発狂と平静のはざまに
今の時代性はひたすら快楽のためにありますが、古の時代は子孫を残すために行いました。 嫁はその家に繁栄をもたらす子を産むため選ばれて嫁いできます。 然るに夫婦和合は今のようにひとつ屋根の下に暮らすための条件ではなく一家の将来をかけた胤を残すべく本気の番い・締め込みだったのです。
肉や野菜を栄養面を考え買って調理し食べるのではなく入谷村では常日頃は米と自分たちで作った野菜が全てでそこに栄養学なるものを考えるゆとりなど無かったんです。
住まいにしてもそうでした。 夫婦部屋だの奥座敷というのは名前はもっともらしく付けてありますが、要するに風紀を乱す締め込みなるものを他の誰にも見せないよう奥まった場所に追いやっただけなんです。
例えば豊里屋家など夫婦部屋と裏山との距離は一日中陽が射さないほど山が迫ってる・・・いや家に覆いかぶさってるほど近いんです。
飾り気のないかび臭い部屋で粗末な食事に耐え余力さえあれば義務として番い・締め込みを行う。
それは身を削ってでも行わなければならない新たなる性を宿すための修行。 嫁とはそういった環境の元であっても耐え忍んで暮らさねばならなかったんです。
雅子さんがやらかした番うことへの拒否は始まりは職場で言うところの小さなストライキだったのかもしれません。 しかしそれが無理強いからのがれる手段と知ってずる賢く利用し始め、気付くと元の状態に戻るチャンスを失ってたんです。 生まれつき病弱で障碍者とのレッテルを張られてしまってたんです。 それ以降変人扱いされ奥の間が俄か牢座敷となり家人ですら声もかけてもらえないものだから仕方なしに横になる日々、そして何時しか鬱を発症してしまいました。
病人食を与えられ動かないで寝てろ言われ、その指示に従って暮らし始めるとたちまち筋力が衰え普通の生活が出来なくなっていきました。
変に理解度のある夫は家族の言いなりになるものですから接触もしてくれなくなり独りぼっちになったんです。 何度か実家に追い帰されますが、実家とて出戻りなどこの時代女はどこの家でも労働力としての利用価値は低く余ってますから迷惑には違いなく結局嫁ぎ先の元居た部屋に帰りるしかなかったんです。
時代が時代だけに真実を知らない人はこの家族の言うことを鵜呑みにし気味悪がって近寄ろうともしなくなります。
たまたまなんですが、上組 (かみぐん) と中組 (なかぐん) は交流がなく集落は家同士が離れているものですから忍び込みやすく家族の居ぬ間に立ち寄ってくれた原釜 (はらがま) の寛治さんだけが親身になって話しを聞いてくれて、女として扱ってくれたんです。
家族が近寄りたがらない部屋だったもので寛治さんも忍んできやすかったんでしょう。 暇さえあれば立ち寄ってくれました。 昔風の女ですから求められれば疑問すら持たず応じます。 何故なら夫からは女としても嫁としても既にこの頃になると見放されているからでした。 あの気の強い姑のカツ子さんの示す三下り半の書状に雅子さんの合意の爪印さえ捺させればもうその瞬間から他人になれるからでした。 卑怯にも直己さん、
そのことを母親に一任したんです。 言うことをきけば新しい嫁を貰うことが出来るからでした。
この時代、一家の主で しかも中組 (なかぐん) の長である定男さんが世間に向かって嫁は発狂と明言したものですからもう元には戻せません。 それに加え寛治さんは奥さんを不幸な事故で亡くされ女には不自由しておられました。 世間からの阻害者同士、意思疎通を図るに何の支障もなかったんです。
寛治さんは直己さんと違って表に向かって物事を発散する人でしたから雅子さんを家人の隙をついて外に連れ出すようになっていったんです。 外に連れ出されてる時だけ雅子さんは正常でいられました。 寛治さんに寄り添う女でいられたんです。
寛治さんはもちろん美晴さんがかつて直己さんと恋仲になってたことなど知りません。 紙屋 (かみや) に忍び込んだのは夜伽を拒否する妻がいると聞いたからで、それなら他の女のようにうまく垂らし込めば、この荒れ狂うマ〇を鎮めるべく締め込みをやってもらえるんじゃないかと単純にそう考えただけでした。
かくして寛治さん、雅子さんを連れて野に向かってリハビリを繰り返しました。
紙屋 (かみや) の家も原釜 (はらがま) とさして変わりません。 家の裏には山が迫っています。 しかも農家ですので敷地は変に広いんです。 裏山に沿って病人を支えつつ野に出ていくのは実に難儀な作業でした。 まず足場が悪く滑ってうまく進めないのです。 しかしこれが返って雅子さんの足腰を鍛えました。 上品な考えも影を潜め始めたのです。
紙屋 (かみや) から人に見られないようにして野に出るには寛治さんが通って来た山越えの道を暫らく進む必要があります。 原釜 (はらがま) 家の脇にかつて美晴さんが花木を植えるべく切り開いた野があり、そこがふたりの極秘裏の場所となりました。
人様から見れば何を好き好んで障碍者支援をと思ったかもしれませんが、寛治さんにとって雅子さんは久しぶりに女の肌の温もりが味わえる存在だったのです。
小手先で支えるんじゃなくて相手が油断してくれさえしたら身体ごと密着させ小さな窪みなど荒れ狂うマ〇を力に変えて越えていったんです。
雅子さんも雅子さんで真の障碍者じゃありませんからこうやって恋心を抱きながらのリハビリは効用抜群でした。 なにより精神面がまず充実していったんです。 最初は暗い顔で後ろから従ってついていったものが次第に並んで歩くようになり、終いには寛治さんに寄りかかり上組 (かみぐん) の長者を相手に可愛く毒づくようになっていったんです。
健康とは良いもので、やがて雅子さんも寛治さんのことを再び締め込みの相手のとして意識するようになりました。 ある日の午後、野に出た雅子さん、もよおしてきたので寛治さんから離れ野にしゃがみました。 いつの間に来てたのか寛治さん、まだシズクが垂れる雅子さんのソコに彼女を前のめりに押し倒すようにして四つん這いにさせ舌を這わせたんです。
残念ながら雅子さんの体調はそれほど万全ではなく、その日は雅子さんのソコを魅せてもらいながら自分で擦り、それを見かねて雅子さんが握って擦ってくれてやらやっと野に向かって相当黄ばんだものを放出させることが出来ました。 鬱であるはずの雅子さんが健常者の寛治さんを気の毒がったのです。 自分がなんとかしてあげないと浮かぶものも浮かばれないとまで思い詰めるようになったんです。
このことが雅子さんに鬱ではなく躁を目覚めさせました。 自分が何とかしてあげなくちゃ寛治さんが可愛そうとまで思うようになっていったことで女の部分が彼に尽くすべく蘇り始めたんです。
次に出逢えた時、寛治さんは積極的に雅子さんに想いの丈をぶつけました。 野でひってくれた時舐めさせてもらえた、それを良かったら今日もとお願いしてみたんです。 雅子さんはそうなれることを願ってましたからひりましたしシズクを舐めさせてあげました。 寛治さんのリードで草むらを布団代わりにして横臥し開きました。 クンニはあくまでもソフトに進みました。 じっくりと時間をかけ、寛治さんがではなく雅子さんのオ〇ンコがオトコを求め始めるまで続けられました。
肌寒い日でしたので寛治さん、雅子さんの衣服は極力脱がさないようにし、代わりに寛治さんが脱いだ服を必要部分にかけてやりコトを進めたんです。 雅子さんの肌が露出した部分には寛治さんは自分の肌を添わせ温めました。 そうしてでもあの時の状態 (祭りの夜の足入れ) を取り戻してあげようと努力したんです。
この時効果を発揮してくれたのが寛治さんが下谷 (しもんたん) の真向かいの山裾で作り始めた人参でした。 険しい山を登って来て、今またここで締め込みのようなことをやらせているというのに顔の色艶はこれまでにも増して良くなっているんです。 譲ってくれた人によれば朝鮮人参とのことで密かに持ち込んで飲ませてきたことがこんな時に役立ったのです。
しかしそれであっても病人を酷使するということは後々後遺症をもたらします。
野での抱擁はまだまだ形だけのものとしました。 寛治さんは雅子さんの体調を慮って最終的には正常位の形を取り興奮し切った雅子さんのアソコに向かって我慢しきれなくなった先っぽをそっと触れさせ意識的にそれを飲み込もうと雅子さんの腰やオ〇ンコが蠢く娶わせのところで止めてくれたんです。 呑み込んだ亀頭冠がブツブツを軽くノックするものですから悲痛な声が上がり女のしなやかな腕が寛治さんの背中にまとわりつきました。 その先を求めて全身をわななかせる雅子さん。 寛治さんは歯を食いしばってそれ以上前に進ませませんでした。 それでも雅子さんは寛治さんを喜ばせることが出来た喜びに打ち奮えました。
寛治さんとの逢瀬は雅子さんにとって大量のエネルギーを消費させました。 その日の夜、エネルギーが尽きたのでしょう雅子さんは原因不明の発作を連発させてしまいました。 布団の上でガクガクとのたうち回る雅子さんを定男さんは納屋から藁縄を直己さんに言いつけ持って来させ布団ごと縛り上げたんです。 舌を噛みはしないかと雑巾を持って来させ口に突っ込みました。
発作を起こしながら雅子さん、その一部始終を克明に覚えてたんです。 何かあった時のことを思い意識の中に記憶させました。
発作が納まったのは2時間も過ぎた頃でした。 顔は青ざめ全身血の気が引いて以前にもまして病人になっていったんです。 もちろんその日も翌日も、まるで何も口に入れることはできませんでした。 ご飯を前にすると米ぬかの香りが嘔吐物のソレに思え口に運ぶことが出来ず、さりとて汁物を差し出されても腐ったような味がして呑めないのです。 辛うじて水だけは口に出来たので3日間それで過ごしました。
リハビリで体調が戻ったように思えたのに、今はもうずっと以前の状態に逆戻りしてました。
でも雅子さんの中にひとつの光が見え始めたんです。 自分を信じてもらえたことへの喜びの光でした。
何時ものように雅子さんを家人は避け近寄ろうともしなくなったので便所にも自分の力で這いずって通いました。 苦しさを思うのではなく寛治さんとのことを想って眠れぬ時を過ごしたんです。
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