官能小説『ただいま』 第6話 恋歌様作

「あ……ほーーら。やっぱり。今、くいっ!と来たわね。お兄ちゃん」
………悲しい男の性であった。結局――或いはいつものことながら――亮一の兄と
してのプライドは関係なかった。セーラー服から突き出された妹の生乳に顔を埋もれ
させられただけで、その妹の手に握られた兄の肉棒が大きく反応してしまったのであ
る――事実がこれほど悔しかったことは亮一の人生でも…まあ、ほぼ毎日のように
あったのだが。
「ほんと。制服が好きなのね。この、へ・ん・た・い・お兄ちゃん!」
勝利感に更なる優越感を足し、加えて兄の全てを支配していることへの無限の自信
をかけ合わせた夏子が囁く。どんな言い訳も弁明も、今の現実の前には無意味と悟っ
た亮一は顔をそむけるしかできない。妹はそれにはこだわらず、その小悪魔の笑みの
まま、兄の勃起した肉棒をゆっくりとしごきにかかった。
「おい…ちょっと」
「言い訳は出たのを見てから聞くわ」
丁寧な手の動きに反して夏子の口調はそっけない。身体を入れ替え、真剣な顔を兄
の恥かしい塊によせる。それはまるで今日の兄が敵か味方か判断しようとしているか
のようだ――と言うことは亮一にもわかりすぎるほどに判っている――でも、兄とし
てはどうすることもできないのだ。
そして――
「え?わ、わ、わー―きゃん!」
その両手一杯に感じた実兄の躍動と爆発の衝撃に夏子が歓声を上げる。続けて“び
しゃっ!”と鳴ったのは、“兄の男のミルク”が近ずきすぎた“妹の顔”に直撃した
音だ――思わずにんまりと笑う妹の笑顔を、亮一は鋭く痺れる感覚の中で確かに見
た。
恥かしいけれどもそれなりの“余韻”にひたる亮一の前で、夏子は自分の顔に飛び
散った白いミルクを丹念に指でなぞり――舐めとった。それもこれ以上ない真剣な表
情で。
「うう――ん。濃さはこれくらいかなあ。朝、我慢したわりには今ひとつの気もする
んだけど。外で一回だした可能性が…ないとは――」
「昨晩、お前が自らたっぷり絞っただろうが!」
恐怖の宣託に一瞬で覚醒した亮一が真剣に叫んだ。
「何回したってんだ!平日は仕事があるからセーブするって約束したくせに!」
身の潔白を本気で主張する兄であった。よほど“有罪”が怖いのであろう。まあ、
殴る蹴る程度では終わらないのが、ごく最近実証されているのだから、無理はない。
「じゃ、良いわよ。特別に許してあげる」
意外にも夏子は明るく宣言し、亮一はやっとほっとする。何よりも目の色を変えて
いる兄に満足している妹の“笑顔”であることは兄には判っているのだが、怒るわけ
にもいかない。過去の過ちのせいだけではない。この“妹”に許してもらうことが、
この“兄”にはそれだけの意味があるのだから……
ところが――――
「おい」
「え?なに?」
「ちょっと待て。何をしている?!その手は?!」
亮一は、兄の肉棒を――疑いは晴れたと言うのに――掴んで離さず、それどころか
上下にしごいている妹に怖い顔を向けた。
「もう、疑いははれたのだろう!」
「ん…ま、そうなんだけど…」
「“ん”じゃない!何が“ま”だ!認めるんなら、すぐさまその手を――」
妹を身体ごと押しのけようとした亮一であったが、柔らかく、かつ強固な抵抗があ
り、そうはいかない。そして―――
「なんか、お兄ちゃんの“いった”時の幸せそうな顔とか、この両手の中で跳ねま
わってミルクを噴いている“お兄ちゃんのあそこ”とかがあってさ……ちょっと興奮
しちゃったの」
実妹の――猫が媚びるような最高度の甘い囁きであった。情けない話だが、たった
それだけなのに、実兄の節操のない身体は反応したのである。
「あ…お兄ちゃんもその気なのね…」
「ち、ちが…」
という理性の声も虚しい。実際に、妹に握られたままの兄の本音は、すでに“男の
反応”をしつつあった。
「ほらほらほらほら――いいじゃない。けちけちしないでよ」
「…お前は、今週の労働で疲れた社会人の金曜日の夜の状況をどう理解しているんだ
?」
精一杯怖い声であったが、真意は伝わらなかったようであった。妹は右手でパン
ティを脱ぎ、左手で兄のすでにかなり起き上がってしまっている肉棒を掴んでいる。
そしてそれに唇をよせ軽くキスをした。“ぞくっ!”と強い電流が兄の背筋に走る。
(ここで流されてしまっては!)
辛うじて気力だけで兄は――兄の上でうごめく熱い妹の肉感とそれに対する自分の
身体の無節操な反応に――堪えようとする。
が、次の妹の可愛い囁きがその全てにとどめを刺したのであった。
「―――ねえ…いやなの?あたし、もう濡れちゃっているの。今ならすぐ出来るし
――
お願い、お兄ちゃん…
“して…”」
「きゃん!」
理性をかなぐり捨てて――妹の可愛い一言“して…”だけで――獣となった亮一は
跳ねあがり、逆に妹の身体を組み敷いた。ピンク色の悲鳴が夏子の唇から嬉しそうに
漏れる。
「いやん…乱暴にしちゃ―――でも、これも好き…」
確信犯的に騒ぐ妹には構わず、亮一はさっき出したばかりとは信じられないくらい
に一瞬で硬直した肉棒を、妹のスカートの下で剥き出しになっている秘肉にあてる。
宣言どおり、愛液でびしょびしょだ。これなら、すぐに出来る――そして兄が腰を突
き出すのと妹が下から抱きしめるのとが同時になり、次の瞬間、ぬめる音を上げて兄
は妹を突き刺し――“同じ”ぬめる感触のもとに妹は兄を飲みこんだ。
「あ、あ、あ、あ……」
妹が甘く叫び、それに合わせるように兄の腰が乱暴に動く。“ぐちゃぐちゃ”とい
う粘液質の音がかなり大きく響き、兄妹の激情を更に加速した――
この兄妹にはいつもの流れである。兄が無言で責め――妹がむせび泣く。そしてそ
れは二人の快感が高まり、爆発するまで続いていく…
「お、お兄ちゃん…あ、あ、熱いのぉ…もっと…乱暴にしてぇぇぇ…」
下半身だけ裸の兄がセーラー服の妹をひたすら責めて、あえがせている。妹は強引
に犯されながらも――決して離さないと言わんばかりに必死でその兄にしがみつくの
だ。
「もっと…もっとぉ…お兄ちゃんの好きにして…夏子はその為にいるんだもの――」
ある意味さっきまでの力関係が嘘のような光景である。しかし、この兄妹にとって
は…
「いいのよぉ…好きにして…乱暴なのがお兄ちゃん好きなんだから…夏子もそれが好
きなの…お兄ちゃんが好きなのは―――みんな……
だって…『お兄ちゃんはあたしのもの。あたしはお兄ちゃんのもの』なんだも
の…」
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