最近変わったな」
深夜になって取り立てから帰って来た寛治さん、いきなり美晴さんに好奇の目を向けてきたんです。
「変りもしますよ。 家のこと、何んにもしないで出かけてばかり・・・」
「それだけか?」
「はあ? それだけじゃ不満なんですか?」
美晴さん、ついぞ言わいでも良い事を口にしてしまいました。 この時代下谷 (しもんたん) の英雄さんに手伝ってもらいながらの田仕事では一家が食べていくだけの稼ぎには到底足りなかったからです。
「英雄のヤツから何ぞもらったか?」
「あのような下谷 (しもんたん) から何をもらうと?」
怪訝に思って聞き返す美晴さんに
「この間英雄のヤツに可愛がってもらったんじゃなかったのか?」
美晴さん、一瞬で躰が凍り付きました。
下谷 (しもんたん) の英雄さんが雨戸を閉めてまでコトに当たろうとしたのは覗き見を恐れたからに違いなかったからなんですが、家を留守にするという情報は寛治さんを通じ下谷 (しもんたん) の夕子さんに流れていたのです。
つまり寛治さん、あの日の朝出かける直前になって美晴さんを寝床に引き込み抱いたのは美晴さんに英雄さんに抱かせるための埋火を作ってあげるためだった・・かもしれないのです。
「・・・ウチとしたことが・・・晩生 (おくて) の英雄さんにあんなこと・・・」
本来気の弱い英雄さん、亭主の留守に忍び込んで犯すなどと言うことがどだい出来るはずも無かったんです。
「・・・もしそうだったとしたら、あなたは私をどうするおつもりなの」
「ふふふっ、やっと認めたか」
怯えきってる美晴さんの手首を掴むと台所で下腹部に触り始めました。
「夜な夜な濡らしてたのは儂のを待ちわびてたんじゃなく、英雄のヤツのアレが欲しくて! そうだな!」
女の躰は大切なところを守るため常に多少は湿っています。 それを欲情してと決めつけ英雄さんが恋しいんだと責めてくるんです。
「ふん、お前のような淫売にはこの度の閨事がお似合いだ」
妻の下半身を剥き出しにしておいて不敵な笑いを浮かべる寛治さん
「今回のお話しって何です?」
末恐ろしくなって聞き返す美晴さん
「知れたことよ! 淫売には淫売をだ!」
さる所の没落貴族が言われのない借金を、もしどうしても払ってほしくば夫婦交換を条件にと言ってきたらしいんです。
「平気で豊里屋の美代子さんを風呂場で手籠めにしたあなたと一緒にしないで頂戴」
言い張りますが
「巌とのことはこの度のお方にも知れ渡っとってな。 えらく気に入っておられる」 巌さんと屋外で立ち木に掴まって交尾に及んだ件についてでした。
そこのご仁と奥様の見ておられる前で締め込みをとのご希望だと寛治さん
「ふん、そうやって私のこと見世物にして・・・あなたこそそのご婦人と寝たいだけなんでしょ」
ほくそ笑んだところを見るにつけ、美晴さんの指摘はどうやら図星のようなんです。
入谷村では水呑みにすら見下され、あの美代子さんですら相手にしてもらえなくなった寛治さんは、とにかく溜まりにたまった濁流を吐き出す機会を狙ってました。
それ以上に美晴さん、不貞が表面化しもうどうあっても巌さんと英雄さんに突っ込んでもらえない以上その高貴なご仁相手でも良いから締め込みを行いたかったんです。 話しはとんとん拍子に進み、近く輪姦乱交に備え見合いをすることになったんです。
その当日、お見合いに現れたのは美晴さんそっくりなどちらかと言うと気高そうなご婦人を連れた初老の男性でした。
「あなたはどう思ってられるんですか? これから私はあの寛治とかいう他人様の家の風呂場でそこのご婦人を犯した・・・」
初老の男性はまだ見ぬ美晴さんとやらを抱きたいものの、さりとて自分の愛する妻が寛治のような卑しい男に辱められると思うと気になって、先ほどから矢鱈とご婦人の太股やらその奥やらをまさぐっていたんです。
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